書く仕事

ご訪問ありがとう!!ミステリー小説の感想を中心に,読書,日々の雑感,映画の感想等を書き散らかしています.

「臨機応答・変問自在」森博嗣,集英社新書

2006年07月28日 22時46分33秒 | 読書
作者は某国立大学工学部の助教授という肩書きも持ちながら,「すべてがFになる」で衝撃的なデビューを果し,「冷たい密室と博士たち」,「そして二人だけになった」など,斬新,かつ,あっといわせるトリックでファンを魅了し続けるミステリー作家でもある森博嗣さんです.
その森助教授のなんともユニークな講義の記録集です.
「森先生」は,一とおり講義をすると,学生に質問をさせることで出席をとります.質問はノートの切れ端などに書いて出席カードの代わりに教室から出るときに先生に渡します.
次の講義で,その質問と森先生の回答を書いたA4サイズ1枚分の資料が配られます.本書はそのQ&Aの抜粋を一冊の本にしたものです.
講義の内容を確実に理解してもらうためには,教師から学生に質問したり,演習問題を解かせたりする方法が一般的ですね.
しかし,それらの方法では,講義を聴く学生の姿勢というかマインドを前向きなものに変えることができないんです.まず,講義を聴く姿勢を変えたいわけですね.学生に質問させるのは,この姿勢を変えさせるのに効果があるようです.
人の話をボーっと聞いていれば,「質問はないですか?」と聞かれても,すぐには質問できません.しかし,この先生は質問させるぞ!!ということがわかっていると,講義中も何か質問のネタは無いか?と聞き耳を立てながら講義を聴くことになります.これなんですよ,目的は.
正しく理解しようとする人は正しい質問をする.これは私の表現です.著者の受け売りではないですよ.しかし,要は森先生のおっしゃりたいのはこういうことだと思う.
私も講義の終わりに「今日の内容で何か質問はありませんか?」と,必ず問いますが,せいぜい1件かな.
でも,皆さん知ってましたか?
質問されるのは,先生にとって嬉しいものなんですよ.
自分に興味のある話を聞けば,必ず質問したくなります.私の経験ではね.
興味とは拡がるものです.閉じるものではない.
ある知識を得て,へーっと感心してそれで終わりということはあり得ない.
一つ興味のあることを知れば,じゃあこういう場合はどうなんだろうとか,別の条件ではどうなるんだろうとか,どんどん広がっていくものです.興味があるということはそういうことです.
つまり,「質問しない」ということは「興味がない」という意思表示なんです.
質問する学生は講義中も真剣に聞いてくれていますね.興味があるから真剣に聞く,真剣に聞くから講義がわかる.
講義の8割は理解し,残りの2割がわからないから,その2割を質問できるわけですね.
「質問は無いですか?」と聞いて,数秒間の静寂.
教官にとってつらい時間です.
それなりに苦労して準備して,声をからして説明して,誰も興味を持ってくれないとなると悲しいですね.
でも,一人でも二人でも質問してくれる学生がいれば教官は頑張れます.
この本では,専門的な質疑応答は省いてあって,専門とは直接関係ない,人生相談めいたものとか,森教官自身に関する質問とかを選んで掲載しているので,専門外の人も楽しく読めると思います.私も建築学は専門外ですから.

Q.「自分の頭の能力の限界はどうすればわかりますか?」
A.「頭でものを考え続けていけばわかります」

Q.「想像力を豊かにするにはどうすればいいですか?」
A.「想像する時間を増やす」

Q.「先生,こんな質問をさせてどんな意味があるのですか?」
A.「それは,君がどんな意味を持った人間であるかによる.」

禅問答みたいなものもありますが,私は個人的にはとても楽しく読めました.
でも,かなり「アク」がつよい文章であることも事実なので,反発を感じる人も多いかもしれません.
文学部とか教育学部の学生さんだったら,噛み付いてくるだろうな.差別的と取られかねない表現もあるかも.
ただ,1枚の紙に印刷するために,かなり回答を簡略化せざるをえなくなり,つっけんどんな表現になっているところも多々見受けられますが,次の講義の冒頭にきちんと説明するらしいので,疑問が疑問のまま残ることはないようです.
それにしても,ユニークな先生です.まねは絶対できませんけど.
言わずもがなですが,タイトルの2つの4文字熟語は森先生の造語です.こんな日本語はありません.「臨機応変」「変幻自在」がもとの熟語です.たぶん.

