書く仕事

ご訪問ありがとう!!ミステリー小説の感想を中心に,読書,日々の雑感,映画の感想等を書き散らかしています.

羽田空港のアナウンス

2009年08月31日 13時44分07秒 | 日記
いやはや,あわただしい1日でした.
日帰り東京出張,無事に戻ってきました.
さて,帰りの便を待つ,羽田空港の待合ロビーでのアナウンス.
「熊本行きANA××便はまもなく搭乗です.この便は満席で,お席が不足する可能性があります.ご搭乗予定のお客様で,便を明日に変更してもよいという方はカウンターまでお申し出下さい.明日の朝の航空券と,謝礼として2万円をお支払いします.」

えっ?そんなのあり?

しばらくすると,若い女性の2人組がカウンターへこそこそと行って,カウンターのお兄さんと話している.
2人で4万円ゲットしたもよう.

私も,一瞬迷ったがやはり止めました.
明日だと台風で戻れなくなる可能性があるしね.

世の中いろんなことに出くわすものですね.

日帰り東京出張

2009年08月29日 12時11分52秒 | 日記

明日は東京出張なんですが,日帰りなんですよね.
でも,このスピード時代,熊本-東京は日帰りも十分可能なんです.

明日は,朝7時30分のリムジンバスで,熊本空港へ行き,9時のANAで羽田へ.
11時半からの会議は17時で終了.
すぐ羽田へ向かい,18時45分の熊本行きANAに乗ります.
熊本空港着が20時30分で,すぐリムジンバスに乗ると,帰宅は21時半頃.
やれやれですが,出張旅費が少ないので仕方ありません.

では,行ってきます.(って,早すぎるだろ!)

「虹を操る少年」東野圭吾

2009年08月29日 11時29分28秒 | 読書


人類の精神面の進化をモチーフとしたSFミステリー,
哲学に興味ある私のツボに見事にはまってくれます.
面白いです.

筒井康隆さんの「家族八景」とか「七瀬ふたたび」などに通じる,進化した精神面をもつ新人類への迫害と逃亡.
そして最後の逆転劇.
ただ,この小説では,新人類が積極的に旧人類に関わろうとする.
いや,旧人類にも進化の芽は宿っているので,それを開花させてやろうとする.
進化の可能性があるのは若者が主体.
すでに精神の発達が止まった大人は対象外.だから,大人は邪魔しようとするわけね.

ある意味,実社会そのもの.
出るくいは打たれる.そのままです.

筒井ワールドだと,必ずしもすっきりした終わり方はしません.
それは筒井さんが真の天才だから,ついて来れないやつは置いていくというスタンスなんだな.
で,東野さんはどうかというと,彼もやはり天才だと思いますが,それ以上にエンターテイナーなんですよ.
だから,読者を置いてけぼりにはしない.
満足するように終わらせてくれます.

「光にメロディがあるの?」「あるさ。みんな、そのことに気づいていないだけさ」

皆で光に感応しよう.

あ,だめだ.私は完全な旧人類だから,もう進化できないんだ.ザンネン.

「35歳内科医師です」てか!

2009年08月27日 15時20分50秒 | 日記
ネット広告にも良く出てくる某結婚相手紹介システムです.
「35歳内科医です」というメッセージは,どう見ても広告ですから,35歳の内科医で写真のようなイケメンがズラッと揃っていると思わせる効果があるわけね.

「35歳内科医です」と書かれると,私など,応募してくる女性にとって非常に困難かつ幸せからは遠のいて行くいろんな問題点を続々と思いついちゃうんですけど,どうでしょう.

まず,医者という職業からくる妻の立場の辛さ.
私の知っている限り,例外なく医者は激務です.
平日はもちろん,土曜も出勤.当直もしばしば.
勤務で疲れきっているから,奥さんと二人でディナーなんておそらく何年も行っていないというお医者さんがほとんど.
二人で映画でも...なんて夢のまた夢です.
いくら愛していても体が疲れていては,映画行く時間があったら,早寝したいっていうのが本音でしょうね.
ルンルンの新婚生活はとうてい望めませんから.

