「硝子のハンマー」 貴志祐介
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/8a/3fdca22ba64ec8c0ac732c1f28e8679a.jpg)
貴志祐介の本格推理小説
とあるビルで起きた密室殺人を描いた事件編と、犯人の半生を描いた解決編の2編の長編からなる力作。
巧みな構成に驚いた。
密室のトリックが秀逸。
犯人の半生も、気の毒さが先に立って、彼を責められない気にさせる。
久しぶりの本格物で推理小説の楽しさをあらためて実感できた。
「犯人はお前だ!!」的なビックリ感はないが、読者は、探偵役ではなく、犯人の方に感情移入してしまうだろう。
それくらい、犯人の心情や境遇が丁寧に描かれる。
それに何といってもストーリーが面白い。ページターナーです。
どうぞ、お楽しみください。
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貴志祐介の本格推理小説
とあるビルで起きた密室殺人を描いた事件編と、犯人の半生を描いた解決編の2編の長編からなる力作。
巧みな構成に驚いた。
密室のトリックが秀逸。
犯人の半生も、気の毒さが先に立って、彼を責められない気にさせる。
久しぶりの本格物で推理小説の楽しさをあらためて実感できた。
「犯人はお前だ!!」的なビックリ感はないが、読者は、探偵役ではなく、犯人の方に感情移入してしまうだろう。
それくらい、犯人の心情や境遇が丁寧に描かれる。
それに何といってもストーリーが面白い。ページターナーです。
どうぞ、お楽しみください。
「舟を編む」 三浦しをん
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/f0/f422e7cecf9d22da0616373815f79095.jpg)
新しい辞書を作ることに情熱を燃やす人たちの物語。
私もそうだが、辞書は必要に迫られてやむを得ず使うもの。
使わずに済むものなら、それに越したことはない、と思っている。
しかし、世の中には、この辞書作りに
命を懸けている人もいるのです。
「本当に大切なことは言葉では伝わらない」という命題。
そして、「いくら想っても言葉にしなければ伝わらない」 という命題。
どちらが真実か?
言葉の意味を、語源を含めて突き詰めて行くと、人の想いに行き着く。
言葉の意味を突き詰めて考えることが、本当に大切なもの、人の想いにたどり着くことなのである。
「言葉の意味」に対する情熱がひしひしと伝わってくる小説。
辞書を1冊持って旅に出たくなる。そう思わせる小説です。
こんな小説、読んだことがない。
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新しい辞書を作ることに情熱を燃やす人たちの物語。
私もそうだが、辞書は必要に迫られてやむを得ず使うもの。
使わずに済むものなら、それに越したことはない、と思っている。
しかし、世の中には、この辞書作りに
命を懸けている人もいるのです。
「本当に大切なことは言葉では伝わらない」という命題。
そして、「いくら想っても言葉にしなければ伝わらない」 という命題。
どちらが真実か?
言葉の意味を、語源を含めて突き詰めて行くと、人の想いに行き着く。
言葉の意味を突き詰めて考えることが、本当に大切なもの、人の想いにたどり着くことなのである。
「言葉の意味」に対する情熱がひしひしと伝わってくる小説。
辞書を1冊持って旅に出たくなる。そう思わせる小説です。
こんな小説、読んだことがない。
自分の考えを主張することと、人から好かれることとは両立できんな。
やはり、どちらかを選ばねばならない。
それが人生さ。
「ドルチェ」誉田哲也
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/3c/4d68b0dcbeefa4996dc1d1094e1ab668.jpg)
魚住久江(うおずみひさえ)巡査部長。42歳。独身。
練馬警察署に勤める刑事さんである。
彼女が主人公の警察小説の短編集だが、他の警察小説とは一味も二味も違う。
まず、殺人が起きない。
そして犯人が皆とても善人である。
しかし、事件を追っていくと、何か違和感がある。
その違和感が久江を突き動かし、真実を追い求める原動力となる。
基本的にはミステリーである。
一見何気ない単なる傷害事件の裏に、心の闇がかくれている。
事件の動機が謎の中心である。
なぜ、犯人はそんなことをしたのか?
そこには、現代社会が抱える、人々の心の問題がある。
DV、ニート、性的マイノリティ、、、、
久江の優秀さは警察幹部の知るところなので、毎年のように警視庁捜査1課への移動を打診される。
しかし、彼女の断わりのセリフがとても良い。
「起きてしまった殺人事件の犯人を挙げるより、殺人事件になりそうな事件を解決することで、殺人を防ぐ仕事がしたい。」
実に渋い味わいのある刑事小説であり、大人の読者に受けるだろうなと思う。
あと、久江の恋(?)の行方も気になる。
続編があるなら読んでみたいね。
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魚住久江(うおずみひさえ)巡査部長。42歳。独身。
練馬警察署に勤める刑事さんである。
彼女が主人公の警察小説の短編集だが、他の警察小説とは一味も二味も違う。
まず、殺人が起きない。
そして犯人が皆とても善人である。
しかし、事件を追っていくと、何か違和感がある。
その違和感が久江を突き動かし、真実を追い求める原動力となる。
基本的にはミステリーである。
一見何気ない単なる傷害事件の裏に、心の闇がかくれている。
事件の動機が謎の中心である。
なぜ、犯人はそんなことをしたのか?
そこには、現代社会が抱える、人々の心の問題がある。
DV、ニート、性的マイノリティ、、、、
久江の優秀さは警察幹部の知るところなので、毎年のように警視庁捜査1課への移動を打診される。
しかし、彼女の断わりのセリフがとても良い。
「起きてしまった殺人事件の犯人を挙げるより、殺人事件になりそうな事件を解決することで、殺人を防ぐ仕事がしたい。」
実に渋い味わいのある刑事小説であり、大人の読者に受けるだろうなと思う。
あと、久江の恋(?)の行方も気になる。
続編があるなら読んでみたいね。