ソーラー時計の電池切れ!

2006年07月27日 00時22分59秒 | 日記
私の腕時計はカシオのソーラー電波時計です.3年くらい前に買いましたが,時間合わせしなくていいし,電池も換えなくていいのでとても重宝していました.
ところが,2週間くらい前,長雨が続いていた頃,カバンの中にうっかり2~3日入れっぱなしにしておいたら,電池が上がってしまったらしく,止まってしまいました.
そのうち,直るだろうと思い,日が当たるところにおいて置いたら,確かに動き出し,液晶のデジタル時計表示は正常になったのですが,針の方が全く違う時間をさしています.電波でデジタル時計の表示が修正された後,針の方も自動的に直るはずなのに,針は狂ったままです.
家には取説もなくなっていたので,仕方なく,今日,この時計を買ったB電器に行ってきました.大学の帰りにね.
でも,古い機種なので取説が店に無く,店員さんがいろいろやってくれましたが,結局直せませんでした.
帰宅後,もしやと思い,カシオのホームページを眺めていたら,あるじゃあありませんか.「取説ダウンロードコーナー」が!!
しかも,膨大な機種の中から,所望の機種の取説をすぐにみつけられるように,工夫がされていたんです.
それは,時計の裏に印字されている4桁の操作説明番号を検索窓に入れて,「検索」ボタンをクリックすると,この機種の取説のPDFファイルがすぐに出てくるんです.針のマニュアル合わせ方法もすぐにわかりました.
これなら,取説をいちいち保管していなくてもすぐに見つけられて助かります.
へえ~!っと思いましたが,待てよ,ひょっとして私が知らないだけでこれって常識なのかも,と思い,パナソニックのホームページを見たら,あるにはありました.取り説ダウンロードコーナーが.しかし,こちらは商品分類・種別から順にたどって探す方式でした.カシオのように,操作説明番号で一発検索ではありませんでした.見つけるの大変そう.
カシオさんっ!パナソニックを超えていますよ.やりますね!!

プロ野球オールスター第2戦

2006年07月24日 21時57分27秒 | 日記
やはり見せてくれましたね.藤川投手と清原選手.これぞプロ対プロ,男と男の勝負でしたね.惜しむらくは,清原選手があと10歳,いや,せめて5歳若かったら,もっと,凄味のある勝負になったでしょうが...
キャッチャーが古田というのも良かった.
藤川投手のインタビューコメントが泣かせますね.「清原さん,古田さんという小学生の頃からの憧れの二人を前にして投げられたことに感無量」とのことでした.
それにしても今年のオールスターは良かったですね.去年までは,お祭り騒ぎの面が強調されてプロの力と技術を堪能するところまで行かなかったですものね.
でも,今年は面白かった.特にセリーグのクローザー対パリーグの主力打者の対戦は本当に堪能しました.
新庄選手のダイビングキャッチもなかなか良かった.というのも,わざとスタートを遅らせてからダイビングキャッチするなんて,「超高等テクニック」ですよ.失敗したら単なるアホですもの.それを2度も成功させるなんて,やはりただ者ではない.技術に余裕のある一流のプロにしかできない技だと思います.ただし「御意見番」の張本さんからは,間違いなく「喝ッ!」をもらうでしょうけどね.

