書く仕事

ご訪問ありがとう!!ミステリー小説の感想を中心に,読書,日々の雑感,映画の感想等を書き散らかしています.

大晦日のドタバタ

2006年12月31日 17時02分07秒 | 日記
ただでさえ気ぜわしい大晦日に、とんだドジなことをしてしまいまして。
近所のあるディスカウントショップに、1日に「3往復」しちゃった、ていう話です。
かみさんに頼まれて、テーブルタップ(延長コード)を買いに行ったんです。
かみさんの注文はとにかく、「数十センチコードを伸ばしたいだけだから安いのでいい」ということだったので、198円というのを見つけて、これを買って帰ったのです。
他にもいろいろ買い物をしたので、レジでは気が付かなかったのですが、帰ってレシートを眺めてみると、198円の延長コードのところが、980円となっているじゃありませんか!!
そういえば、やけにしっかりした作りだし、安いなあとは思ったのですが...
どうやら、誰かが198円の札の付いたかごに980円の品物を入れたようなのです。
それで、そのお店にまた行って、返品と払い戻しをお願いして、今度は198円の方を買いました。
で、ついでに買い忘れていた蛍光灯のランプなんかも合わせて買って帰ったのです。
これで、やれやれと思ったのもつかの間、買いなおしたはずの延長ケーブルが無いのです。
そんなはずはない、と思って、そこら中探したのですが無い。
自転車とか、階段とか通ってきた道は全部探したのですが、やっぱり無い。
しかたなく、ひょっとしたらと思い、そのディスカウントストアに電話したら、あらまあ、レジのところに延長コードだけ置き忘れていたとのこと!
返品のやりとりをしているときに、買い直した延長コードだけをそのまま置き忘れたらしい。
そこで、3度目のご来店・・・と相成ったわけです。
1軒のお店に1日で3往復したのは初めてですよ。
いやはや、恥かしかった。
でも、親切な店員さんで助かりました。
自転車で6,7分のところにあるディスカウントショップですが、さすがに3往復すると、結構疲れます。
私の今年の幕引きに相応しい、とんだ大晦日の一幕でした。

今年読んだ本

2006年12月30日 15時40分06秒 | 読書
今年読んだ本は37冊。
前半はミステリーが多いですが、後半はドラマ的なものが多いですね。
最後に、私的ベスト3を選んでみました。

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1 「デカルトの密室」瀬名秀明
2 「死体の冷めないうちに」芦辺 拓
3 「六十歳からのやんちゃ道」安部譲二
4 「夏の扉」周利重孝
5 「娼年」石田衣良
6 「4TEEN」石田衣良
7 「六番目の小夜子」恩田陸
8 「不安な童話」恩田陸
9 「三月は深き紅の淵を」恩田陸
10 「光の帝国 常野物語」恩田陸
11 「蒲公英草子 常野物語」恩田陸
12 「ダヴィンチコード」ダン・ブラウン
13 「水の時計」初野清 角川書店
14 「夜のピクニック」恩田陸
15 「死神の精度」伊坂幸太郎
16 「グラスホッパー」伊坂幸太郎
17 「魔王」伊坂幸太郎
18 「青の炎」貴志祐介
19 「臨機応答・変問自在」森博嗣
20 「みんなの秘密」林真理子
21 「ABC殺人事件」アガサ・クリスティ
22 「どんなに上手にかくれても」岡嶋二人
23 「ノルウエイの森」村上春樹
24 「九つの殺人メルヘン」鯨統一郎
25 「池袋ウエストゲートパークⅤ 反自殺クラブ」石田衣良
26 「フェミニズム殺人事件」筒井康隆
27 「わたしが彼を殺した」東野圭吾
28 「スローグッドバイ」 石田衣良
29 「誰か Somebody」宮部みゆき
30 「杉並大学探偵事務所」戸田可秀
31 「Pの密室」島田荘司
32 「博士の愛した数式」小川洋子
33 「占星術殺人事件」島田荘司
34 「嫌われ松子の一生」山田宗樹
35 「ニシノユキヒコの恋と冒険」川上弘美
36 「天使のナイフ」薬丸岳
37 「となり町戦争」三崎亜紀
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さて、私的ベスト3をご紹介します。
① 「博士の愛した数式」小川洋子
② 「4TEEN」石田衣良
③ 「不安な童話」恩田陸

