書く仕事

ご訪問ありがとう!!ミステリー小説の感想を中心に,読書,日々の雑感,映画の感想等を書き散らかしています.

米焼酎「たるみこし」

2012年03月30日 23時08分10秒 | 日記




いただきものですが,米焼酎をちびちび,ロックでやっています.

いやあ,至福のときですな.

シチュエーションをざっと説明しますとね...

かみさんは,今夜は先生仲間の飲み会で下通りへ行ってます.

あ,県外の方のために説明すると,下通りというのは,東京で言えば,新宿歌舞伎町みたいなところです.

で,長女と私が留守番.

娘は筋金入りの野球ファンで,今日の開幕戦を楽しみにしており,しかもひいきのチームが開幕戦勝利をあげたのでルンルンでスマホをいじりながら,友達とソーシャルなコミュニケーションを図っている.

そして私は写真の焼酎を楽しみながら,この日記を書いているというわけです.

銘柄名は「たるみこし」と読みます.

ラベルの漢字だけでは読めないですよね.

米焼酎なので,芋焼酎とは異なり,すっきりと淡白な味わいです.

芋のコクはないけど,これはこれでうまい.

これを幸せと言わずしてどうしよう.

「マスカレードホテル」東野圭吾

2012年03月24日 23時56分52秒 | 映画・DVD
「マスカレードホテル」東野圭吾




「東野圭吾作品に新たなヒーロー誕生」,がこの小説のキャッチフレーズ.
「新田浩介」がそのニューヒーロー.
「容疑者Xの献身」の湯川学,「新参者」の加賀恭一郎に続く,第3のヒーローです.

湯川が科学者,加賀が経験を積んだ刑事であるのに対し,この新田浩介はまだ駆け出しの警部補.

犯人逮捕に至るまでのプロセスも,前者の二人とは全く違います.

湯川は科学的知識を駆使して犯人を追い詰める手法を取り,加賀は人間の心理を深く読み解いて犯人の心情の分析から事件を解決します.

彼ら二人に共通しているのは,ある段階まで行くと,彼らには犯人と事件の全貌が見えていること.
しかし,周りの警察官や関係者には見えていない,そういうフェーズが必ず存在するのです.
つまり,この二人はシャーロックホームズであり,エラリークイーンなのね.

しかし,この新田クンは全く違う.読者と同じ目線で事件に引っ張りまわされる.

犯人からも,事件とは関係ない人々からも結構痛めつけられる.

しかし,事件の要所要所で鋭いひらめきを見せて,難問を一気に突破する.

しかし,その上を行く犯人はさらに難しい問題を残していく.

そうですね,むしろこの新田浩介君はダイハードのマクレーン刑事に近いかもしれない.
ストーリーはもちろん全く違いますけどね.暴力もないし.

この新田君,鋭い分析力を持ちながら,若気のいたりか,ちょっとしたことですぐイライラしたり,自分の手柄にこだわったり,まあなんと言うか「お子ちゃま」っぽいところがあり,そこがまた魅力にもなっている.

鋭いだけの天才捜査官じゃ息が詰まってしまいます.

単細胞な未熟さと,時折見せるひらめきのアンバランスな混在こそ,この新田浩介なるヒーローの魅力なのですよ.

一流ホテルのフロント係である山岸尚美は,ホテルマンの鏡ともいえる役どころをこなしつつ,ひょんな縁で新田君とコンビを組むことになるが,しばしば激しく対立し,そして,...
おっと,これくらいにしておきましょう.

題名のマスカレードは,ご存知の通り,仮面舞踏会の意味です.

舞台である一流ホテルに訪れるお客は本来の自分ではなく,何かの仮面をまとってフロントに現れる.

その仮面とは?

そして,重要な点は,お客だけでなくホテルで働く人々も,葛藤に悩む自分を隠すため「誠意」という仮面をかぶって働いているということ.

新田君の奮闘ぶりが可愛くもあり,山岸嬢の名ホテルクラークぶりが爽快である点も読み応えがありますが,いろいろなお客が紡ぐ人生の機織模様が心に沁みます.
この辺は新参者の展開を彷彿とさせる.

安心して読める東野圭吾さん.
裏切りませんね.

