書く仕事

ご訪問ありがとう!!ミステリー小説の感想を中心に,読書,日々の雑感,映画の感想等を書き散らかしています.

「化学探偵Mr.キュリー」 喜多 喜久

2017年01月28日 11時25分07秒 | 読書
「化学探偵Mr.キュリー」 喜多 喜久



予想外に面白かった.
一言で言えば,東野圭吾のガリレオシリーズの化学版といえば分かりやすい.
ただし,ガリレオの場合は,犯行の動機というか,犯行に至るまでの犯人の苦悩の人生など結構重いテーマが覆いかぶさっていて,読んでて痛いものがありますが,こちらの探偵話の方はお気楽,悩み無し,ちょっとロマンスあり,みたいな.

どっちが優れているかなんて比較は意味ありません.

私は化学は専門ではないのですが,読んだ感じでは,化学としての先端性や深さはなさそうです.
かといって,この本を読んで,化学的な突っ込みをするのは,「野暮」ですよ.
売りはそこではないのですから.

この1月から,TBSの火曜日のドラマで「カルテット」が始まりました.
私の好きな松たかこさんが出ているので,毎週見てますが,彼女の弾くバイオリンの手の動きが全然変なんです.朗々とビブラートがかかっているパッセージで,左手が静止してたり.
もう少しCG使ってでも曲と合わせてほしいと思うのですが,
なんて突っ込みは,読んでて不快でしょう?

化学探偵Mr.キュリーの化学的な突っ込みも同じです.

「図書館の神様」 瀬尾まいこ

2017年01月20日 20時33分34秒 | 読書
「図書館の神様」 瀬尾まいこ




タイトルだけ見て,借りてしまった本ですが,かなり意外な印象でしたね.

正義感が強く,何でも一生懸命頑張ることが善であると信じていた「清(きよ)」さんが主人公.

彼女は高校の時,自分の正義感のために友達を死なせてしまい,それがトラウマとなっている.

今は,非常勤講師としてある高校に赴任し,新米教師として,やる気のない教師生活を送っている.

その学校で,不本意にも文芸部クラブの顧問になってしまう.

図書館で毎日興味もない文学について,部員の垣内君のお相手をすることに.

しかし,この垣内君が面白くて,彼女の人生観を少しづつ変えてくれる.....

というようなお話.

正義感が強いわりに,実は彼女はとても不道徳なことをしているのですが,それはここでは書かない方がいいでしょう.
興味のある方は読んでみてください.

「キケン」有川浩

2017年01月14日 17時49分01秒 | 読書
「キケン」有川浩



ある電気系大学の,男ばかりの「機械制御研究部」略してキケン,というクラブ活動でのエピソード集.

熱くて男臭くて,なおかつ切ない青春の日々.

この部活のOBである元山君が,10年後に,結婚した妻に思い出話として語る形式になってます.
まあ,ライトノベルという範疇でくくってしまう人もいるだろうけど,それでは余りにもったいないほど面白い小説でした.

女子にはちょっと分かりづらい面もあるとは思うが,おそらく理系男子の99%はこんなもんですよ.

彼には,思い出を熱く語りつつも,ある理由があって母校を訪問することは躊躇していたのですが,思い出話が終わった後,妻から背中を押されて,二人で学園祭に行ってみることになります.あることを恐れながら...

そしてなじみの教室の黒板で,ある「落書き」を発見するのです.
それを見て,泣きそうになる.
私も読んでいて,ん,これはまずいと思いました.涙がこぼれたらどうしよう.電車の中でしたのでね.

青春は90%の「夢中」と10%の「涙」でできています.

理系男子のカレシが欲しい女子学生の皆さんにはお勧めの一冊です.

読み終わって気付いた,
有川浩(ありかわひろ)さんは女性ですので,もしかしたら,小説中の妻が有川浩さん自身で,夫から聞いた話からヒントを得て小説にしちゃったのかも.


2016年に読んだ本

2017年01月01日 19時52分26秒 | 読書
2016年に読んだ本

恒例の年間読書リスト

1 「馬琴の嫁」 群ようこ 2016/12/23
2 「ニコニコ時給800円」 海猫沢めろん 2016/12/11
3 「永遠の1/2」 佐藤正午 2016/12/6
4 「氷の轍」 桜木 紫乃 2016/11/27
5 「裁く眼」我孫子 武丸 2016/11/9
6 「笑うハーレキン」道尾 秀介 2016/11/2
7 「塩狩峠」 三浦 綾子 2016/10/23
8 「みかづき」森 絵都 2016/10/14
9 「西一番街ブラックバイト 池袋ウエストゲートパークXII」 石田衣良 2016/10/4
10 「終末のフール」 伊坂 幸太郎 2016/9/24
11 「ギケイキ」 町田康 2016/9/8
12 「夜行観覧車」 湊かなえ 2016/8/27
13 「staph スタフ」 道尾秀介 2016/8/14
14 「カササギの計略」 才羽 楽 2016/7/29
15 「ラットマン」道尾秀介 2016/7/18
16 「世界はゴ冗談」 筒井康隆 2016/7/7
17 「遊園地に行こう!」真保 裕一 2016/6/30
18 「夜明けの街で」 東野圭吾 2016/6/21
19 「あなたの人生、逆転させます: 新米療法士・美夢のメンタルクリニック日誌」 小笠原 慧 2016/6/18
20 「憎悪のパレード 池袋ウエストゲートパークXI」 石田 衣良 2016/6/12
21 「やぶへび」大沢在昌 2016/5/22
22 「梟のシエスタ」伊与原 新 2016/5/11
23 「インド クリスタル」篠田節子 2016/5/8
24 「道徳の時間」 呉 勝浩 2016/4/30
25 「海のイカロス」大門 剛明 2016/4/24
26 「さようなら、猫」 井上荒野 2016/4/12
27 「院内カフェ」 中島たい子 2016/4/4
28 「探偵工女 富岡製糸場の密室」翔田寛 2016/4/2
29 「鍵の掛かった男」有栖川有栖 2016/3/23
30 「K2 池袋署刑事課神崎・黒木」 横関 大 2016/3/1
31 「誘拐児」 翔田寛 2016/2/27
32 「カラマーゾフの妹」高野史緒 2016/2/21
33 「闇に香る嘘」 下村敦志 2016/2/10
34 「株式会社 タイムカプセル社」 喜多川泰 2016/2/6
35 「八日目の蝉」 角田 光代 2016/1/30
36 「海を見ていたジョニー」 五木寛之 2016/1/23
37 「美しい家」 新野 剛志 2016/1/17
38 「獣の奏者 Ⅰ 闘蛇編」上橋菜穂子 2016/1/5

2016年は38冊.
いずれも面白かったが,飛び抜けて「これ」はというものは見つからないかな.