ミステリー好きな私ですが、いわゆるミステリーは「不安な童話」だけですね。
でも、今回はたまたまです。
ミステリーは相変わらず好きですから。

「博士の愛した数式」は本当に良かった。
人の心の問題とファンタジーの要素の絶妙なブレンドに酔ってしまったって感じですね。
「4TEEN」はこれほど爽やかな読後感を与えてくれたことに、心から感謝したい気持ちです。
「不安な童話」はホラーとミステリーのバランスがとてもよくて、特にミステリとしての質の高さとホラーの怖さの相乗効果で高得点でした。

実は、手元にまだ3冊未読があるのですが、感想をUpするのは年明けですね。

「となり町戦争」三崎亜紀

2006年12月29日 11時03分04秒 | 読書
「亜紀」は八代亜紀さんの亜紀と同じですから、女性かもと思っていました。
しかし男性。
福岡生まれで福岡在住、大学は熊本大学ですので、熊本とも関わりがあるということで、なんとなく親近感を感じます。
さて、お話は、タイトルからすると、ユーモア小説っぽいんですが、実際はかなりシリアスです。
主人公の「僕」の住む舞坂町役所が公共事業のひとつとしてとなり町と戦争をするという皮肉めいた想定になっています。
「僕」は、役場からの召集令状ならぬ偵察業務任命書を受け取り、これに従い、一種のスパイですね、となり町の様子を見て報告する仕事を引き受けます。
また、町役場側のスタッフとして香西(こうさい)さんという若いけれど非常にしっかりした女性が重要な役回りで登場します。
日常生活の中に、目に見えぬように組み込まれた戦争という事業が、見えないながらも微妙に生活に落とす影を濃いくして行くありさまが、ファンタジーともミステリーとも言えぬ「宙ぶらりんな」感覚で描かれていきます。
「僕」と香西さんとの「ラブロマンス(?)」も物語の一方の柱にはなっていますが、それよりも香西さんが抱える別の苦しみがロマンスにのめり込ませないためのバリケードになっているのです。
残念ながら私には、彼女の真意は最後まで理解できなかった。
それは、物語の欠点ではなくて多分私の問題だと思います。
香西さんの気持ちは、わかる人にはわかるんだろうな、と思います。

