書く仕事

ご訪問ありがとう!!ミステリー小説の感想を中心に,読書,日々の雑感,映画の感想等を書き散らかしています.

2007年に読んだ本

2007年12月31日 17時10分53秒 | 読書
1 「GO」金城一紀
2 「13階段」高野和明
3 「フィッシュストーリー」伊坂幸太郎
4 「夜光虫」馳星周
5 「ニッポン樫鳥の謎」エラリークイーン
6 「鴨川ホルモー」万城目 学
7 「恋人たちの誤算」唯川恵
8 「削除ボーイズ0326」方波見大志(かたばみだいし)
9 「哲学の謎」野矢茂樹 (講談社現代新書)
10 「池袋ウエストゲートパークⅥ 灰色のピーターパン」石田衣良
11 「親指さがし」山田悠介
12 「物理法則はいかにして発見されたか」R.P. ファインマン
13 「三国志(4)」吉川英治
14 「少し変わった子あります」森博嗣
15 「独白するユニバーサル横メルカトル」平山夢明
16 「三国志(3)」 吉川英治
17 「バッテリーⅡ」あさのあつこ
18 「完璧な涙」 神林長平
19 「三国志(2)」吉川英治
20 「バッテリー」あさのあつこ
21 「三国志(1)」吉川英治
22 「天使はモップを持って」近藤史恵
23 「蒼穹の昴」浅田次郎
24 「臨死体験の不思議」(ブルーバックス)高田明和
25 「むかし僕が死んだ家」東野圭吾
26 「由布院心中事件」西村京太郎
27 「斎藤家の核弾頭」篠田節子
28 「片思い」東野圭吾
29 「さくら」西加奈子
30 「シュガーレス・ラブ」山本文緒
31 「黒の貴婦人」西澤保彦

今年のベストスリーは...

①「蒼穹の昴」浅田次郎
②「13階段」高野和明
③「さくら」西加奈子

実は,「2007年に読んだ本」を書き忘れていました.
この日記は,2008年12月31日に書きました.

劇場映画「アイ・アム・レジェンド」ウイル・スミス主演

2007年12月30日 16時05分31秒 | 映画・DVD


ホラーだよね.この映画.

予告編では,もう少し哲学的というか,人類の未来の予言的な内容を思わせる表現だと思ったんだけど.
ザ・ホラーです.
ホラーとしてはものすごく良くできています.
シチュエーションがうまいですよ.
たった一人残った人間としての絶対的な孤独感と,研究者として人類を救済したいという使命感.
この二つをウイル・スミスがすごくよく演技していました.
愛犬サムもよかった.
ある意味牧歌的な冒頭から,一転してウイルスに犯された生き残りのゾンビが現れるシーンのギャップがすごい.
ほんとにぞっとしましたよ.
あのシーン.

でも,だからこそ,予告編もホラーであることをどうどうと宣言して欲しかったなあ.
ホラー・ミステリーが好きな私としては,それならそういう心構えで見れば,もっと楽しめたような気がする.

逆にホラー嫌いな人が,哲学的な内容を期待してこの映画を見たら間違いなく,幻滅ですよね.
予告編って大事なんですよ.

あと,いわゆる行間に滲み出たメッセージが秀逸でした.
「人類よ驕るなかれ」的な意味のメッセージですね.
映画のメッセージ性をうんぬんするなら,ここは大事でしょうね.
これがあるから,B級ホラーとは一線を画した大作になるわけです.
結論は...私個人としては,とても楽しめた映画でした.

でも,この間見た「続三丁目の夕日」のインパクトが強すぎて,またあの手の映画を見たいなあと,思っています.
とすると,「マリと子犬の物語」ですね,次は.

北海道スキー旅行

2007年12月29日 21時48分42秒 | 日記
行ってきました,3泊4日で,北海道,ルスツでのスキー.



この写真は,長男と長女.
長男は大学2年生で札幌に住んでいます.
今冬は,スキーのインストラクターのバイトをしています.
そんなにスキーがうまいわけではないのですが(2級くらい),初心者の小学生にグループレッスンをするスクールのバイトをしています.
その延長で,長女に,にわかレッスンをしているところ.
親としてはただでめんどう見てもらえるのでありがたいです.

息子と一緒に滑ったのは1日でだけで,2日目にはバイト先のテイネスキー場に出発して行きました.
忙しい人です.