「青の炎」貴志祐介

2006年07月23日 19時17分38秒 | 読書
久々にすばらしいミステリーに出合えました.
貴志祐介さんの小説は初めてです.
貴志さんというと,ミステリーよりホラーの方で有名ですね.
「ISOLA」とか「黒い家」とかね.まだ読んでないですけど...
でも,BOOK・OFFで偶然見つけたこの本,大 大 大収穫です.
こういうことがあるから読書はやめられない.
さて,肝心の内容ですが,ジャンルから言うと,倒叙ものということになります.
犯人は最初からわかっていて,犯人側の視点で事件が語られ,それを刑事が追求していくというパターンです.
犯人かつ主人公は17歳の男子高校生,秀一.女手一つで家族を養う母と素直で明るい妹,遥香の3人家族です.
その平和な家庭を土足で踏みにじったのが,母が一時期だけ結婚して別れた男,曾根です.曾根は秀一とは血の繋がりはありません.
曽根は家族の,ある秘密をネタに母を脅し,家に上がりこみ,傍若無人な振る舞いをするだけでなく,妹の遥香にまで手を出そうとします.
しかし,母にはある秘密があるため,警察も法律も家族を守ってはくれないのです.
窮した秀一は周到な計画の下に完全犯罪を企てます...
もちろん,犯人が誰であるかということはミステリーでは重要な要素であることは間違いありませんが,通常の犯人当て推理小説では犯人が誰であるかを隠さなくてはならないために,なぜ,犯人がそんな犯行に至ったかという動機はどうしても二の次になります.それが,推理小説の最大の弱点なんです.
動機がかけなければ,どうしても事件の描写がテクニカルなものに終始してしまいがちですね.つまり人間を描くことができなくなるわけです.
この「青の炎」では,主人公の人間性と徐々に追い込まれていく過程が見事に描かれていて,鬼気迫るものがあります.
秀一が初めて曾根と対当するシーンは本当に胸がドキドキ,口がカラカラになりました.
本を読んでこんな気分になったのは久しぶり,何十年ぶりかもしれません.
まさに「本に釘付け状態」となります.
もう一つ心を打つのは,秀一の心の優しさです.殺人というのは普通,自分の利益とか,自分の身を守るためにやるものですが,秀一の場合,母と妹というかけがえのない家族を守るためにやむを得ずやってしまう点が心に痛いです.そして,完全犯罪を狙うのも自分が捕まりたくないということではなくて,もし自分が捕まったら,母を悲しませ,妹には殺人者の妹という烙印が押されてしまうことになるからなんですね.
物語の結末は,当然内緒ですが,秀一のやさしさが胸を打つと同時に,読者を納得させる説得力があります.
そうですね.今まで読んだ中では,松本清張さんに一番近い気がします.
あと,私は見ていませんが,蜷川幸雄監督,二宮和也主演で映画化されていますね.
この貴志さん,すばらしいです.要注目です.

プロ野球オールスター第1戦

2006年07月21日 22時47分06秒 | 野球
オールスター第1戦,久々にワクワクしました.
試合は青木,岩村のヤクルト勢の打線の爆発,中日岩瀬→阪神藤川→横浜クルーンという夢のようなクローザー3連発で,セリーグが勝ちました.
でも,オールスターですからどっちが勝ってもいいわけでして,見たいのはスター投手対スターバッターの1対1の対決でしょうね.
中でも圧巻は藤川対カブレラ,藤川対小笠原でした.
結果は藤川の2者連続三振でしたが,バッターにも惜しみない拍手が送られていました.というのは,藤川の剛速球を当てに行くのではなく,あくまでフルスイングで勝負に行ったのです.なんともすがすがしい爽快感が観客席を包んでいたようです.
もちろん,知力戦略を尽くして1点差の試合をものにするのも野球の醍醐味ですが,たまにはこういう,勝った負けたを超えた力対力の一本勝負を見たくなるときもあります.
1年に一度この時期にオールスターゲームをやるのは意外にリーズナブルなシステムなのかもしれませんね.
藤川がすごかったのは.変化球を使わずストレート一本で勝負して,なおかつ投げ勝ったという点です.しかもカブレラに対して手動作でストレート一本で行くよと合図してました.
これは,この変化球全盛の時代ではすごいことですね.ストレートだけではどんなに速くても打たれるんですよ,とは,偉そうな野球評論家がナイターの解説席で一晩に一度はおっしゃることですが,藤川は,カブレラ,小笠原というすばらしい打者相手にみごとにそれをやってのけた.
ストレートしか投げないと宣言までした後でね.
いやはやすごいピッチャーがいるもんです.阪神,後半戦も強そうですね.