胃カメラ

2012年03月21日 18時10分45秒 | 日記
この前の月曜,引っ越しの荷物の山から這い出して,年に一度の胃カメラ(胃部内視鏡検査)に行ってきました.

もう慣れたものですが,やはり結果を聞く時はちょっと緊張します.

幸い,去年の画像と変化はなく,「また来年来てくださいね」 という先生のうれしい一言で終了でした.

この病院(Y胃腸科クリニック)は,検査の時,眠らせてくれるので,「オエー」も無いし,見たくもない映像の実況生中継を見なくて済むのでうれしいです.
あんなものは後で結果だけ教えてくれればいいと思うのは私だけでしょうか?

そんなわけで,また1年間の無罪放免?執行猶予?わかりませんが,昨日も安心して飲んでしまいました.

明後日も飲み会.

いつ引越しするんだ? > 自分

明日ですが,それが何か?

チョンボ

2012年03月19日 15時39分11秒 | 日記
本格的な引越し,つまり引越し屋さんが来てタンスや冷蔵庫を運ぶのは3月22日なんですが,少しずつ通勤を利用して段ボールを運んでいます.

しかし,今日は痛恨のミス.

本類を入れた段ボール5箱を朝運ぼうとしてましてね.

転居先についてさあ,運び込もうとしたら...「ない」

「キー」が.

転居先のアパートのキーがないのです,

すでに自分のキーホルダーに付けて,じゃらじゃらさせていたのに.

そこで,やっと思い出した.

昨日のこと.

かみさんも私も転居先のキーは一つずつ持っているのだが,昨日かみさんが自分のを今の家に置いたまま,引っ越し先にきちゃったので,その時だけのつもりで貸したら,二人ともそのまま忘れちゃったというわけです.

そんなわけで,今日はせっかく車に積んだ段ボールをそのままにして帰ります.

この虚しさ...

「教授の異常な弁解 (文春文庫)」 土屋 賢二

2012年03月17日 20時32分23秒 | 読書
「教授の異常な弁解 (文春文庫)」土屋 賢二





お茶の水女子大の哲学の名誉教授である土屋賢二さんの奇想天外なエッセイ集.

哲学というより,論理のトリックを駆使した,爆笑ネタ付きニヒリズムのオンパレードです.

教育は「模倣」から始まるというネタでは,「結婚後、妻に従順になってほしいと思った私は、妻に従順さを模倣させようと自ら従順な行動を繰り返したところ、妻は平気で命令するようになった。(略)模倣による教育には限界がある」
と来る.

おそらく愚かな書評家は,ブラックユーモアの類書として評価するだろうが,そう読んでしまっては,この本とこの作者の価値の半分を見落とすことになる.

大事なことは,ものごとには必ず多面的な解釈がありうるにもかかわらず,公開されるのはその一面だけということだ.

悪意の裏には善意もあり,善意の影には悪意が潜んでいるということ.

その多面的な可能性を洞察し,予見してこそ未来が開けるのだ.

例えば,悲惨な失恋をしたとする.

その失恋を乗り越えて,新しい恋を獲得できれば,未来を切り開く能力を確信できるし,新しい恋を獲得できなければ,思い出に浸り続けることができる.

みたいな.

自分にとって,何が必要なのか.
あるいは本当は自分は何を求めているのか,再考し発見する手引書の役割を果たす可能性がある.

人生指南書でもある.

読んで損はない.

もし,この本で人生を学ぶことが出来れば,数百円は大変安い.
人生を学ぶことができなければ,書物を選ぶのには慎重さが必要であることを学べる.

らじるらじる

2012年03月08日 22時39分47秒 | 日記
震災以後というわけでもないんだけど,最近ラジオをよく聞くようになりました.
ニュース,ナイター,そして「ラジオ深夜便」はAMラジオで聞いています.

音楽番組はもちろんFMでね.

ほとんどNHKですけど.

年寄りくさいかもしれないが,「ラジオ深夜便」は今や僕の心の友です.
夜中に目が覚めてそのまま寝付けない時は本当に重宝します.
また,クラシック音楽番組のうち,月曜朝の「気ままにクラシック」は大体毎回聞いている.
イントロあてクイズの「気まクラDON」は毎回楽しい.

