書く仕事

ご訪問ありがとう!!ミステリー小説の感想を中心に,読書,日々の雑感,映画の感想等を書き散らかしています.

「二重らせん」ジェームス・D・ワトソン, 中村 桂子, 江上 不二夫

2009年06月27日 22時26分19秒 | 読書


う~ん.
アマゾンの説明文によると,「生命の鍵をにぎるDNAモデルはどのように発見されたのか?この業績によってのちにノーベル賞を受賞したワトソン博士が、DNAの構造解明に成功するまでの過程をリアルに語った感動のドキュメント。」とあるんだけど.
「リアルに語った」,というのは本当.
科学者同士の足の引っ張り合いとか,恋愛にうつつを抜かして,実験をほったらかしたり,とかいかにもありそうな話がでてくるのでね.
へえっていうエピソードも,これでもか,という感じで出てくる.
ノーベル賞をとるようなすごい人でも,そうなんだあ,ということを知りたい人にはお勧め.
でも,「感動のドキュメント」というのは誇大広告じゃない?
それと,専門外の人間がこんな批判をするのは,良くないのかもしれないんですが,ちょっと胡散臭いんだなあ.ストーリーが.
何か隠してますよ.
そういう気がする.
この文章に出てくるように,DNAの構造を明らかにしただけで,ノーベル賞ってもらえるんですかね?
DNAがらせん構造になっていることは,当時,既に知られていた事実だから,それを二重らせんで確定的にしたことがそんなにすごい事なのかなあ?
素人でもわかりやすくするために,何かごまかしているなあという感を拭い去れない.
最後に辻褄合わせに,話を盛り上げて終わらせている.
これは間違いない.

それと,二重らせん構造の解明は,それまでの,多くの研究を踏まえてのものです.
そのことに対する敬意が全く感じられないことに怒りに近いものをも感じます.
日本人の感覚かもしれませんがね...
あんた,何様?って感じ.

フラストレーションが溜まるお話でした.

お弁当の価格破壊

2009年06月13日 23時37分05秒 | 日記
しばらく前から,大手スーパーで,290円とか280円のお弁当が売られ始めました.
この不景気で財布の紐が一段と固くなった消費者を相手に,少しでも売り上げを上げようと必死ですね.
私の場合,基本的にかみさん弁当ですが,たまにかみさんの都合でお弁当がない日もあるので,そんな日は出勤時にホットモットあたりで買っていくのです.
しかし,格安弁当の話をききつけて,サニーやイオンでお弁当を買ってみたところ,意外に美味しい.
特にイオンの280円弁当は,気に入りました.
鯖の塩焼きが結構美味しかったのです.
そうこうしているうちに,ホットモットが,4日間限定で,300円弁当をやるらしい.
牛焼弁当が300円!
明日は休日出勤の予定なので,買ってみようと思っています.

この業界も熾烈な競争が繰り広げられていますね.

どの業界も大変です.

募集停止の大学の新聞記事が出ていたし,他人事ではありません.

募集停止ということは,新入生が入ってこないということ.つまり,今の1年生が卒業すると同時に大学がなくなるということですからね.

いやはや,どこも厳しいです.

「重力ピエロ」伊坂幸太郎

2009年06月11日 10時39分09秒 | 読書


またまた,伊坂さんの悪口評になってしまいますので,ファンの方は読まない方がいいと思います.
もし読まれたら,あくまで私の個人的な感想ですし,他意はありませんので,悪く思わないで頂きたいと思います.




伊坂幸太郎さんて,大衆小説というより,ちょっとブンガク寄りっていうか,「純」を意識させますよね.
そう感じるのは,私だけかな.

ま,そういう前提に立つとですね,「テーマ」は何かと思うわけですよ.

切った張ったのドンパチ・エンタメ小説じゃあないのだから,ストーリーの奥に「哲学」とか,「死生観」とか,「家族愛」とか,何かテーマがあるはずなんです.

で,この「重力ピエロ」...

わからないのですよ.

何が言いたいのだろう?

家族愛?
違うなあ.
本当に妻を愛していたら,いや仮に愛していなかったとしても,レイプされた結果生まれた子が,将来その事実を知れば,どんなに辛い思いをするか簡単に想像できたはず.
じゃあ,人類愛?
強姦魔の子供にも天使の心がやどるのだという信念?
小説のそもそもの前提が「?」に囲まれちゃって,いったい何のために,こんなストーリーを組み立てているの?という疑問から逃れられないまま物語が進んじゃう.

一応ミステリーなので,なぜ,遺伝子配列が放火現場に残されているのか?という話で,ミステリー好き読者の興味はつなぎとめてくれます.

でも,そのトリックの動機というのが...
え?ひょっとしてミステリー読者をバカにしていない?と思わざるを得ない動機.
東野圭吾さんが聞いたら,「ヘッ!」と鼻で笑いそうな動機です.
ミステリーならミステリーとして読者を唸らせろよ.と言いたい.

純文学なら純文学として頑張ってよ.村上春樹さんみたくね.(もっとも,ノルウエーの森は全く理解できなかった私だけど.恥!)
なんだかふわふわした雰囲気はわかるのだけれど.

実は,「魔王」の時にも同じようなことを感じて,同じような感想を書いた記憶がある.

ところが,「死神の精度」や「グラスホッパー」では,そんな感想は持たなかった.
純粋に面白いと思いました.純文学的な読み方は必要なかった.
ひたすら面白かったからね.
余計な疑問を持たずに一気に小説として楽しめたし,「死神...」では,ある短編と別の短編の巧みな繋がりにも感心しながら読めた.

なのに,魔王以後はどうもね.
「死神...」の求心力はどこに行っちゃたのかなあ?

多くの作品が映画化されている,伊坂作品.
映画の方の評価は今一のようですが,それは仕方ない.
映画は,基本的にエンタテイメント性を求められますから.
お金払ってまで難しい話を見たくはないということですね.

新型路面電車

2009年06月10日 18時32分20秒 | 日記


熊本市内で見かけた新型の路面電車です.
なかなかスマートでかっこいい.
路面電車は,交通渋滞の原因になるということで,全国的には廃止の方向ですが,ここ熊本では,むしろ積極的に,再利用というか,観光面のチャームポイントにもしようとしているようです.
この写真の最新式電車と,以前の日記にも紹介した,チキンラーメン電車
がすれ違ったりすると,多くの人が立ち止まって,その様子をニコニコしながら眺めています.

最新テクノロジーと復古趣味の離合です.

慢性交通渋滞に悩まされている熊本市内で,この方針がとこまで続けられるのか,疑問の声も聞かれますが,もう少し,見守っていたい,というのが熊本市民の声の大勢でしょう.