愛し愛されて生涯を終わるのが人生ですが、愛し方、愛され方が分からないと言う人の場合はどうしたら、いいのでしょうか?答えは<愛し愛される方法は人間である以上知っている>のですが、分からないと言う自分の自信の無さが、どこから生まれてきているかを分析し、治療していきます。正常な愛の感じ方、正常な愛し方、と言う内容はその人が所属している職場、家庭、友人等の交際文化に支配されていますので、愛を感じる程度、愛する程度を研究しないと答えは出てきません。自分の愛の原型、愛し方、愛され方の自分のパターンを<私とあなた>の関係の中でまず正常か,異常かを会話してみましょう。二人の会話が冷静に行われる関係が重要で、会話をしようとすると、どちらかが怒り出す関係には愛はありません。
ヘルパーさんが強盗になる、信じられない事件でした。介護のあたる人々の基本試験に「愛」をチェックする方法はないものでしょうか?さて相談者さんの中に時々<人の愛が分からない>と本気で悩んでいる人がいます。解決する方法は色々ありますが、二つの基本を行います。一つは抽象的な愛の話ではなく、必ず具体的な<わたしとあなた>の関係性の中で考えさせます。二つは目は悩んでいる人の側の<愛の原型>について思索させます。愛の原型とはその人が感じる愛のパターンのことです。80億の人類の<愛の原型>が全部違うことを理解すると、初めてあなたの愛の原型って何? 私の愛の原型って何?と、その疑問点を理解しようと思うようです。他者の愛の原型を理解しようと努力する営みを生き甲斐の心理学では<愛を理解している人>と定義しています。
患者を愛せない苦しみを訴える医師が沢山います。原因を調べると、人間とは何か、という哲学・思索に修行が足りないのが分かります。人間は3つで構成されています。魂、心、身体です。魂の悩みは優れた宗教学や宗教、心は現代の心理学、身体は現代医学が担当すると、ふさわしい答えが見つかります。患者を愛せない理由は沢山ありますが、医師と患者が両方とも互いに心と身体からの発想からのみの考え方で相対していたら決して愛し合うことは不可能でしょう。患者は弱者の立場なので、医師の立場が魂の視点で対処する必要があります。人間の魂はどんな相手であつても愛し合つているという人間観を持たぬ限り、医師は本当の意味で患者を愛することは不可能でしょう。
<わたしとあなた>と言う具体的な関係で愛を考えないと、愛の世界は混沌としていきます。二人の関係に於いて具体的に考えれば直ぐ解決する事なのに抽象的、哲学的、神学的思考に入ると不可知論に陥る悲劇が多いようです。感情を抑圧して生きている現代人は、深層心理で<憎悪>を感じていても、意識の上で<愛している>と感じてしまう愛の錯誤、倒錯患者が激増しています。感情を倫理道徳に関係なく、素直に意識の上に上げる訓練をしていないからです。口にするか、しないかの訓練さえしていれば、世間で嫌われません。深層心理の世界での感情を素直に意識していかないと、本当の幸福感は感じません。まして愛している人に素直に愛しています、と言えなくなります。愛し,愛される二人の世界では、素直な愛の表現が益々二人を幸せにしていきます。この訓練をしていると神仏からの愛を素直に感受できるようです。
心ならずも人を苦しめる羽目になることが人生で時々あります。そんなとき、兄姉に言われた一言の思い出が、さもありなん、自分はもともと意地悪なんだなあ、と自己嫌悪、やぶれかぶれ、のような気分となり、とても哀しくなります。直ぐ上の姉から聞いた話ですが、幼稚園時代に田舎から来た祖母に対して<早く帰れ>と言ったそうです。何十年もその自分を気にしていましたが、最近の父母の法事のとき、その話を兄姉達の前で話しましたら、あら、それは一番上の兄だわ、と長女の姉が言いました。私を苛めた直ぐ上の姉が、あらそうだったんだ、悪かったわね、と一言。それで全て解決したのですが、そのように兄弟親子の一言が私の長年の悩みの遠因だつたのです。自分の嫌な性格をあまり深刻に考えたくないものです。
愛の不安感は人生で一番大切な感情かもしれません。首相であつても愛の孤独感には弱いものですし、宗教界、患者、医者、看護師、夫婦、恋人、全てこの愛の孤独感に苦しみます。愛し愛される関係での不安感は何とか解消しておく必要があります。一番まずい思索方法は愛を抽象的に考えてしまうこと、つまり<あなたとわたし>という具体的な関係式で考えないことです。愛とは何か、と考えてしまうと「蟻地獄」になります。絞り込んで、更に絞り込んで、<あなたとわたし>に焦点をあて、自分の直感とインスピレーションを信じて<わたしとあなた>の愛が本物かどうか、大きさ、深さに不満を持たず、浅くても軽くても、小さくても愛が確実に存在していることを信じると必ず答えが見えてきます。
<あなたの愛が欲しい>と言う叫びは古来からの人類の願いです。対象が男女であっても、神仏であっても、深層心理の世界では同じ精神作用です。生涯,得られなくても身体症状(眠れない、食欲がないなどの)が出ない人もいれば、1週間で心の病になる人もいます。神仏の場合は森羅万象の現象を上手に解釈できれば、呼吸や心臓の音にも神仏の愛を感じ取ることが出来ますが、男女間の場合はなかなか難しいのは何故でしょう?美しい詩心で生き抜けるならいいのですが、切羽詰まった愛欲は人を狂わせていきます。略奪等の強引な求愛は悲劇のもとになるので、この求愛方式を成功させる秘訣は求愛を逆転させて、まずは誠実に相手を愛していく方法に切り替えられるない限り、この蟻地獄は解決できません。