書く仕事

ご訪問ありがとう!!ミステリー小説の感想を中心に,読書,日々の雑感,映画の感想等を書き散らかしています.

芦辺 拓 氏著「死体の冷めないうちに」

2006年01月30日 22時17分27秒 | 読書
さわやか系短編推理小説とでもいいましょうか.
知的なゲーム感覚にあふれた楽しく読めるミステリーです.
いやみな後味が一切残りません.純粋にエンターテイメントして楽しめますね.
7編からなる短編集ですが,いずれも支倉(はぜくら)警部が主人公となる連作となっています.
第1話の犯人が後の話でも復活して,犯人として登場しますので,第1話から順番に読むことをお勧めします.エチケットのためストーリは控えますね.
読んでいて楽しくなるというのが,一番の感想です.
推理小説で用いられるテクニックや手法が1話ごとに手を変え品を変え登場するので,まるでミステリーの博物館を歩いているような感じで,うきうきして来ます.疲れている頭にもすんなりと入ってくるので,残業に疲れたお父さんにいかがでしょうか?

午前様

2006年01月28日 12時34分34秒 | 日記
昨日の昼過ぎに大学のI教授から内線電話が入りまして,「今晩ご予定は入ってますか?」と打診.
「いえいえ何も入ってません」と,いつもどおりのご返事をいたしました.
「去年の卒業生が,出張のついでに大学に遊びに来ているので飲みに行きますが,ご一緒にいかがですか?」とのこと.
断る理由は全く無いので,二つ返事で「OK」.
I教授,卒業生S君,いつものメンバーのT教授とM教授,それに私,あっ私だけ助教授です.つまり,S君に次いで2番目に若い.関係ないか><
繁華街にある全国チェーン店「日本海庄や」で軽く一次会.
二次会は近くのスナックPでカラオケ,私は「白いブランコ」と「ひまわり」を熱唱.だれも聞いていなかったけど.でも,不思議と曲が終わると拍手はきます.
三次会(この辺から記憶がややファジーに...)はスナックMだったと思います.ここでお店のおねえさまと「銀恋」をデュエットしたような記憶があります.
四次会は,たぶん,スナックE.
そうだっ,ちょっと思い出した.このスナックEのママさんの一人娘が今,近県のS大学の3年生で,将来は大学院に進学して研究者になりたいと言っているらしい.母親として心配らしく,いろいろとアドバイスを求められて,答えた記憶があるんです.
がっ,しかし,...どんな質問を受けて,それにどう答えたか全く覚えとらんのです.
う~ん.やばい.
妙な答えをしてなければいいが...
まあ,相手もプロだからこっちが酔っ払っていることは承知のはずだし,...
でもちょっと気になるなあ.
今度行ったとき聞いてみようかなあ?...って,どう聞けばいいんだよ?
帰宅はAM3時でした.