研究室にはラジオがないので,「らじるらじる」で聞いています.



この世界にもITの波が押し寄せています.

難しい言葉でいうと,「通信と放送の融合」ってやつ?

眼圧とケーキセット

2012年03月05日 10時48分58秒 | 日記
去年の暮ころ,目が少しかすむという症状があったので,専門医に診てもらったことは1月の日記に書きました.
その時の見立ては眼圧が高く緑内障の初期状態とのこと.

「キサラタン」という点眼薬を処方してもらったところ,この薬がばっちり体質に合ったらしく,おかげさまで眼圧は正常になり,経過観察が続いています.

医学・薬学の進歩には感謝しなくちゃ.

通っている病院は熊本駅近くの「出田眼科病院」.

かなり有名で,眼科専門ながら常時5名以上の医師が診察に当たり,もちろん手術・入院設備も完備している.

しかし,今日の日記は,病院の宣伝ではなくて,その病院に併設されているレストラン「ラ・フォンテーヌ」のご紹介です.




同じ建物内に病院と並ぶように作られたカフェ・レストランです.

患者さんももちろん利用できますが,お見舞いに来た方と患者さんが病室でなく,ここでお話もできるわけですね.

今まで,入ってみたいと思いながら,時間がなくて入れませんでしたが,今朝,ちょっと寄ってきました.

で,写真のケーキセットに,ようやくつながりました.



クランブルケーキとホットコーヒーのセットで580円.

僕の好みのホイップクリーム別添えタイプです.

静かで落ち着いた雰囲気の中でお話すれば病気のこともしばし忘れられるかもしれません.

太宰府天満宮

2012年03月04日 16時20分34秒 | 日記



いよいよ今度の水曜・木曜が長女の高校受験日.

気の小さい親父としては,じっとしておられない.

せめてもの気休めかも知れぬが,行ってきました.

学問の神様,道真公をお祀りする太宰府天満宮です.

受験シーズン終盤とあって,かなりの人出でした.




ちょうどお昼でしたので,参拝後は,天満宮と駅の間の参道にある食堂に入り,写真の「合格弁当」ってやつを食して参りました.
トンカツやお赤飯などめでたいものが10品目入っている.



まあ,普段大学で偉そうなことしゃべている先生も一皮むけば親の子,いざとなると神頼みという情けないお話です.

失礼をば申し上げました.

「ナニワ・モンスター」海堂 尊 <政治改革の要は医療だ!>

2012年03月03日 22時49分25秒 | 読書
「ナニワ・モンスター」海堂 尊




「チームバチスタの栄光」「ジェネラルルージュの凱旋」に続いて,僕としては3冊目の海堂尊さん.

今回も医療問題を中心とした物語です.
ただ,前の2冊と大きく異なるのは,物語の場面が病院という医療現場ではないことと,医療を取り巻く政治や検察の人たちが重要な役割を果たす点が大きく違います.
前の2冊のミステリー性が影を潜め,非常に社会性の強い小説になっています.

記憶に新しい新型インフルエンザ.

弱毒性なのになぜあんなに大騒ぎしたのか,不思議に思っていましたが,この小説では,ある仮説の元に,一種の陰謀としての新型インフル問題の本質が炙り出されます.

その他,掛け声ばかりでなかなか進まぬ地方自治や,高齢化によって破綻することが目に見えている医療制度にちっともメスを入れようとしない政府,など普段我々の心の中にくすぶっている政治不信や未来に対する不安を,快刀乱麻の新アイデアで解決しようという村雨大阪府知事(小説では浪速府知事)と彦根先生の活躍が描かれます.

まあ,こんなに簡単に話が進むなら苦労はしないという突っ込みどころは横に置いておいて,海堂さん独特の熱っぽさと,医療問題は専門家だけに説得力ある語り口には,おもわず頷いてしまいます.

海堂さんは元医師ですが,医療については過去の人ですから,現役の医師がこの本を読んでどう思われるか,是非聞いてみたいところではあります.

蛇足ですが,道州制を熱く語る村雨府知事の台詞とその活躍は,時の人,橋下大阪市長を彷彿とさせますね.