書く仕事

ご訪問ありがとう!!ミステリー小説の感想を中心に,読書,日々の雑感,映画の感想等を書き散らかしています.

ビルゲーツ氏の引退

2008年06月29日 13時42分33秒 | 日記
IT業界の巨人,MS(マイクロソフト)の会長ビルゲイツ氏がMSの第一線から引退するとのこと.

MSの企業としての特徴は,マーケティングのうまさにあることは明らかですね.
世の中のニーズを一歩先んじて取り入れ,ユーザに提供していく.
同時にライバルになりそうな商売敵が出てきたら,そこが本当のライバルになる前に叩き潰してしまうという戦略で,IT業界の先頭を走ってきました.

あえて日本の企業で例えるなら,自動車のトヨタ,電器の松下というところでしょうか.
どちらもマーケティングと営業力で,確固たる地位を築いてきたわけです.

ただ,MSと違うのは,トヨタや松下は,ライバルを叩き潰すという戦略はとらなかった.
日本的といえば日本的ですが,むしろ積極的にライバルを利用するという立場をとってきました.
トヨタに対するホンダ,松下に対するソニーがそうです.
ホンダやソニーには,トヨタや松下にはない,新しい発想力や技術力があったからです.
松下の戦略を見ていると,ソニーが新しい商品領域を,新規開拓するのを待っているようなふしすらありました.
ウオークマンや新タイプの個人向けパソコンなどがその例です.

しかし,MSはそうではありません.
自社のマーケティングさえしっかりしていればそれでいい,他社はつぶすか乗っ取れ,という考えをとりました.

マイクロソフトの手によって,この世から葬り去られた会社はいったい何社あるのでしょう?

古くは,MS-DOSの前身とも思える,CP/M(懐かしい!!)というOSを作ったデジタルリサーチ社から始まり,WEBブラウザーでしのぎを削った,ネットスケープ社まで...

しかし,時代は変わりました.
力でマーケットを支配できる時代は終ったのです.

MSの現代の最大のライバルとされているのは,あの検索エンジンのグーグル社です.
マイクロソフトとグーグルがなぜライバルなのかといぶかる方も多いと思いますが,その理由はグーグルが最近サービスを開始した,「Google ドキュメント」にあります.

これは,グーグルのホームページの「便利なツール」というタブの中にありますのでお試しになるといいと思いますが,要はワード,エクセル,パワーポイントのファイルを読み込み,自由に編集して保存できるというシステムです.もちろん,新規作成もできます.
しかも,作成・編集したファイルをグーグルが無料で使わせてくれるネット上のファイルサーバーに保存してくれるのです.

つまり,今まで何万円も出して買っていた,MS-OFFICEをタダで,使えることになります.
ファイルサーバまで無料なので,USBメモリなどを持ち歩く必要すらありません.
グループやチームでオフィスのファイルを共有することが「無料で」できてしまうのですね.

オフィス製品をドル箱としていたマイクロソフトにとっては,一大事.
あわてて,ヤフーを買収して対抗策を取ろうとしましたが,やぶへびとなってしまいました.
というのも,買収に失敗したばかりか,ヤフーがグーグルと業務提携をしてしまったのです.つい最近の話です.

さあ,どうする?マイクロソフトよ!
と,思っていた矢先にビルゲーツさんの引退報道.

この動き,どう見ればいいのかなあ?

しかも,VISTAが全然売れていない状況もありますでしょう.
アップルのMACや,オープンソース系のUNIX,LINUXとの力関係も微妙になりそうです.

IT系の教育に携わる人間として,今後の教材の確保内容にも影響するので,非常に気になるところです.

人と話すということ

2008年06月26日 12時23分38秒 | 日記
学部の卒論生は毎年入れ替わります.
だから,毎年,彼らに対して,4月は私の研究の概要説明から始めなければなりません.
でも,これがなかなか面白い.

同じくらいの成績の学生に,同じ説明をしても,スイッと理解するものもいれば,キョトンとして,スワヒリ語講座を聞いていたような顔をするものもいる.
そのままではまずいので,こちらは手を変え品を変えいろいろな角度から説明をします.
そうすると,こちらの方が,「あ,そうか.そういうことだったのか」と,逆に気がつくこともあるのですよ.

そういうことって,日常の会話の中でもよくありますよ.
自分では意識していなかったことなのに,質問されてそれに答えるプロセスの中で頭が整理されて,「こういうことなんだ」ということが明確になることってしょっちゅうあります.