とにかく、不思議な小説ですね。やはり、ファンタジーだと思います。
この本の後に出した「バスジャック」もすごい人気ですので、いずれ読んでみようと思っています。

「天使のナイフ」薬丸岳

2006年12月28日 20時27分01秒 | 読書
作者初の小説で第51回江戸川乱歩賞を受賞した作品
久々にミステリー小説読了.
これは面白かった.
熱く,そして一途な気持ちのこもった小説です.
作者自身がミステリーが好きで好きでたまらないという気持ちがにじみ出ているような気がします.
それと何ていうのかな,すべてをこの仕事にかけているという一途さに弱いんだなあ,年をとると.
主人公,桧山貴志は一人娘の愛美を男手一つで育てているシングルファーザー.
愛する妻は3年前に,ある事件で殺されてしまいます.
悲しみに打ちのめされながら,せめてもの弔いに犯人への厳罰を望みますが,何と犯人は13歳の3人の中学一年生だったのです.
当時の少年法では,14歳未満の加害者には社会的責任は一切課せられず更生の道が与えられるだけ,しかも被害者には犯人が誰なのか,犯人が本当に更生したのか等,被害者なら当然知ってしかるべき情報が一切与えられないのです.
憎しみをぶつける相手を奪われた桧山には,もう愛娘の成長だけが生きるよすがとなっています.
妻を失って3年経ったある日,犯人の1人と思われる少年が何者かに殺されます.
ところが,桧山の不用意な発言から,その殺人の容疑が桧山に降りかかってくるのです.
とまあ,こんな感じであれよあれよという感じで物語は進んでいくんですが,読者は,当時の少年法のもつ加害者の権利優先の矛盾をこれでもかという感じで思い知らされます.
被害者が求めているのは,加害者からの心からの謝罪なのであって,けっしてうらみつらみをぶつけようというのではないのですが,そこが法律の硬い壁で簡単に跳ね返されてしまうことに,私もリアルな怒りを感じました.
幸い,その少年法が改正され,被害者が,加害者の少年の身元や更生の状況などを知ることができるようになったようですが,まだ,十分なものではないようです.
物語の前半は少年法の矛盾と,桧山の冤罪を軸に進みますが,後半は一転,ミステリーの要素が濃くなります.内容はちょっと言えませんがね.
ただ,私がすばらしいと思ったのは,単なる謎解きに終わらずに,社会派ミステリーとしてのストーリーの芯を崩さずに話を展開するテクニックですね.
それは多分,被害者の気持ちだけを一方的に擁護するのではなく,加害者側の罪の意識も丹念に描いていること,そして,これが一番大事なことなのですが,被害者意識と加害者の罪の意識の架け橋になるべき少年法が,全くの欠陥法だったということを見事に描ききっている点だと思うのです.
松本清張さんばり,というとさすがにちょっと持ち上げすぎかもしれませんが,その片鱗は感じます.
あと,目次の前に作者の受賞の言葉がのっていて,これがなかなかいいんですよ.
本編を読もうという気になったのも,わずか1ページの「受賞の言葉」にこめられた作者の熱い思いなんです.
う~ん,文章の力って本当に人を動かすんですよね.

札幌キロロツアー

2006年12月28日 02時40分13秒 | 日記

北海道から帰ってきました。
昨年は腰痛でスキーを断念しましたが、今年は無事に、楽しく滑ってきました。
キロロは雪質がとてもよかったです。
スキーをされる方はご存知でしょうが、雪質がよい、つまり雪の温度が低いと、粘着性が小さくてさらさら状態になり、スキーに絡みつかないので、ターンが易しくなります。
逆に温度が高いとシャ-ベット状になり、スキー板に絡んでとてもターンが難しくなります。
今回は幸運にも前者の状態だったということです。
幸運というのは、我々が行く前日に雪が降り、しかも冷え込んで雪が締まるという好条件に恵まれたのでした。

娘はボーゲンながらスピード狂でして、ハの字のまま猛スピードで降りていきます。
私は形にこだわる方なので、当然スピードは出ないわけで、いつも娘からリフト乗り場のところで待ってもらい、「お父さん遅い!」と叱られていました。
かみさんが娘と私の間に入って、どちらかが転んでいないかチェックする係りでしたね。
楽しかったですが、足と腰が筋肉痛でばりばり言っています。
直るのにしばらくかかりそうです。冬休みはこれからだというのに。
まあいいか。
最終日(つまり今日)は雨になってしまい、滑ることはできませんでした(残念!)
でも、昨日と一昨日の2日間は目いっぱい滑れましたので、良しとしましょう。
冬休みのビッグイベントはあっという間に終了です。

お国言葉のガソリンスタンド

2006年12月23日 22時54分46秒 | 日記

大学近くのガソリンスタンドの看板です。
なんともいえぬ、味がありますね。
店長さんと酒でも飲みたい気がします。
手馴れたコマーシャルトークなんかより、ずっとずっと暖かみを感じます。

ところで、明日から4日間、長男が住む札幌に行ってきます。
24日は札幌(ホワイトクリスマスになるといいな)に1泊し、25日~27日はキロロでスキーです。
どうやら、我が家のスキーツアーはキロロが定番になってきました。
前回(今年の3月)は腰痛で滑れず、悔しい思いをしました。
今回は腰痛はないので、無理せず楽しんで滑ってこようと思います。
去年は長男の受験で、「滑る」「ころぶ」「落ちる」はタブー語でしたが、今年は気にせず、好きなだけ「滑って」来ますね。

炎のじゃがバター

2006年12月23日 17時50分09秒 | 日記

西洋料理や中華料理でこういう趣向はよく見ますが,福岡のとある和食レストランでは,じゃがバターでこんなことをやってくれました.
お味もよかったですよ.
和食と炎のミスマッチがいいですね.
実はお店の名前を紹介しようと思ったんですが,どうしても思い出せなくて...
中洲のキャナルシティの近くなんですが...
思い出したらまた書きます.