この写真は,ゲレンデから羊蹄山(左奥の山)を望む景色.

同じスキー場でも,上越や東北とはスケールが違いますね.
まさにでっかいどう!
スキー場の人に言わせると「今日は暖かいですよ」とのことでしたが,こちらにとっては充分に寒い.
マイナス4度くらいですが...
ちょっとスピードが出ると唇が凍りそうに冷たくなります.
でも,雪がしまって,きゅんきゅん鳴るくらいです.
だから,滑り易いです.
曲がるのも簡単.
上越だとこうはいかないですもんね.



三つ目の写真はホテルのロビーの噴水.
音楽に合わせて,噴水の色や形が魔法のように変わっていきます.
とてもきれいですし,幻想的.
そうそう,このホテルは来年の洞爺湖サミットで,プレスの宿泊所になるそうです.
ここから,世界中のメディアに,サミットの情報が発信されるわけです.
それと関係あるかわかりませんが,館内のあらゆる表示板とか案内は全て4ヶ国語(日,英,中,韓)で書かれています.
同時に,地方としては異例なくらい,外国のスキー客が大勢いました.
それも,あらゆる人種がまんべんなく.
昼休みのゲレンデのレストランなんて,え?ここ日本?って感じです.

あっという間の4日間でしたが,充分楽しんだという満足感もあるので,良かったです.
足の筋肉痛もはんぱじゃないですが...

「GO」金城一紀

2007年12月23日 12時52分14秒 | 読書


「在日韓国人」

考えてみたら,在日フランス人とか在日イタリア人とかあまり耳にしないですね.
「日本在住のフランス人」とかはよく聞くけどね.

同時に,日本在住の韓国人という言葉も聞かないですね.
韓国あるいは北朝鮮の人の時だけ,「在日○○人」.
さらにいうと,韓国,北朝鮮の人の場合,「在日」という短縮形を用いることすらある.
「在日」.....実に不思議な表現です.
この本は,この不思議を見事に氷解してくれるとともに,第二次世界大戦前から戦後,そしてつい最近まで,彼らに,日本と日本人が何をしてきたかも思い知らせてくれます.

というと,民族主義とか差別とか,社会的なテーマの啓蒙書と誤解されそうですが,そうでは全くない.

「恋愛小説」です.
とてもピュアで淡くて思いやりに溢れた美しい物語です.

恋愛というのは障害があった方が燃え上がるなんて,陳腐なことじゃなくて,どんな障害も思想もお金も憎しみも,二人の想いの間に仕切りは立てられないということが分かる仕組みになっているのです.
三丁目の夕日の茶川さんがそうであったようにね.
恋愛小説は何となく,敬遠してきた私ですが,こういう恋愛ならしてみたいです.
もっとも,こちらは,この小説の主人公みたいにはかっこよくないけどw
ほっといてくれ!

それはともかく,人を愛することの不安定さとか,哀しさとか,もうほとんど私が忘れてしまった感情を,脳髄の奥の奥のさらに底からくみ出してくれたようです.
なんだか,とても恋愛がしたくなってしまいました.

ちょっとかみさんに相談してみるか?

アホっと言われるのが落ちかもね.

さあ,明日から北海道でスキーで~す.

京都出張

2007年12月22日 20時30分43秒 | 日記
京都に行ってきました。

[お仕事の話]
仕事は学会のシンポジウム、といってもちょっと大きめの研究会で、私が普段お世話になっている音声関係の研究会に加え、あまりご縁のない言語処理関係の研究会との合同研究会でした。
私の発表はポスターセッションといって、大きな模造紙大のポスターを壁に貼って、通りかかる人を捕まえて、説明し意見交換をするというもの。
発表者が多くて通常の口頭発表では時間内にさばき切れない時などにこの形態になることが多いですね。
この形式でありがたいのは、説明できる人数は限られるものの、興味を持ってくれた人と一対一でじっくり意見交換ができるので、次の研究テーマにつながる、よいアイデアを得られることがある点ですね。
今回もありました。