次に,子供の問題.
医者のファミリーだと,子供が出来たら「子供も医者に」っていうのはよくあるケース.
奥様自身がそう希望することもあるでしょうし,ご主人の親の方からも,無言のプレッシャーが来ることも想像できる.
ご主人自身は医者だから,頭脳はまあ,証明されている.
とすると,もし,子供がボン..いや失礼,平凡な頭脳だったら,その責任はすべて妻の脳ミソDNAのせいにされますよ.
これは辛いのじゃないかな,奥様にとって.
お姑さんから,「うちの息子ったらあんな頭の○△×な娘と結婚しちゃったから,孫は医者にはなれないのよ.悲しいわっ」って,親戚の法事のたびに言いふらされることがないとも言えない.

もうひとつ,35歳で医者で,安定した収入がある男性がなぜ,そんな結婚ビジネスを使わなければならなくなったのかという問題.
これは,想像でしかないけど,ちょっと見た目ではわからない欠陥があって,普通の恋愛では相手が見つからなさそうだと判断したのかもしれませんよね.

てな具合で,ケチばかりつけて申し訳ありません.
お医者さまの読者がいたら,ごめんなさい.

お叱りのコメントお待ちしています.
もちろん,賛成のコメントも.

ついに出た!

2009年08月26日 13時36分08秒 | 日記
新型インフル,わが大学でも.

しかし,教員も学生もほとんど無反応ですね.

学生は夏休みで,授業はないので,危機感は皆無.

卒研生に聞いても,「ああ,そう」っていう感じ.

後期の授業が始まると,大変なことになることは目に見えています.
早く終息に向って欲しいけど,若い人はほとんど免疫を持たないから,一通りかからないと終わらないかもしれませんね.

いずれにしても,手洗いが重要とのこと.

皆様もお気をつけください.

「ウェディング・ドレス」 黒田 研二(講談社文庫)

2009年08月22日 20時32分42秒 | 読書



う~ん.
よく出来ている.

超本格的ミステリー.
こういう本にめぐり合えることに幸せを感じます.

婚約し,幸せの絶頂にあったサチコとユウ.
しかし,幸せの絶頂から,奈落の底に突き落とされる二人.
二人の視点から,少しずつ物語がすすんでいく.
しかし,どこかおかしい.
話が微妙にズレていく.
不安感と違和感を抱きながらも,読者はストーリーの展開に引き込まれていく.
え?,え?と思いながらも,次のページを読まざるを得ない.

最後に,二人が再開したとき,それまで,ずれて続けていたジグソーパズルがピタッと合う.
そうか,そういうことだったのか.

こういうトリックを思いつくのはどういう頭の構造なんだろう?

いわゆる叙述ものっていうジャンルなんだね.

嘘をつくことなく読者をだますという手法です.

具体的なことはネタばれになるのでいえないけど.
主人公の名前がカタカナっていうことがヒントかな.
おっと,これ以上は言えない.

熊本 おもしろ広告三連発 その2

2009年08月12日 20時41分44秒 | 日記


大分って鳥料理が名産みたいですね.
鳥天も有名です.
出張のとき昼飯に鳥天定食を食べたことがあります.
なかなか美味しかった.
そんな大分の空揚げ屋さんが進出してきました.
このお店のはまだ食べていないんですがね.
なかなかチャンスがなくてね.
ケッコウなお味かどうか,そのうちレポートしなきゃ.




熊本電鉄の車内のディスプレーです.
お中元セットじゃないんだから,「つめあわせて」は変?
「つめてお座りください」とか「7人がけです」とかですね.
でも,なんとなく良いんだなあ.この妙な丁寧さが.
言いたいことは十分に伝わっているしね.




受けねらいの店名ですが,熊本では結構多いですね.
前回の「アタール」も「コリトレール」も,受けねらいというコンセプトは同じですもんね.
熊本ではユーモアのセンスがストレートなんです.
愛すべき肥後もっこすのセンスなのかな.

「5年3組リョウタ組」石田衣良

2009年08月06日 09時32分46秒 | 読書


素晴らしい本でした.
リョウタというのは,主人公「中道良太」先生,つまり物語の舞台となる「希望の丘小学校5年3組」の担任の先生の名前です.
この先生,茶髪だし,ネックレスしてるし,何でもいいかげんだけど,自分を飾るということをしないで,いつでも正直にものを言う性格.
生徒達と同じ目線でものを考え,彼らが悩んでいることを本能的に感じ取り,心の中にスッと入っていくという「才能」を持っている.
彼のクラスでは,いろいろな困った事件が起こるのだけど,なぜか,事件のたびにクラスの結束が固まっていくことになる.

