書く仕事

ご訪問ありがとう!!ミステリー小説の感想を中心に,読書,日々の雑感,映画の感想等を書き散らかしています.

しばらくぶりの「しばらく」

2009年10月30日 14時28分00秒 | 日記



福岡では,知らぬ人のない名店「しばらく」
出張で福岡に行ったついでに,西新の本店に寄ってみました.
やはり,うまい.
古典的な(?)トンコツですが,なぜかあっさりしている.
熊本ラーメンのようにはニンニクが利きすぎないのが,あっさりの理由かもしれません.
未知のおいしい店を探すのは楽しいのですが,当たりもあれば外れもある.
その点,この店のように,美味しいとわかっていて,やはり美味しいのは,なんとも言えぬ安心感と幸福感をもたらしてくれます.

打合せの仕事も充実していましたが,それ以上に充実感をもたらしてくれた,しばらくぶりの「しばらく」に感謝.

「スヌスムムリクの恋人」 野島 伸司

2009年10月30日 12時58分03秒 | 読書


性同一性障害をテーマとした青春小説.
主人公ナオちゃんは「普通の」男の子だが,彼を含む男子4人グループの1人「ノノ」が性同一性障害で,心は女の子という設定.

あとの二人も普通の男子で,4人とも幼なじみ.

しかし,ノノは小さい頃から,自分の体の性(男)が,心(女)と違っていることに苦しみ続けている.
世の中には,生きていくだけで苦しみを伴う心の重荷を背負っている人がいるんだなあ.

生きるほど,年を重ねるほどその苦しみが絶望に変わっていくこともあるだろう.

今でこそ,普通名詞となった,「性同一性障害」だが,本人たちの苦しみを本当に理解している人は少ないのだろうと,この本を読むとよくわかる.

例えば,心が女の子である男子は,じゃあ,ホモセクシャルの男性を見つけて恋人になれば,いいじゃないかと単純に思ってしまうが,それは不可能なのだとわかる.

ホモセクシャルの男性は,いわゆる同性愛者だから,心も体も男性の人が好きなわけだが,性同一性障害の男性は,心が女性なのだ.

だから,女性の心を持った人を愛してくれる人でないと恋人にはなれない.

結局,性同一性障害の男性が幸せになるには,手術によって女性の体になり,そうなったことを承知の上で付き合ってくれる男性を見つけなくてはならない.

これは,非常に難しいでしょうね.

そういうわけで,非常に重たいテーマですが,文章のタッチは意外にもかなり軽い.
テレビドラマの雰囲気さえある.

それもそのはず,著者は「高校教師」「101回目のプロポーズ」等の脚本を手がけた野島信司さん.

絶望の中にも,かすかな救いが見え隠れするのは,軽さともいえるが,読者の心に希望を与える効果も見逃せない.

物語の展開がミステリー調なのも,連続テレビドラマの「次週に続く」っていう,ノリかも.
小説としてより,一種の啓蒙書,哲学書として高く評価したい.

「目からウロコの宇宙論入門」福江 純

2009年10月22日 10時28分30秒 | 読書


タイトルは宇宙論だけど,物理学,特に相対性理論と量子力学のとてもわかり易い啓蒙書にもなっている.
この本の素晴らしい点は,各々の理論が,ビッグバンや宇宙の構造とどのように関わっているかが,とてもわかりやすく書かれている点にある.

つまり,わかった気になる本ということができる.
これは大事なことで,啓蒙書は一種のサービス書だから,サービス業と同じで,顧客満足度が一番大切なポイントだからだ.

例えば,現代物理学の大テーマ,「統一理論」についても,『4つの力』のうち,重力と電気力はなんとなく理解できても,強い相互作用,弱い相互作用について,説明するのは至難のわざだと思う.
でも,この本の説明は,まさに「目からウロコ」.
これなら理解できる.
私自身強い相互作用を誤解していた点を,きれいに修正してもらえた.
過去に読んだ本から,強い相互作用とは,陽子や中性子をくっつける「のり」のようなもの,と思っていた.
でも,考えてみたら,なぜ,「力」が「のり」のようなものなのか?
変である.
この本では,こう説明する.
原子核は+の電荷をもった陽子がたくさん集まってできている.
+の電荷同士だと反発するはずなのに,酸素も炭素も窒素もたくさんの陽子がおとなしくくっつき合って原子核を形成している.
ということは,+の電荷の反発力をしのいで陽子相互を引き付ける引力のような力が陽子間に働いているはずである.この引力が核力,即ち強い相互作用だという説明なんである.
なるほど.