私の発表は音声認識といって、人間がしゃべった音声をコンピュータが理解する技術に関するものですが、ある人が、私の発表のアイデアは、音声合成にも使えるのではないかという意見を言ってくれたのです。
最初は、え?と思いましたが、それについて数分間議論し、そうか!と納得しました。
こんなアイデアをただで頂けるなんて、本当にありがたいことです。
他の人のポスターを見て意見交換をするのもとても楽しいことです。
通常の発表だと、手を上げて質問することは、なかなか勇気が要りますが、ポスターだと、気楽に、納得できるまで質問できるので助かります。
そんなこんなで、頭を捻りながらも、楽しい2日間を過ごしました。
こういう生活をしていればボケなくてすみそうです。へへ。

[観光の話]
音声関係の学会は、上に述べたようにとても楽しく充実していますが、スケジュールがタイトなのが玉にキズ。
2日とも夕方は6時半までセッションがびっしり。
なので少なくとも会期中は遊べない。
延泊分を自費で出して、土日に遊んでくるという手もありますが、実は月曜からの北海道旅行が控えていて、物入りな上に、実は年内に片付けておかねばならない仕事が残っていて、23日の日曜は大学に出勤しなくてはならないという悲しい状況なのです。
そうはいっても、全く何もしないのも悔しいので、ちょっとだけ(実質1時間半)市内を歩きました。といっても、ホテルのある、京都市役所界隈から京都駅まで歩くだけというシンプルなものです。

でも、それなりにいろんな発見があって楽しめました。

下の写真はレンタルバイク店。


観光都市京都ならではのサービスでしょうか?
あと、京都の市内を歩いて気がついたのは喫茶店が多いこと。
それも、ドトールやスタバだけでなく、昔からその土地で営業している喫茶店がたくさんあるのです。
これはうらやましいことです。
既製品でない、手作り感あふれるおしゃれな喫茶店は、日本独特の文化でもあります。
さすが、日本最大の観光都市京都です。

次の写真は東本願寺。


私自身はほとんど無宗教ですが、実家は一応、浄土真宗。
時々、家に来てくれる近くの寺の住職様は、「なむあみだぶつ」とお経を上げて下さいます。
東本願寺は親鸞聖人を奉ったお寺ですから、実態はともかく、私の宗教的ルーツはここにあるのですね。
そう思うと、このお寺を見る目も少し違ってきます。
面白いのは、この巨大なお寺に隣接して、これまた巨大な予備校(代ゼミ)があるのですね。
一生懸命受験勉強したら、あとは親鸞聖人様にすがるというルートになっていると...

この写真は京都駅ビルグランビア内のクリスマスイルミネ-ション。


撮影したのは2日目の夜です。
たくさんの若いカップルが階段に腰掛けて見入っていました。
いいなあ若い者は!
あっという間の3日間でしたが、このクソ忙しいときに我ながらよく行ってきたものだと感心しています。
もうほとんど意地ですね。

実は帰宅して北海道スキーツアーの衣類などの準備はやっちゃたので、明日は一日出勤して、とりあえず年を越せるように仕事を片付けてきます。
はあ~

ワーキングプアは,それを望む若者のこと

2007年12月10日 22時50分18秒 | 日記
今年は景気が上向いているせいか,求人が好調,学生の就職率も向上?...と思いきや,さにあらず.
むしろ,12月10日現在で70%前後と,去年を下回っている.

調べてみると,就職意欲のある学生は,ほとんど7月までに内定を決めており,7月以降ほとんど内定率が伸びていないのです.

はっきり言うと,今時点で,内定が決まっていない学生は,就職する意欲がないのです.
就職したいという「熱意」がない.
そういう学生が残っているわけです.

彼らは,正社員になることによる責任より,バイトの気楽さ,いつでもやめることのできる安易さに魅力を感じているのです.
私なんかが聞くと愕然としますが,そんな学生に言わせると,「毎日決まった時間に出社する」という義務を負うだけで,もう,やる気がなくなるんだそうです.

今日も,NHKのドキュメンタリーでワーキングプアの話をやっていたのですが,実態はかなり違っているようです.
NHKとしてはああいう話にした方がインパクトはあるのかもしれないが,実態は違います.
現場の教官,しかも就職に不利な地方の無名の私大の教官がいうのだから間違いないです.
NHKの話は,いくら本人が努力しても正社員になれず,いつまでも安定した身分が得られない若者が増えている,という筋書きです.
弱者を切り捨て,強者だけが生き残る自民党政治の結果だ,という論点なのでしょうか?
でも,実態は違う.