伊坂幸太郎「魔王」

2006年07月21日 16時49分51秒 | 読書
面白かったですよ.
何度も直木賞候補になるくらいの方の本ですから,面白くないわけがない.
しかしですよ.
しかし,...
すっきりしないんですよ.読み終わった後.
伊坂幸太郎さんが何を言いたいのか,結局わからなかったんですよ.
日本には犬養首相のような強力なリーダーシップを持つ政治家が必要だと言いたいのか?それは違うよね.
じゃあ,強力なリーダーシップにはともすると将来のファシズムに通じる危なさが隠れているといいたいのか否か?
それもはっきりしない.
何を言いたいの???
たぶん,小説の主人公が誰なのかがはっきりしないからかもしれません.
前半の「魔王」は「俺」(名前は安藤)という一人称で語られ,後半は「私」(詩織)にバトンタッチされます.しかし,両人とも明らかに主人公ではない.
単なる語り部です.
主人公は,「犬養首相」?それとも安藤の弟「潤也」しかし,どちらも主人公というほど台詞も多くないし,存在感もない.
いったい何なのか?っていう思いです.
昨年の衆議院解散選挙の直後に読んでいたら,この本かなりのインパクトを持って読めたかもしれません.
明確かつ構造改革の象徴的な焦点である郵政民営化を掲げて,「わかりやすさ」で国民に訴える小泉首相が一時的にも犬養首相に重なるような気がしたからです.しかし,経済が上向いて景気が快復したとこまでは良かったですが,小児が犠牲となる殺人事件,冬の雪害,梅雨に入って各地で水害が相次ぎ,国際的にはイラクの派遣が終了し,北朝鮮のミサイル発射問題と国連の決議などあわただしい課題が次々に起きてくると,この小説に語られる政治家のリーダーシップみたいなものでは,世の中は救えないなあと思ってしまい,そう思うと,逆の意味で今の日本にはファシズムが台頭するのは難しいなと,変に安心もしてしまいました.
ファシズムが台頭するには問題が単純かつ深刻じゃなきゃだめです.

私が小説に求めているものは違うんです.もちろん,私が勝手に決めているだけだから,小説家の皆さんに強制できるはずのものではありませんがね.
こんなこと書いちゃって,全国の幸太郎ファンの皆様,ごめんなさい.
でも,うそはは書けないので,ご勘弁を.
でも,面白いことは間違いないです.それは保証します.
そういえば,小泉首相の息子が幸太郎だったな.違った,孝太郎でした.

