書く仕事

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「空中ブランコ」奥田英朗

2008年06月13日 18時20分34秒 | 読書

町長選挙・インザプールに続き,伊良部先生シリーズを読みました.
3作の中で一番面白かったです.
ジャンプがうまくいかないサーカス団員、先端恐怖症のヤクザ,突如ノーコン病に取りつかれたプロ野球選手など,本業で一流の実績を持つ人が今回の主人公.
皆,凄い人たちなんです.
しかし,肝心要の本業がなぜかうまくいかなくなっちゃう.
しかも,ケガや病気といったちゃんとした理由が見当たらず,どうも精神的なものが原因らしい.
で,皆さん困り果てて,伊良部先生のところにやってくると...
そこからは,いつものパターンなんですが,患者さんたちが皆,その道の一流の人たちなので,その必死さは今まで以上ですから,各々のエピソードがまた笑えちゃうんですね.
ほんと,真剣そのもの.
病気をごまかすための状況がまた,いちいち笑える.
場面設定やセリフが他の2作とは比べ物にならないくらい弾けています.
これは面白い.
私的には,先端恐怖症のやくざを描いた「ハリネズミ」が一番面白かったけど,他のお話もなかなかのものです.

人生に疲れを感じているあなた,一度この本で脱力してみてはいかがでしょうか?

「癒し」ではなくて,「脱力」です.
その違いは,この本を読めば実感できること間違いなし.


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