企業は門戸を開けて待っているのです.

是非,「正社員としてうちに来てください」
「ボーナスは年2回,頑張りさえすれば,昇進昇級あり」
「福利厚生・社会保険・厚生年金あり」とね.

それを拒否しているのは,学生達の方なのです.

NHKの報道は明らかに間違っています.

私の机には,何百もの会社から,「新卒採用を是非わが社に」という人事担当の名刺付きパンフレットが山のように積まれています.
それを見るたびに,いったい世の中どうなっているんだ?という想いが私の胸を過ぎります.
・正社員が是非とも欲しい企業.
・正社員になりたくない学生達
・正社員になりたいのになれない学生が溢れているという,間違った報道をするマスコミ


全く変な世の中です.

「ためしてガッテン」~静電気の防止の丸秘ワザ

2007年12月07日 09時15分05秒 | テレビ
一昨日の「ためしてガッテン」で,やっていました.
静電気の防止法.

何を隠そう,私は,近づく人に,片っぱしから,バシバシ火花を飛ばし,恐怖のエレキ人間と恐れられている,...というのはややオーバー.

それでも,今日は,就職関係の書類を取りに来た学生に,はいっと書類を手渡す際に,見事にビリッと火花を飛ばして,「ヒエッ」と悲鳴を上げさせました.
こっちは慣れっこだから,平気ですが,相手はかなりビビッていましたね.

それはともかく,ドアの開け閉めとか,手を洗うために水道の蛇口をひねるのは,なかなか勇気が要ります.

最近はもっぱら,キーホルダーを持ち,鍵の先端をドアのノブなんかにいったん触れて,火花を飛ばしてからドアを開けるようにしていました.

でも,いちいちポケットから鍵を取り出すのが面倒くさいなあと,思っていたんです.
しかし,ガッテンの方法は,いたって簡単.

近くの壁に1~2秒手のひらで触れるだけなのです.

コンクリートの壁だと,わずかながら電流が流れるので,ビリッとくるほどの大きな電流は流れず,なおかつ帯電した電気を放電してくれるので,非常に好都合とのことなのです.

いちいち鍵を取り出すのに比べて簡単,手間要らず.

ちょっと壁に手のひらを押し当てるだけでOKです.

早速今日一日ためして,その効果にビックリ.

先の学生の時はうっかり忘れてました.ははは.

でも,一日その効果を実感した感想はというと...

実は...
ちょっと物足りないんです.
あの,ビリッが,結構気持ちの刺激になっていたのだと悟りました.
今日帰宅時は,壁には触れず,キーホルダーでしっかり火花を飛ばしてから鍵を閉めました.
ああ,快感.

mixi生活

2007年12月06日 21時52分15秒 | 日記
皆さんの中には,「mixi」やっていらっしゃる方も多いことと思います.
私は,今年の3月からmixiを始めました.
ニックネーム「coollife」でやっていますので,もし宜しかったら,ご訪問くださいませ.
私を招待してくれたのは,札幌にいる長男です.
っていうか,「招待して!」と強引に頼んだのですが...

「13階段」高野和明

2007年12月01日 22時02分00秒 | 読書

第47回江戸川乱歩賞受賞作
「BOOK」データベースによると,「犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。だが手掛かりは、死刑囚の脳裏に甦った「階段」の記憶のみ。処刑までに残された時間はわずかしかない。二人は、無実の男の命を救うことができるのか。江戸川乱歩賞史上に燦然と輝く傑作長編。」
これは.おっもしろかったです.
トリックの面白さに加えて,ストーリーの骨格を成す殺人事件の裏に,もう一つの殺人事件が隠されていることが,複雑になりすぎずに物語の構成をグレードアップさせています.
さらに,この作品に重厚さを与えているのが,日本の死刑制度の抱えている矛盾を鋭く指摘していること,そして,冤罪の死刑囚を救うための時間が,一日一刻と少なくなっていく緊張感.
非常に手が込んでいるつくりになっているのですが,煩雑感がないのは,間違った死刑執行を絶対にさせてはいけないという主人公南郷刑務官の使命感が,読者の胸を打つからでしょう.

ページをめくる手が止められないとはこのこと.
今年読んだミステリーではマイベストでしょう.
江戸川乱歩賞受賞作は,外れがないですね,私的には.