別に学問的なことを言っているんじゃあないんですよ.
たわいもないこと,だけど,結構大事なこと.


卒論生が,履歴書の書き方,特に志望動機の作文ができなくて相談に来ます.

最初は,「え,そんなの知らないよ」と思いもしましたが,しぶしぶ対応しているうちに,待てよと,ふと思ったのは,自分が企業の人事の採用担当だとしたら,どんな文章だったら,気に入るかという視点で文章を考えてみたのです.

そこまで,思いが到れば,あとは簡単なんですね.
その企業のホームページを見れば,その企業が「自慢したがっている」技術やサービスを2つ,3つ拾い出すのは簡単,その内容と自分の卒業研究の内容を結びつけ,「貴社の○○システムは,△△の面で社会に貢献するものであり,すばらしいと思う.自分もそのような仕事に取り組んでみたい.卒業研究で取り組んでいる,××の専門知識がこれに応用できるので,是非貴社で仕事をしたいと思った.」
というような作文をすればいいわけですね.

以前の私はそんなこと考えても見なかったので,そういうプロセスを発見することは楽しいものです.

人と話すことというのは,人に語りかけると同時に,自分にも語りかけているのですね

私のCO2削減法

2008年06月22日 16時49分08秒 | 日記
洞爺湖サミットを直前にして考えてみました.

前から思っていましたが,環境負荷を下げる方法って,身の回りにいくらでもころがっています.
皆でこれらをやれば,あっという間に2割ぐらい削減できそうなんですが.

(その1)冷暖房の節約のために
夏になると,冷房の設定温度を28℃にしましょうとか言いますけど,暑いものは暑いです.
我慢するのはいやじゃないですか.
我慢せずに暑さを軽減できなければ,こんなスローガンは誰だって「無視」ですよね.
そこで,私が思うのは,「扇風機」の活用です.
同じ28度でも,風があるとないとでは体感温度が3度くらい違います.
扇風機で微風が来る状態なら,29度でも十分我慢できます.
さらに言うなら,午前中はなんとか扇風機で我慢し,午後になったらそれにエアコンを追加すると言うやり方にすれば,かなりCO2削減効果がありますよ.
冬は,逆に部屋着を1枚多く着る.
あるいは,ズボン下に厚い生地の下着を着ると,暖房もかなり節約できます.
冬でも,薄着で済まそうとするから寒いんですよ.

(その2)ガソリンの節約のために
自転車とウオーキングで健康作りです.
駅までのバスを歩きに変える.
一駅分歩きを増やす.
思い切って,会社まで自転車通勤してみる.
実は,私が片道45分かけて自転車通勤するというと,たいていの人が「凄いですね」と,言ってくださる.
でも,自転車って意外にエネルギーを使わないんです.
慣れればね.
最初はきつかったのですが,体が慣れてくると,45分では物足りない感じがしてきます.
要は日常生活に運動を組み込んじゃうことです.
CO2削減はその副産物です.
だって,CO2削減が主目的だと,続かないですよ.

(その3)パルプ資源の保護のために
新聞をやめましょう.

いや,ジョークじゃなく,新聞とるのをやめましょうよ.

皆さん,自分で資源ごみを出していますか?
1か月分の新聞の束を見たら,これがどれだけ環境に負荷をかけているか良くわかります.
文庫本に換算すると,30冊ではきかないです.
第一下手をすると,手で持てないくらいの重さになります.
これがゼロになれば,ものすごいCO2削減効果があると思いますけど.

私は最近は新聞をあまり読みません.
必要なニュースはネットから得られますからね.
しかし,かみさんが承知しないんです.
地域の情報はネットでは得られないと言う.
たしかにそうかもしれません.
町内会の催しや,市民センターの行事はネットで調べるのは面倒でしょう.
しかし,もしそうなら,地域のお知らせのしかたの方を変えるべきだと思うのですが...

まあ,ちょっと時間はかかるかもしれません.

私がもう一つ言いたいのは,「新聞の宅配」が今のマスコミをダメにしているという持論があるからです.
宅配だと,新聞は月極め契約となり,新聞社は1回契約しちゃえば,よほどのことがない限り,その家から毎月何千円もの定期的な売り上げを確保できます.
年間にすると,4万円くらいになりますでしょ?
これは,とんでもない価格ですよ.
これだけの金額が,何千万世帯から新聞社に流れ込んでいくわけです.