リョウタ先生には,ドラエモンで言えば「できすぎ君」のようなかっこよくて頭の良い染谷先生と,年上だけど素敵な女性教師山岸真由子先生が脇を固めてくれ,お互いに助けあいながら,困難に立ち向かいます.
リョウタ君のまゆこ先生への密かなロマンスも,隠し味になっていて,微笑ましい.

あまりにさわやか過ぎて,世の中こんなにうまくは行かないよという,突っ込みはありそうですが,なぜか心にジンと来るエピソードの連続です.

4つのストーリーからなる短編集の形ですが,舞台も登場人物もほぼ共通.

私が一番感動したのは,最初の「4月の嵐」かな.

公認会計士であり家庭では絶対的な権力を振るう父親から,過剰な期待をかけられ,押しつぶされそうになる小学生「元也」を必死に守ろうとするリョウタ君の奮闘劇です.

父親からのひどすぎる叱咤激励のため心身症になってしまう元也君.しかし,父親は,元也の不調の原因は本人の弱さにあると主張してゆずらない.

このままでは元也がだめになると思ったリョウタは,思い切った行動に出るのです.

これが泣かせる.

物語の最後にリョウタが元也に語るセリフがいいですよ.

「強い人は弱い人の気持ちを考えて上げなくては.」
強い人とは元也君本人.
弱い人が,父親.
逆じゃないですよ.
さらに,「弱い人は自分を変えられないし,相手の気持ちになることも出来ない.だから,先に気が付いた方が,相手のことを守って上げるんだ」

つまり,父親から逃げたり,反発したりするのじゃなく,一見強そうな父親が,実は弱い人だから,「元也君,強い君がお父さんを守ってね.」
という,話に持っていくんです.
これは,すごいですよ.
現実に可能か否かは別として,このような教育方法は聞いたことがないし,実に新鮮です.

このくだりには文章に赤い線を引きたくなります.

石田衣良さんといえば,池袋ウエストゲートパークシリーズが有名ですし,恋愛小説も得意にしてますが,小学生の心根を語るセリフも,なかなかのものです.
そういえば,10代(中学生)の幼い青春を描いた「4ティーン」がありましたね.これで直木賞とったしね.若い人の感性を描くのもうまいはずです.

石田さんの小説に共通しているのは,読後感が非常にさわやかということ.

面白いけど,いやな気分が残る小説もありますね.その方が社会性がある,なんていう評になるもんだから...

でも,本当の社会性とは,こういう心の気付き,つまり哲学を教えてくれることだと思います.


「サマータイムマシンブルース」DVD

2009年08月03日 11時13分03秒 | 映画・DVD


青春ラブコメSFハチャメチャファンタジー!
しかし,ちゃんとつじつまが合ってる.ってところが不思議にも面白い.
物語の組立ては,内田けんじ監督「運命じゃない人」っぽいしかけもあるけど,軸がやはり青春なんだな.
「運命じゃない人」ほど,組立ての緻密さと求心力はなくて,もう少しゆるい感じがするけど,上野樹里ちゃんのかわいさに免じて「合格」.
物語は,ある大学のSF同好会の部室に突如現れた奇妙な機械,タイムマシンと,それを操縦してやって来た,さえない未来の大学生が引き起こす,ドタバタストーリー.
ただ,物語全編にわたって,結構周到な伏線が張り巡らされていて,気を抜くと,あれれ?と騙される.侮れません.よくできてる.
タイムマシンものと言うと,時間のパラドックスで,物語があっち行ったりこっち行ったりするってのが多いけど,この映画はストーリーは一本にきちんと集約されている.
たぶん,相当知恵を絞ったか,この手の考察が得意なあったまいい人がブレーンにいるのかなって気がする.
ある意味,運命論者的な展開です.つまり,たとえタイムマシンがあって,過去を変えようとして過去に行って何かをしても,その過去には,現在から来た人がやったことが起こったものとして,今の現在があるのだ,っていうこと.わかります?
パラレルワールドとは全く反対の立場ですね.

私はパラレルワールドは胡散臭いと思っていたので,この映画の考え方の方が,ずっと素直でわかりやすいです.

内田けんじ監督の求心力には及ぶべくもないけど,まあまあ良い感じですね.