池袋西口公園

2006年07月17日 23時22分17秒 | 日記
出張初日(金曜)の仕事は,池袋のある研究用設備の販売会社を訪問して,今年度予算で買う物品の仕様の打ち合わせです.
この打ち合わせは事務的なもので,特にもめることもなく無事終了.
でも,着いたのが遅かったせいで,池袋西口近くのホテルにチェックインして荷物をおいたら,もう8時でした.
夕食もまだ食べてなかったので,駅前まで出てラーメンと餃子と生ビールというまさに「おやじ」そのものの夕食をとりました.でもラーメンはトンコツでおいしかったし,餃子も博多風の一口サイズの焼き餃子でこれもおいしかったです.生ビールはもちろんグー.
しかし,池袋という町,凄いエネルギーのある町ですね.道行く人々の顔が訳もなく(訳があるのかもしれませんが)とんがっている気がします.ちょうど20年前の新宿,10年前の渋谷のように,それまでお父さん達が独占していた夜の繁華街を若者たちが奪ってしまったという感じかな?
ただ,人の数はあまり多くないです.金曜の晩にも拘らず,ごった返すほどではないですね.
この時間では一緒に飲んでくれる人もないので,そのままホテルに帰り,ひいきの野球チームの勝敗について娘とメールでやり取りして早めに休みました.
早めに寝たのは,翌日の仕事に遅れないようにするためではなく,朝ちょっと早く起きて,撮りたい写真があったからです.それが,上の写真です.
そう,以前にも紹介した,石田衣良さんの小説「池袋ウエストゲートパーク」シリーズでおなじみのウエストゲートパークつまり,池袋西口公園です.
この年でミーハーなことだなあ,とは重々認識しておりますが,やっぱり気になるじゃありませんか.
また,小説の中にもたびたび登場するメトロポリタン劇場もあわせて撮りたかったのでアングルをちょいと工夫しました.公園の奥に見えます.
ここで,誠は多くの登場人物たちと待ち合わせ,青春のひと時を過ごすんですよね.
出張2,3日目(土曜と日曜)は千葉の幕張で,学会主催の会議でした.池袋から幕張へ,というとすっごく不便だなあ,たくさん乗り継ぎしないといけないかなあと覚悟していましたが,意外にもたった一度の乗換えで済むんですよ.
答えは,池袋からメトロ地下鉄有楽町線に乗ると,一気に新木場まで行けてしまうんです.これは盲点でした.新木場からは京葉線快速で海浜幕張に行けます.
幕張は休日だったせいで子供連れやカップルがちらほらいるくらいで,ビジネスショーとかモータショーのときのような賑わいはなく,予想外に静かだったです.
とにかく,暑かったです.戸外を荷物をもって歩くのは非常につらかったです.
3日目の夜は大森のカプセルホテルに泊まり,4日目つまり今日の午前中の飛行機で戻ってきました.
私が帰宅した時,家内と娘は藤崎台球場に高校野球を見に行っていました.長男(北海道の大学に進学しました)の母校の応援をしに行ったみたいです.
この暑いのにご苦労なことです.
2人とも野球が好きだからね.
久しぶりに東京の雑踏を歩きましたが,思ったほど疲れませんでした.
地方に4年以上も暮らしていると,東京に行くと息が詰まるのではないかという心配もありましたが,逆に今の東京は結構静かというか(皮肉ではなく,本当にそう感じます)それほど,住みにくい場所ではなくなっていますよ.
というのは,20年前くらいは,朝のラッシュとか,休日の行楽地行きの電車とか,大変でした.とにかく,人,人,人,で人があふれていました.でも,今は朝のラッシュといっても昔ほどではないです.フレックス制の導入とかで出勤時間の幅が拡がっていることも原因かもしれませんが,やはり街に存在している人間の数が減っている気がします.
人口の高齢化と連動してるんでしょうね.20年前というと団塊の世代が40代前半で,働き盛りです.彼らは良く働き,よく飲みました.20年前は,金曜の夜の新橋駅前近くの飲み屋さんって凄かったですよ.これだけ大勢のお父さん達が,昼間は一生懸命働き,夜はこうして同じ職場の人たちと飲んでいるのなだあと,一種の感動すら覚えたものです.
ただ,ひとつ思うことがあるんですが,団塊の世代の人たちは画一的な環境の中で育ち,大量生産・大量消費を美徳とする高度成長時代を支えてきたわけですが,一人ひとりはすごく個性的なんです.見かけは,平日は同じようなスーツを着,休日は同じようなゴルフシャツを着ていながら,考え方は一人ひとり全く違う.
違うことは当然ですが,考え方の違いに自信を持っている人が多いような気がします.幕張の会議でもそれを痛感しました.
単に頑固なだけでは困りますが,ものごとの本筋というか,本来の意義みたいなものを踏まえて,主張するべきことを主張するという点には敬意を表したいです.私などはまだ表面的な理屈からものを言うことが多くて,後で本質に気がついて恥ずかしくなることが多いです.人生まだまだ勉強,一生勉強です.