こんな甘い話になっているから,新聞社が読者を甘く見る.
つまらない記事が溢れかえる.
私は殺人犯の新しい証拠が見つかったとか,小学校時代の同級生の感想とか,そんなもの読みたくないです.
限られた紙面ですべての読者に対応しようとするから,あんなつまらない記事しか書けないわけで,全部ネット化して,必要な情報,興味ある情報だけにアクセスできるようにしてもらえれば,月5000円でも払います.
環境にもやさしくなるわけですしね.
実際,ネットのプロバイダーにはそれくらい払っていますし,逆にいうと,紙の新聞は私個人にとっては,もう不要な存在なんですね.

だから,みんなで新聞やめましょ.

高速水着

2008年06月15日 11時16分19秒 | 日記
日本水泳連盟が,北京五輪では,従来の契約にとらわれず,選手が水着を自由に選択できることを決定しましたね.
先日のジャパンオープンで,あれだけ日本記録がバンバン出ちゃうと連盟としても動かざるを得ないでしょう.
とどめを刺したのが最終日の北島康介選手の世界新記録です.

困ったのは,ミズノをはじめとする日本の契約メーカたち.

法律的なことを言えば,契約は契約ですから,連盟の決定に異議を申し立てるか,違約金を請求することは当然の権利です.

しかし,そこが日本という国.

国民感情というか,世論を敵に回しては,逆に売り上げにも影響するわけで.

苦渋の決断で,「黙認」ということになりました.

各社の社員さんたちは,悔しくて夜も寝られなかったのでは?

それにしても,スピード社の水着はすごいですね.

今までは,とにかく水の抵抗を少なくするために,水との摩擦を減らす「素材開発」が課題でした.
ところが,スピード社は発想を変えた.
もともと,水の抵抗は,体の凸凹つまり,筋肉や骨の出っ張り部分に原因があるので,その「原因自体を隠す」水着を作ってしまうというアイデアですね.

これは,我々,研究開発を仕事とする人間にとって,大きな示唆を与えてくれます.

発想の転換というのは,こういうことなんですね.
勉強になります.

スポーツの世界も科学技術が時々パラダイムの転換をもたらします.

私の印象に残っているのは,長野冬季オリンピックの直前に,スピードスケート用の新しいスケート,「スラップスケート」が開発されました.

従来の刃(ブレード)を固定した方式ではなくて,足を上げた時に,くつだけが「ばね」で後ろへ浮き上がり,刃の氷への接触時間を長くすることで,スピードが出るようにしたのです.

これをいち早く採用し,五輪に臨んだ清水宏保選手が金メダルを獲得したわけです.

選手の努力,コーチングの工夫,「道具の進化」,この3つが揃って初めてメダルが獲得できるということなんでしょう.

なんだか,プロジェクトXの世界ですね,まるで.

「空中ブランコ」奥田英朗

2008年06月13日 18時20分34秒 | 読書

町長選挙・インザプールに続き,伊良部先生シリーズを読みました.
3作の中で一番面白かったです.
ジャンプがうまくいかないサーカス団員、先端恐怖症のヤクザ,突如ノーコン病に取りつかれたプロ野球選手など,本業で一流の実績を持つ人が今回の主人公.
皆,凄い人たちなんです.
しかし,肝心要の本業がなぜかうまくいかなくなっちゃう.
しかも,ケガや病気といったちゃんとした理由が見当たらず,どうも精神的なものが原因らしい.
で,皆さん困り果てて,伊良部先生のところにやってくると...
そこからは,いつものパターンなんですが,患者さんたちが皆,その道の一流の人たちなので,その必死さは今まで以上ですから,各々のエピソードがまた笑えちゃうんですね.
ほんと,真剣そのもの.
病気をごまかすための状況がまた,いちいち笑える.
場面設定やセリフが他の2作とは比べ物にならないくらい弾けています.
これは面白い.
私的には,先端恐怖症のやくざを描いた「ハリネズミ」が一番面白かったけど,他のお話もなかなかのものです.

人生に疲れを感じているあなた,一度この本で脱力してみてはいかがでしょうか?

「癒し」ではなくて,「脱力」です.
その違いは,この本を読めば実感できること間違いなし.