名古屋出張

2006年12月22日 23時06分47秒 | 日記

学会発表のため、久しぶりに名古屋に行ってきました。
福岡経由で中部国際空港を利用しましたが、この空港、結構便利ですね。
近鉄が乗り入れていて都心まで30分です。
もちろん、東京や成田に比べれば規模は小さいですが、なかなか立派な空港でした。
考えてみたら、名古屋ですから当然ながら東京との間に路線はないんですよね。
地方の空港なんて東京との間の路線で持っているようなものですから、東京との間の路線なしにこれだけの規模の空港を維持できるというのは立派なものです。
おそらく、他の空港に比べて、国際線の利用比率がかなり高いのではないでしょうか?
写真は送迎デッキから撮ったものですが、デッキがかなり長距離(数百m)、滑走路側に張り出しているため、こんなアングルから撮れるのです。
学会は名古屋大学でありました。
こちらもはじめての訪問でした。
休憩時間に大学内にある「野依良治記念館」というところにノーベル賞博物館というのがあったので見学してきました。
野依さんは、おそらく日本人ノーベル賞受賞者の中でもっとも地味な感じの科学者ですよね。
湯川さん、朝永さん、江崎さん、利根川さん、最近では小柴さんや、あのノーベル田中さんあたりは皆知っているんでしょうが、野依さんはあまりマスコミ等で話題になっていないし、知名度はたぶん一番低いと思います。
恥ずかしながら私も野依さんのことをほとんど知りませんでした。
でも、この記念館を見学させていただいて、やはりノーベル賞を取るだけのことはあるなと、再認識しました。
野依さんの研究は、「左右が区別できる物質を使って、ある化学反応を制御する」というものでした。
大部分の物質の分子は原子が非対称にならんで構成されていて、それらは右手型と左手型に分けられます。
そして、不思議なことに、自然界に存在する物質はすべて左手型なのです。
なぜ、左手型だけしか自然界に存在しないのかはわかっていないのですが、生物が合成する物質はすべて左手型なのです。
だから、まったく同じ分子でも、右手型の分子は生物に吸収されても細胞とは全く反応しません。
人間が人工的にある物質を合成すると、右手型と左手型が半々にできてしまいます。
もし、左手型が必要な物質だとすると、できた物質の半分は捨てなければならないのです。
野依博士の成果は左手型のみ、または右手型のみを生成できる触媒となる物質とその方法を発見したのです。
この記念館には他のノーベル賞受賞科学者の展示もあってなかなか楽しかったです。


やかんカーリング

2006年12月19日 23時31分57秒 | 日記
カーリングはトリノオリンピックでの日本チームの活躍で一躍有名になりましたね。
それにあやかってか、熊本市が主催するリクリエーション「やかんカーリング」大会なるものに行ってきました。
会場は上の写真の熊本アクアドームです。これは模型なんですけどね。
おもりを入れたやかんをアイススケート場で滑らして、的にできるだけ近づけて止めたほうが勝ちという競技です。
だから、本物のカーリングと大体同じですね。

ただ、こちらの方は、的がおでんのなべなんです。写真は練習風景なのでおなべは写っていないんですけど。
でも、やってみると結構真剣になれるし、面白かったですよ。
自分もチーム青森のメンバーになったみたいな気がします。ははは。
試合前に、地元のスピードスケートの選手によるショートトラックの試合のデモンストレーションや、アイスホッケーの練習風景の紹介があり、生の迫力を大いに楽しんできました。
なお、全部、無料です。参加賞としてマフラーまでもらいました。