久々の東京出張

2006年07月14日 00時30分05秒 | 日記
明日金曜から月曜まで3泊4日で東京出張です.
こんな週末に出張なんてと思われるかもしれませんが,大学の先生の出張って土日が多いんですよ.
というのも,平日は講義があるのでなかなか出張に行けないということがわかっているので,学会関係者はわざと土日に会議などを設定するからです.
昔は,学会とか言う理由があると,堂々と休講になっていたように記憶していますが,今はだめです.
講義時間数を厳しく管理されているのと,時間割がかなり混んでいるので,休講にした後の補講の時間を確保するのが大変だからです.
それはともかく,久しぶりの東京です.1年半ぶりです.なんだか少しわくわくします.
個人的なスケジュールは全く入っていないので(今のところ),何かおいしいものを食べて来たいですね.
あと,おいしいお酒も,
終わる時間が予測しづらい仕事なので,予め友達に連絡して待ち合わせって言うのができないのがつらいです.行き当たりばったりの飲み会か,最悪はひとりでということになりそうです.
あと,家族持ちは土日の外出は嫌がられるので誘い辛いというのもあって...
ま,どんな出張になるか,仕事とプライベートどちらも予測不能な週末ですが,頑張って行ってきます.

ついに来たか!!この質問.

2006年07月12日 23時18分30秒 | 日記
恐れていた質問が,ついに小学校3年生の娘の口から発せられました.
「ねえ,お父さん.私がお母さんに似てるのはわかるのよ.だって,お母さんのおなかからでてきたんでしょ?
でも,どうして私はお父さんにも似ているの?」
予想していた質問とはちょっと違ったせいもあって,おしべやめしべで説明できないし,ぐっと言葉に詰まってしまいました.
とりあえず,「ちょっと待ってね.今お仕事忙しいから明日そのお話しようね.ところで宿題はもうやった?まだじゃないの.さあ,宿題,宿題」ということで,時間稼ぎをしています.どなたか,この質問の答えというか,勿論本当の答えではなくて,子供にふさわしい答えを教えてくれませんか?

ジダンの頭突き

2006年07月11日 20時36分53秒 | 日記
サッカーワールドカップの決勝戦でフランスの英雄ジダン選手がイタリア選手に頭突きをして退場処分というショッキングな出来事がありました.
ジダンはこの決勝戦が引退試合であり,現役最後の,しかもあと少しでPK戦という場面でしたので,世界中の観戦中のファンがあっけに取られましたね.
頭突きの原因は相手のイタリア選手から侮辱的な言葉を浴びせられたことにあるようです.
いかなる理由があろうとも暴力はだめです.ジダンの退場は当然の処分だと思います.
しかし,ジダンに侮辱的な言葉を吐いた相手選手に何の咎めもないのはおかしいですよね?
物理的な暴力ではなくても,言葉の暴力は十分に罪となります.
名誉毀損罪という「正式な」罪名だってあるわけですから.
時間を戻せるなら,ジダンには,その場ではぐっと堪えてもらい,試合後に相手選手を名誉毀損で訴えるような手順を踏んで欲しかったです.
暴言を吐いたイタリアの選手は何を考えていたのでしょうか?
もし,ジダンに精神的動揺を与えてパスの精度を狂わせようという試みなら,それは作戦の一つと言えなくもありません.しかし,サッカーとは関係のない個人的な中傷で相手を傷つけて,それで勝てて本当にうれしいでしょうか?
スポーツの醍醐味は正々堂々とその競技の技術や力で勝負すること,いわゆるフェアプレーにあるはずです.フェアプレーはスポーツの基本中の基本.それを犯してまで勝利にこだわる人には,出場の資格は無いですね.薬物で筋肉を増やしてまで金メダルを取ろうとする行為も同じです.
そんなフェアプレーを忘れた人物がワールドカップの代表選手に選ばれること自体が信じられないです.
それとも,それとは違う別の事情があったのかなあ?
それにしても,ワールドカップという,出場するだけでも,代表選手に選ばれるだけでも超すごい大会で,しかもその決勝戦でこんな事件が起きるとは.
本当にやりきれない思いの残る事件でした.