「アフタースクール」 なんと爽やかな<だまされ感>

2008年06月09日 22時36分47秒 | 映画・DVD

内田けんじ監督の最新作.
これ面白すぎ!

ドタバタ学園ものだと思って,無視していたんですが,BiglobeStreamのシネマスクランブルTVで,中井編集長が「見事に騙された」って,べた褒めだったんで,へえ~って思って,見てきちゃいました.

はいはい,だまされましたよ.見事に.

そうかあ,そう来たか,やられたなあ!
と思っていたら,実はさらにその裏があって...
もう一回,だまされちゃって...

でも,単に手の込んだトリックものではありません.
この作品のすばらしさは,見た後の「爽やかさ」なんですよ.

去年,「きさらぎ」を見たときにも感じましたけど.
愛する人への想いを,言葉やかたちに出来ないもどかしさが,ある事件を経て,いろんな出来事を経験して,何かの拍子にふっとできてしまう...
その瞬間,じわ~と涙が...ね.

感心するのは,あちこちにちりばめられた伏線の見事さです.

もちろんいくつかの伏線は事件の核心となる事実を指しているんですが,それ以外に,ある人のある人への想いをさりげなく暗示している伏線もあって,それが,物語の最後で明らかにされる時は,本当にぐっときました.

内田けんじ監督自身が脚本を書いているのですが,この方,要チェックです.

あ,そうそう,白岳焼酎「しろ」のコマーシャルを演出した人なんですよ.
覚えていますか?
あの,「人間,本当のことは一回しか言わない」「友達友達」
あれですよ.

「運命じゃない人」も秀作らしいのですが,まだ見ていないので,DVDを借りて見るつもりです.
楽しみだなあ.

あやしいぞ!食料自給率の数字

2008年06月08日 15時27分52秒 | 日記
日本の食料自給率が40%とか39%という話が叫ばれ,明日にでも食糧危機がやってきそうなマスコミの論調に異議あり.

40%というのは,カロリーベースの数値なんですよ.

食料自給率には,2通りの計算方法があって,ひとつはカロリーベース.
つまり,一人あたりが消費しているカロリーの何割を自国の農作物から得ているかという数値.
もう一つは,生産額ベース.
こちらは一人の人が食した食品の総価格のうち,日本産食品の生産額が占める割合です.

マスコミとしては話を大きくしたいし,政府の政策を槍玉にあげないと新聞が売れないので,常に取り上げるのはカロリーベースです.

というのは,生産額ベースだと,日本の食料自給率は70%あるのですよ!

でも,このことは決してマスコミは取り上げません.
70%では,新聞が売れないからね.

でも,どう考えてもカロリーベースっておかしくないですか?

だって,おさじ1杯のサラダオイルと,段ボール一箱の人参やキャベツが同じものとして計算されるんですよ.

生産額ベースがベストとは思わないけど,せめて両者を併記して論ずるくらいの公平さが必要と思います.

ただ,日本人の飽食ぶりには,やはり警鐘を鳴らす必要はありますね.

アフリカやアジアの多くの国で,食糧難で餓死者がでている状況で,日本のレストランの食べ残しや,コンビニ弁当の期限切れ廃棄のニュースを見ると胸が痛みます.

せめてテレビの大食い大会や早食いコンテスト等の見世物番組は,自主規制して欲しいなあと思います.

ギャル曽根さんは失業するかもしれないけどね.

新装開店

2008年06月06日 20時42分27秒 | 日記
皆さん,ご無沙汰いたしました.
やっと仕事もひと息ついたので,ブログを再開することにしました.

再開の初ネタは,「皆既日食」の話.

知っている人は知っていると思いますが,来年7月に,九州南部を中心に皆既日食を見る事ができます.
一番良いロケーションは屋久島らしい.

夏休みに入ったばかりの絶好の季節.

そこで,早速屋久島観光センターに電話して,宿の問い合わせをしてみました.
が...
時すでに遅し,どこのホテル・旅館・民宿も予約で一杯とのこと.

しかし,旅行事情に詳しい知り合いによると,このような場合は,もうしばらく待てば,船上から日食を見るクルーズとか,いろいろなツアーが出てくるので,諦めることは無いそうな.

自分の住んでいる近くで,本物の皆既日食,特にダイヤモンドリングが見れるなんて一生に一度あるかないかですものね.

なんとかして,見に行きたいと思っています.