次期Windows

2006年12月16日 13時31分11秒 | 日記
木曜日に、出張で福岡に行ってきました。
目的のひとつは、シーホークホテルで開催されたマイクロソフトのセミナーです。
今話題の次期OS、WindowsVISTAとオフィス2007を体験してきました。
VISTAの方はOS自体の持つ検索機能が強化されていろんな情報を探しやすくなるようですね。
これはありがたいことです。
安定性も改善されて、再起動の回数が減るだろうとのこと。
オフィス2007は、今までのWindowsだけでなくMACも含めて世界共通のインタフェースだった「メニュー」形式の機能選択がなくなり、変わりにタブを拡張した「リボンインタフェース」というものが採用されました。
今までのように、「ファイル」メニューとか「編集」メニュー「表示」メニューとかがなくなり、タブのような「リボン」というものが取って代わります。
選択された「リボン」に対応したツールボタンだけが現れるわけです。
今までは、メニューはメニュー、ボタンはボタンで別々に存在していて、「お好きな方をお使いください」という考え方でしたが、VISTAでは、リボンごとにグルーピングされたボタンだけが現れるので、その場に必要なものしか画面に出てこないわけで、私なんかはすっきりして使いやすくなったと評価しています。
でも、初心者の人はどうかな?
間違ったリボンを選択してしまうと、所望のボタンが現れないので、自分に必要な機能がどのリボンの中にあるかがわからないようなユーザには、迷う場面が増えそうです。
かえって使いづらいと思うのではないかなあ。
私は1年生のコンピュータリテラシーの講義も受け持っているので、これはちょっと教え方を考えないといけないなあと、頭を悩ませてしまいました。

知事さん憧れ論

2006年12月14日 12時57分42秒 | 日記
「知事」ってなんだか憧れていました。
もしも、政治家になるんだったら(って、なれるとは思わないけど)、知事さんがいいなあと思います。
総理大臣とか、国会議員とか、市長さんとか、いろいろ政治家にも職種(?)がありますが、知事だけは私的には別格なんです。
知事といえば、地方自治のトップです。
同じトップでも総理大臣だと、自民党内の派閥間の調整とか他の党との連立とか、結構回りに気を使うことが多いじゃないですか。
だけど、知事だと政党からの縛りが比較的少ないから政策本位の政治ができると思うんです。
石原慎太郎さんとか、前の田中康夫さんとか見ていても、なんだか楽しそうに仕事してます(ました)よね。
発言も周りを気にすることなく思ったことを言っている。内容の是非は別としてね。
お二人を見ていると、知事さんって、政治家というより、ワンマン会社の社長とか会長に近いですよ。もっと、極端に言うと、例えば、オーケストラの指揮者のような、自分の個性を前面に打ち出せる仕事じゃないかなと、思ってしまいます。
これが、coollife的に見た知事さん憧れ論の理由です。

ところが、その弊害もあるわけです。
つまり、政党間の調整とか根回しにあまり気を使わなくていい分、ワンマンになりやすいんですよ。
唯我独尊、この県は俺の天下なんだ、ってことになっちゃう。
それが、今回のあちこちの知事さんの官製談合事件の元凶なんじゃないでしょうかね。
いいことには悪いことが潜んでいる。
全国の知事さん、今頃ひやひやしている人がいっぱいいるんだろうなあ。
次は俺かな、みたいな。
そうですよ、次はあなたですよ、○○知事さん。

ムンクの誕生日

2006年12月12日 23時36分31秒 | 日記
googleを使っておられる方はお気づきでしょう。
今日はエドヴァルド・ムンクの誕生日だそうです。,
Wikipediaによると、
『エドヴァルド・ムンク(Edvard Munch, 1863年12月12日 - 1944年1月23日)は、19世紀~20世紀のノルウェー出身の画家。『叫び』の作者として有名で、ノルウェーでは国民的な画家である。1000ノルウェー・クローネの紙幣の肖像にも描かれている。生と死の問題、そして、人間存在の根幹に存在する、孤独、嫉妬、不安などを見つめ、人物画に表現した。表現主義的な作風の画家として知られる。』と、あります。
彼の「叫び」はあまりにも有名ですね。
今でこそお土産やさんで、「叫び人形」とかが売られているくらいで、ユーモラスな面が強調される傾向にあるこの作品ですが、初めて教科書でこの絵を見たときの衝撃は忘れられません。
生と死が不安を挟んで背中合わせになっているような不気味な感覚をもたらす作品です。
それもそのはず、彼は5歳の時に、母を結核のため亡くし、姉と弟も若いときに亡くしているらしい。
エドヴァルド自身も病弱な子供だったようです。
このように小さいころに「死」というものをたくさん目の当たりにしたことが、彼の芸術家としての資質や作風に影響しないはずはないですよね。
逆に、(ちょっと飛躍するかもしれませんが...)今の時代は小さいころに身近な人の「死」というものをあまりに経験しなさ過ぎる気もします。
そのことが、命の大切さに思いを馳せる経験がないまま成長し、現実の人の死と、ゲームの中のキャラクターの死が同じようなものだと思ってしまうような人間を作っていないでしょうか?
ムンクの叫びを思い出しながら、そんなことを考えてしまいました。