久々の夕焼け

2006年07月10日 22時41分16秒 | 日記
昨日の熊本の最高気温は36.9度でした.「さんじゅうろくてんきゅうど」です.
たった一日で夏ばてモードです.
ビールはおいしく飲めますが,それ以外はもお~だめです.
勘弁してほしいです.
前日までは記録的な雨で連日連夜の雨,しかもかなりのどしゃ降りだったのに,いっきに快晴+猛暑の真夏になってしまいました.
ただ,晴れたおかげで,写真のように,夕焼けは久しぶりにきれいに見えました.
夕焼けがきれいで,ビールがおいしくて,36.9度の猛暑と,夕焼けは見れず,ビールもまずくて,涼しい日々,あなただったらどちらを選びますか?
私は,う~ん,...

「グラスホッパー」伊坂幸太郎

2006年07月09日 12時31分31秒 | 読書
「死神の精度」に続き,伊坂作品の2冊目読了.

グラスホッパーとは昆虫のバッタのこと.
人間ほど個体間の距離が近い哺乳類はないという.
むしろ昆虫に近いらしい.
その昆虫も数が増えすぎ,密集しすぎると狂気に走るという.
バッタの大群が畑を食い尽くす現象もその一つ.
しかし,人間の狂気には個性がある.
人の数だけ狂気があり,その狂気に支配されてしまった人間は,個性にあふれた方法で人を殺す.

殺人という職業に精神を蝕まれている「鯨」と「蝉」の2人の殺し屋.
「鯨」は,相手の心の闇につけこみ,自殺へと導く自殺屋.
「蝉」は,一家惨殺など普通の殺し屋が嫌がる仕事を得意とするナイフの達人.
一方,「鈴木」は,[普通]の人間ですが,ある組織のボスのできそこない長男に妻を殺されてしまいます.
復讐のため,その組織に契約社員として雇われ加害者への接近を図ります.
この三者を中心に,雑踏の中で,標的を道路に押し出して自動車事故を装って殺す押し屋,「槿(あさがお)」が絡み,当初は別々の話としてスタートした3つのストーリーが,微妙に絡みあい,いつの間にか1本の太い結末へと突き進みます.
それにしても,現代社会の非合法的組織のやり口,知られざる「業界」のことが,これでもか,という感じで登場します.
麻薬密売,臓器売買,拷問,政治家と闇の組織のつながり等,う~ん,本当かなあ?
でもありえない話でもないなあ,と思わせる部分もあります.

でも,この物語のポイントは各登場人物の心理描写です.
ストーリー自体は昔からあるハードボイルド小説にミステリーの要素を添加したものですが,内面の,つまり狂気の描写が凄いです.
読んでいるうちに自分の頭も何かおかしくなってくる気がします.あれ?おれ自身は今大丈夫かな?って何度も思います.
320ページほどの長編ですが,一気に読めます.
というか,最後まで読まないと,自分の精神が不安定になるようで落ち着きません.
それだけ,狂気の描写が上手いということかな?
それにしても,伊坂さんの辞書には「倫理」という言葉は無いのでしょう.
だから,面白いんだけどね.
精神的に安定している方には,安心してお勧めできる第一級エンタテイメントです.
でも,心に闇を抱えている方は,夜中には読まないほうがいいかも?

カッコいいです.上川主審.

2006年07月07日 22時53分59秒 | 日記
ワールドカップのドイツ-ポルトガル戦(3位決定戦)で,上川徹氏(鹿児島市出身)が主審を務める事が発表されました.
めちゃくちゃかっこいいですよ,この方.
私はサッカーはあまり詳しくないのですが,この方の顔だけは覚えていました.
日韓共催ワールドカップのときも審判してましたよね.
日本人審判が,1次リーグ以後で「主審」を務めるのは史上初とのこと.
歴史的快挙と言っていいのではないでしょうか.
この,上川さんの日本チームに対するコメントが超辛口です.
「もっと向かっていって欲しかった。強いチームは汗をかいている」
汗をかくということには深い意味がありそうですが,まあ,執念が足りないということでしょうかね?
この方がいうと,その辺の評論家が言うよりはるかに説得力があるから不思議です.

