愛の孤立感を癒す前に、こんな事も考えておきましょう。さて、色々の死にざまがあるので一概に論ずることは危険ですが、今、生きている人間にとり、自分の死への想いは複雑です。愛の孤立感、あらゆる種類の孤立感、色々でしょうが、今日は愛の孤立感は何故、生まれてくるのか、その意味を心理療法はどう説明しているのか、考えていきます。心理療法での愛の意味はそれが精神病棟に居る人であれ、社会で活躍している人であれ、その愛の定義は明確です。「その人が愛と感じるものが愛」と定義しています。愛の孤立感を感じている人に有名な哲学論、色々の宗教の定義を解説しても退院出来ません。出来る場合もあるでしょうが、その人がしみじみと、これが愛だ、愛しているんだ、愛されているんだ、と感じないものは愛ではないようです。赤ちゃんから高齢者、神経症だろうが、精神病だろうが、その人が心から、これこそが愛だ、と泣いて喜ぶことが必要です。その愛と感じる領域は、その人の生育史上の愛の原型を把握し、理解しないと分かりません。その人の愛の思い出を誠実に語ってもらえる雰囲気の無いセラピストは多分、その治療は不可能でしょう。その人の愛の世界を聴いていく内に、あまりにも異常な世界、恐ろしい世界にも遭遇しますが、ここで揺らいだら負けです。愛の原型の中には亡霊のような世界もありますが、先ずはその人がどんな事を愛と感じているかを徹底して傾聴するのが大事な事です。この続きはまた明日、語ります。
<自分は何処へ旅しているのだろうか?:19>
自分の生き甲斐を探究されている方々へ:
(1)テキスト「生き甲斐の心理学:ISBN 978-4-9903527-2-1」はアマゾンでもサンパウロ書店でも全国の書店で販売されています。
(2)気楽に広く理論だけを学習したい方は、この私のブログの左記の「カテゴリー」欄をご覧下さい。
その第1章「愛の領域」から11章(カリタス カウンセラーの基本とは)を見ながら思索すると楽しみながら勉強することが出来ます。
(3)この記事は6年間にわたり私が全力投球して系統的に理論を分かりやすく解説した2275回分の記事です。第1章から11章までを日常の言葉を使用ながら書いたものです。
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