盛り上がらないアジア大会

2006年12月10日 11時09分55秒 | 日記
いつの間にか始まっていたアジア大会って感じです.
北島康介が金メダルを2つ取ったことくらいはニュースで聞いていましたが,あとはさっぱり.
興味がわかない.
一生懸命がんばっている選手の方々,ごめんなさいっていう気持ちです.
フィギュアスケートのNHK杯の方がよっぽど盛り上がっている気がします.
なぜでしょうかね?...と聴かれても困りますよね.
これは勝手な想像ですが,このテンションの低さは日本全体から冷たい光となって,ドーハまで伝わっているのではないかなあ.それが日本選手団の低迷に繋がっているかもしれません.
たとえ声は聞こえなくても,熱い応援が試合の成績に結びつくような気がしますもの.
記録上は中国についで金メダル数2位ですが,本来金メダルあるいはメダルを取れるはずの種目をことごとく逃してますもんね.
シンクロで国際大会で中国に負けたのは初めてだろうし,サッカーはベストエイトにすら残れなかった.
柔道だって欧米の強豪国がいないのにも関わらず男女合わせて金が4つですね.10個とってもおかしくないのに.
やはり,母国日本の「テンション低い光線」がドーハに届いているようです.
しかし,まあ,こういうときもあっていいのでしょう.
野球なんて,完全にシーズンオフですよ.野球選手は本来,温泉に入って1年間の疲れを取る時期です.
そうしないと,もうあと1ヶ月もしたら自主トレ始めないといけないわけですから.
こんな時期にアジア大会やろうなんて誰が言い出したのかな?
でも,出場したアマチュア野球(社会人チーム)の選手の皆さんはオールプロの台湾チームによく健闘しました.
どうどうの銀メダルです.
これは胸をはっていいんじゃないかな?
CRIという中国の放送局ホームページを見ると(これが日本語で書かれているのです),
こんなことが書いてます.
「オリンピックを前にして、今年はワールドカップや世界選手権など、大規模な国際大会が連続していました。ですから、多くの代表選手たちは、現在、休養期間に入っています。そこで、これまで代表として出場機会が少なかった若手中心の選手選考を行いました。647人の選手のうち、アテネオリンピックに出場した選手は四分の一にもならない167人」だそうです.
それで,あの金メダルラッシュです.恐るべし中国.
こりゃ,北京オリンピックはすごい事になりそうですよ.