ホリエモン逮捕

2006年01月24日 22時28分36秒 | 日記
個人的には,ホリエモンファンです.
テレビとかで話してるのを聞いてると,筋が通っているんですよ.
独善的な思い込みもないし,どちらかというと,サラッと生きている気がする.いわゆる成金的なクサみがないんですよね.
たとえマネーゲームと言われようが虚業と言われようが,自分の実力だけで勝負してきているじゃないですか.
実力といっても,政治家みたいに押しの強さとか相手をねじ伏せる力ではなくて,正しいスイッチを押す能力っていう感じかな,それがあったから連続正解でお金がたまったみたいな.
つまり,自分の才能を生かして,マネーを増やしたということですね.
そういう意味で,実業家というより,芸術家とか囲碁将棋の名人みたいな形で財を成したのに近い気がするんだなあ.松下幸之助より羽生名人に近いというと少しずれてるかもしれませんが,感覚的にはそう思えます.
ライブドアの社長日記をみていると,彼の日記に対するコメントが,昨日1日で6570件ですよ.6570件!!!!!.中身を見てみると,8割くらいが応援メッセージです.2割くらい悪口が書いてある.たぶんコメントを残すのは若い人が多いと思うので(根拠はないですが),多くの若者が彼の生き方に共感というのか,理解を示しているようです.
「信じていますが,もし本当に悪いことをしたなら,ちゃんと償ってから,またやり直して下さいね」って言うのがコメントの大勢ですね.
でも,テレビの報道を見ていると,「これを戒めにして,若い人は地道に働いてほしい」的な高齢者の発言が多いです.明らかに世代間でズレが感じられます.
風雲児だと思いますね.
例えば,プロ野球が改革され人気を取り戻しつつあるのは,古田敦也前選手会長の力もありますが,きっかけを作ったのはホリエモンと三木谷楽天との東北対決だったし,フジ買収劇では日本のM&Aにおける法律上の欠陥を明らかにして,法体系の見直しのきっかけを与えてくれました.
考えてみればすごいことをやってきているんですよ,この御仁は.単なるマネーゲーマーではありません.ホリエモンが気付いて切り込んできたのは今の日本の弱点そのものなんです.
旧態依然としたモラルと体制に守られた危ういお城なんですね日本は.
これに気付かないと政治も司法も誤った判断をしてしまうような気がします.
いかんいかん,ちょっとオーバーヒートしました.
頭を冷やすために焼酎ロックで一杯やろうっと.
( ^^)/▽

ヒヤヒヤの早寝

2006年01月18日 22時50分34秒 | 日記
気力で風邪を撃退?!
昨日,帰宅してから何となく節々が痛くなり頭が「ズーン」と重くなりまして,そのうち鼻水も出てくる始末.

こりゃ風邪か,最悪インフルエンザかも,と正直ビビリました.
実は長男が大学受験で今試験勉強の真っ最中.
今週末はセンター試験もあるし,今私がインフルエンザにでもかかって,長男にうつしでもしたら,こりゃ一生うらまれるゾと思い,風邪のせいだけでなく背中がぞっとしました.
そこで,8時には布団に入り,念仏のように治れ治れ,と念じつつ寝ました.
すると,それが功を奏してか,今朝は症状も消え,今日は普通に仕事できました.ホッとしました.ほんとによかった.誰にもうつしていないといいんですが.

瀬名秀明氏著「デカルトの密室」

2006年01月16日 00時33分02秒 | 読書
哲学ミステリーとでもいいましょうか?
人間は物心ついてから死ぬまで,自分という意識を持ち続けて一生を送りますね.
本を読む,コーヒーを飲む,デートをする,仕事をする,常に主語として「自分」を意識して生活しています.
もちろん眠ってる間は一時的に意識を失っているのでしょうが,目覚めればまた自分という意識を取り戻し,昨日までの自分と同じ自分がここにいると信じて今日を暮らしています.
自分が突然他人の意識になることはない.気が付いたら自分が赤の他人になっていたということは統合失調症でもない限り,一生無いわけです.
しかし,例えば宗教的な儀式,例えば仏教のお葬式とか,キリスト教のミサとかを見ていると,なんとなく精神と肉体は別のもので,生物としての人間という物体に人間の精神(心,魂)が「宿っている」という暗黙の考え方があるような気がしますよね.
ならば,なぜ,人間は一生の間,「同じ」自分の精神しか自分の肉体に宿らないのだろうという疑問が起きてきます.精神と肉体が別物ならときどき交換が起こるということがあってもおかしくないのでは?という疑問です.精神と肉体は別物なのか?あるいは不可分なもの,一体のものか?もし,不可分なものなら,肉体が死んでしまえば精神も滅びてしまうわけで,お葬式などまるで意味が無いわけですね.
「自分」という意識は,一体何なのか.それは肉体とは別に存在する「物質」か?それとも,肉体とは不可分のもの,あるいは肉体の,特に脳の中の電気信号の活動が生み出す幻影なのか.