王監督の一日も早い快復を祈ります.

2006年07月06日 22時45分59秒 | 日記
ショックです.北朝鮮のミサイルよりショックです.
王さんは,私ら年配の人間にとって,最も偉大で尊敬に値する時代のヒーローなんです.
今の若い人は,監督としての王さんしか知らないかもしれませんが,我々にとっては年間55本の本塁打,800本を越える通算ホームラン,三冠王をはじめ,数々の未踏の記録が記憶に焼きついています.
55という数字は松井秀喜の背番号や,ちょっと分野は違いますが,コント55号なんていうものにもその足跡を残しています.
800本って,考えてみてください.
年間40本打って20年間かかる数字ですよ.まさに凄いとしかいいようのない記録です.
WBCでは,日本チーム監督として,初代チャンピオンの栄冠をも日本にもたらしてくれました.
そんな王さんが病に倒れるとは...
手術の成功と一日も早い快復を祈ってやみません.
今日は焼酎は飲まずに寝ます.

守備よければ首尾よし

2006年07月05日 20時47分58秒 | 日記
すさまじい試合だったですね.イタリア-ドイツ戦.
アナウンサーと解説者も最後はヘロヘロだったですよ.
何といっても特筆すべきはイタリアの守備力の凄さです.
もともとイタリアといえば鉄壁の守備で有名でしたが,ここまでとは思いませんでした.
サッカーの場合「攻撃が最大の防御」ということで,フォワードの得点力=チーム力, のようなイメージを持っていましたが,それが間違いであることがわかりました.
考えてみたら,得点できるか否かって相手の守備力に大きく影響されるわけで,攻撃力が勝負を決めるとは限らないようです.日本だってブラジルから1点取ったわけですしね.
実際,相手の守備が良いと,どんなにこちらのフォワードがすばらしくても点は取れないんですね.
野球では,それは当たり前でして,4番バッターをずらりと並べても優勝はできませんね.
野球の場合,たとえホームランを50本打てるバッターでも,防御率1点台のエースからは打てないんですよね.たいしたことないピッチャー相手なら10点とれる打線でも,調子の良いエースからは完封されちゃうわけです.
だから野球はピッチャーが大事なわけで,これはわかっていました.でも,サッカーもそうなんですね.
ディフェンダーとゴールキーパーがよければ点は取られない.
点が取れなければ,フォワードはあせります.ミッドフィルダーも攻撃に目が移ってしまう.そして,カウンターで手薄になった守備をつかれて,あっというまに点を取られてしまう,というパターンが見えてきました.フォワードの焦りが守備に悪影響を与えてしまうわけです.ブラジル-フランス戦もそうでした.
守備というと,何か内向きというか後ろ向きなイメージがあって敬遠されがちですが,実は何でも一番大切なのは守備なんですね.
あと野球の話ですが,「ひいきのチームが試合に勝ったときのうれしさ」を思い出してみますと,10-0で楽勝の時は,それはそれで安心して見ていられますが,ゲームセットの時の感激はたいしたことはない.
しかし,1点差で,しかもピンチをしのいで勝ったときは思わず手をたたくほどうれしいものです.
楽天の野村監督がヤクルト時代に言ってましたが,10-0なら監督はやることはない,監督冥利につきる試合とは「1-0で勝った試合」とのことです.確かにわかるような気がします.「1-0」ということは,一人の代打,一人のピッチャー交代が試合を決めちゃうわけです.監督の采配が試合を決めることになる.
うれしさもひとしおと言うことになるでしょう.
われわれはテレビを見ているだけで,監督をやっているわけではありませんが,そのうれしさは良くわかります.だって,心の中では,監督気分なんです.「ここでなぜ代打ださないんだ?」とか,「このピッチャー交代はないだろう」.とか,突っ込みを入れながら観戦してますから.