「ニシノユキヒコの恋と冒険」川上弘美

2006年12月09日 17時53分56秒 | 読書
川上弘美さんの小説は始めてです.
だから,タイトルを見て,コメディタッチの探偵ものかロードムービーみたいな物語を想像していました.
でも,全然違いました.
「ニシノユキヒコ」というハンサムでやさしくて不思議な雰囲気をもった男性が主人公です.
彼が中学生,大学生,社会人,中年,初老...様々な年代で女性達と「恋愛」をします.
「ニシノユキヒコ」氏は,とても女性にモテるのだけれど,女性に対して自信がなさげで,一人の女性に一生を捧げることに強い戸惑いを感じています.
その戸惑いのせいで,女性の方もいまひとつ彼に夢中になれず,結局,別れることになってしまう.
やがて,彼の女性に対する自信のなさは,子供の頃に亡くなった,年の離れたお姉さんとの悲しい思い出にあることが明らかになります.
ネタばれのような書き方ですが,ご心配いりませんよ.
この本の魅力は,彼自身の優柔不断な性格をフィルターにして,彼と付き合った多くの女性達の魅力的でたくましい生きざまの方にあるのです.
そういう意味では主人公はニシノユキヒコではなくて,彼とつきあった,様々なすてきな女性たちなのです.
彼女達はそれぞれ人生の目的か,少なくとも確固とした居場所を持ち,幸せな一生を送っている.
ある話で付き合った女性が,別の話では元彼女として出てくるんだけど,その登場の仕方というか,雰囲気がとても良いんですよ.ここはネタばれ防止のため伏せますけどね.この辺は川上さん,うまいなあと感心.
ニシノ氏は彼女達の活き活きした人生の中で,ちょっと寄り道をさせ,つかの間の恋を経験させてくれた香辛料みたいなもののような気がするのです.
どの女性も,きっと充実した一生を送り,死ぬときは好きな人か家族に見取られて穏やかに一生を終えそうな予感がします.
それに引き換え,ニシノ氏は...
っていう感じなんですね.
これではいくらモテても,何にもなりませんね.
実際こんな男性がいるわけはないのですが,それを物語の中とは言え登場させるということは,川上さん自身の経験というか,男性観を投影しているのかもしれません.
「おやすみ」の「マナミ」さんとか,「夏の終りの王国」の「例」さんとかそうじゃないかな?
「嫌われ松子」のような強烈なインパクトはないですが,まあ,恋愛小説初心者の私としては面白かったなあということで...

「嫌われ松子の一生」山田宗樹

2006年12月03日 00時47分33秒 | 読書
もりちえさんのブログでこの本を知りました.
先週,図書館で返却されたばかりのこの本を見つけたので,ラッキー!とばかりに借りてきました.
それにしても,すごい本を読んでしまいました.
もちろん小説だからフィクションには違いないのですが,私の想像の範囲を超えた,想定外の松子の一生でした.
才色兼備の新進教師松子が,あれよあれよという間に人生の表舞台から転落し,最後は殺されてしまうという,悲惨な一生の物語です.
その一生を松子自身の目から見た物語と,松子の年の離れた甥の笙(しょう)が,殺された松子の人生を調べていくうちに明らかになった事実とがパラレルに語られていきます.
当初は二つのストーリーがなかなか繋がらないのですが,ある時点からは,その二つが急速に接近し,ひとつの舞台を上手と下手から見るような趣きで物語が進行していきます.
この辺のストーリー運びはみごとだなあと感心しました.
あらすじを紹介しようかなあ,とも思ったんですが,この小説は決してあらすじで紹介するような本じゃないですよね.
間違った印象を与えちゃわないよう,ストーリー自体は紹介しないことにしました.
とにかく小説としてものすごく面白いのです.それは保障します!
ただ,気をつけないといけないことが一つ,それは,あまりの悲惨さに,たとえフィクションとわかっていても,かなり心が痛みます.
ちくちく痛むなんてもんじゃないですよ.グサッときます.
その辺を覚悟して読んでいただかなければなりません.
物語中,いくつかの人生の岐路と呼べる場面が出てきますが,頭が良いはずの松子がなぜそっちを選んじゃうの?っていう展開が多いですね.その辺は読んでいて,もどかしいというか,物語を面白くするためとはいえ,ちょっとやりすぎなのではないかなあ?と首をかしげたくなる展開もあります.
でも,所詮フィクションですからね.作者としては精一杯面白くするべきと考えてそうしたんでしょう...
この本を読むと,自分の人生は,悲惨なこともなく,幸せでよかったなあと思う人が多いでしょう.
でも,同時に平々凡々としたつまらない人生にも思えてくるから不思議です.
そのどちらをより強く感じるかで,人生に対する満足度を計れそうな気がします.
いずれにしろ,小説を読む楽しさを再認識させてくれる一冊でした.映画化もされたし,DVDも出ているようですね.
もりちえさんに感謝です.