量子力学の発展系としての素粒子論で,言葉としてはよく見る「超ヒモ理論」だが,,正直私にとって,さっぱりわけのわからない代物だった.
しかし,この本を読むと,ふむふむ,そういうことだったのかと,わかった気になる.
これはすごいと思う.
ひょっとしたら,人々に知的満足を与えるという意味では,直木賞くらいの価値は持っている本ではないだろうか?
最後を哲学的な考察「最終人間定理」で締め,哲学と科学の昔からの関わりを想起させている点も心憎い.

出前講義

2009年10月20日 12時54分09秒 | 日記
呼び方はいろいろありますが,この呼び名が多分一番わかりやすい.
わが大学も例に漏れず,多いです.
私の場合は,平均すると3ヶ月に一回くらいですかね.
学科主任をやっている関係で,どうしても多くなりますね.

出前先は,九州内外の高校.
受験者を増やしたい学校を狙い撃ちです.
実は,明後日,大分のある高校へ行ってきます.
2クラスに,1時間ずつ,大学で「こんな楽しい講義をしているよ」とか,「こんな面白い実験やってるよ」とか,パフォーマンスをやるわけです.
芸人さんの地方巡業・営業活動と同じようなもの.

どの程度受験者の増加に効果があるのか,心もとない限りですが,乞われればどこでも行きます.
少しですが手当もでるので.

信念のない人生

2009年10月18日 14時09分43秒 | 日記
考えてみると,私のこれまでの人生,「信念」という言葉とは無縁だった気がする.

常に流されて生きてきた.

最初は大学受験のときかな?
あこがれていたα大学は,圏内ぎりぎりだったけど,当然リスクあり.
しかし,地元のβ大学は安全圏内.

リスクを犯して浪人するのはいやだったので,日和見でβ大学へ.

就職は,何の考えもなく,大学の推薦する企業だけ(1社のみ)を受けて,そのままその会社へ.

再就職は,肩をたたかれていた時に,ちょうど大学時代の恩師がいた,今の大学への誘いにに乗ってそのまま再就職.

最初の職場でもいくつか転機らしい機会はあったけど,ニ者択一の機会は常に安全な方を選んできた.

一切のリスクを避けた人生だったと思う.
自分に信念なるものがあり,それに従っていたら,おそらくそれは安全パイを引く道とは異なった人生になったろう.
もし,あの時別の道を選んでいたらどうなったろう?と思うことはよくある.

でも,不思議と,後悔はない.

結果的ではあるが,常に正しい選択をしてきたという確信がある.

リスクを犯して,もう一方の選択肢を選んでいたら,今より良い人生を送っていたという気は決してしないから不思議である.

考えてみると,そんな浮き草のような生き方をしてきて,こんなに満足感が得られているということは,ひょっとしたら,私はものすごく運の良い人間なのだろうか?

それとも,単なるお目出度い人間なのか.

かみさん,子供たち,前の会社,今の勤務先の大学,出身大学の同期の友達,オケの友達,皆に感謝したい.
同時に,社会に何か恩返しをしたいなあという気持ちが強くなっている.

たまたま,それに近い仕事を頼まれると,うれしくなって,つい頑張ってしまう.

かみさんに言わせるとそんな時間があったら,家事を手伝ってほしいと思うのだろうけど.

こんな,亭主をもってしまったこともまた,かみさんの人生ではあるのだけどね.

うれしい!

2009年10月09日 21時46分24秒 | 日記
ついにやりました.
念願のCMシリーズ初参加![m:50]

もちろん,ヤクルトスワローズの話.

シーズン後半は本当に苦しかった.
9月に入ってから,7連敗に5連敗.
9月20日ころでも,9月に入ってから,わずか1勝という時もありました.

でも,9月下旬からやや,調子を取り戻し,青木の復調と,投手陣の調子が上がってきて,ようやく,ようやく今夜,CMシリーズが決定.

もう,涙なしには,語れないです.

今夜はワインで乾杯です.一人で.