このような疑問自体は多くの人が気付き,不思議に思いながらも日常の雑事にかまけて,普段は忘れて暮らしているのですよね.
前置きが長くなっちゃいましたが,この小説は,この疑問を真正面に問いかけたミステリー小説です.だから,上に述べた自分という意識の存在(存在しないかもしれないけど)に疑問を感じない人にとっては,たぶん退屈以外の何物でもない読み物だと思います.
しかし,一度でもそういう疑問を感じたことのある人,例えば,人が死ぬと,その人の自意識はどこに行っちゃうのかな?と思ったことのある人には,たまらなくスリリングな,どきどきする時間を提供してくれます.
こういう話題って,ある人の説を一方的に聞くだけでは,いくらその説が正しくても飽きてしまいますよね.この小説ではそれを避けるために,主人公である大学教授兼作家と,知能をもったロボットとが,意識をテーマとして,丁々発止の議論をすることで物語を進行させていきます.
この方法をとることで,議論の勝った/負けたという興味が,意識に関する哲学的な知見を飽きさせることなく,読者の「意識」に吸収させることができるのですね.
文章力というか,構成力っていうんですかね?こういう力量のこと.すごいのひとことですね.
だいぶ前に「ソフィーの世界」という哲学ファンタジー小説がベストセラーになりましたが,あの本に夢中になった人は,間違いなくこの「デカルトの密室」にハマってしまうと思います.
あと蛇足ですが,瀬名秀明氏は,かのベストセラー小説「パラサイトイブ」の原作者です.
もうひとつ,この本はある程度,体力的に充実しているときに読むことをお勧めします.疲れているときはちょっときついかな?

サラ・ブライトマン「CLASSICS」(東芝EMI)

2006年01月12日 23時56分27秒 | 音楽
こっ,これはっ!? この歌声は?
実は,タモリじゃないけど,オペラって嫌いだったんです.
ミュージカルも同じ.
だって,普通にせりふしゃべっていて,それが突然歌に変わるって,生理的におかしいいじゃないですか?
でも,このCD聞いて,気が変わりました.
感動してしまったんです.
この声を聞いて,何か?と問われれば,ソプラノとしか答えようが無いのですが,違うんです.
違う,違う...ただのソプラノではない...
ええいっ,もどかしい,
というか自分の文章の表現力の無さに嫌気がさしてしまいます,うっうっ.
そうですね,あえて無謀な例えをするなら...
野球なんて単に棒っ切れでボールをひっぱたいて走るだけのスポーツだと思っていた男がいるとします.
その男が,メジャーリーガー イチローのスーパーキャッチや矢のような返球を見て,「あっ,あのプレーはいったい何なんだ?」
「あれこそが野球なのか?俺が今まで考えていた野球って...」
といって,うなだれている.
そんな気持ちとでも,言いましょうか?

「Time to say goodbye」は自動車のCMにも使われたのでご記憶の方も多いと思いますが,ちゃんとハイファイで(古っ!!)聞くと格別の感動が湧き上がってきます.
私のお気に入りは,「私のお父さん」プッチーニのオペラ内のアリアです.これが気持ちいいです.
「うっとりする」という表現がぴたりとくる曲&歌唱です.
ボーナストラックとして入っている「あたりは沈黙に閉ざされ」(ドニゼッティとかいう人のオペラ内のアリア)もすばらしいです.
「私のお父さん」がうっとりなら,この曲は「聞いていると自然に体が踊りだしてしまう」ような感じです.
クラシックなんて,オペラなんてと思ってらっしゃるあなた,このCDはお勧めです.
クラシックとかオペラに対するイメージを覆してくれることうけあいです.

お正月も終わっちゃいました.

2006年01月09日 22時08分48秒 | 日記
男二人のお正月.暗っ!!

例年ですと,一家4人で,カミさんの実家でお正月を迎えることが多いのですが,今年は,長男が大学受験でヒーヒー言って勉強しているので,静かに我が家で年を越しました.
といっても,長女はまだ小学生で,冬休みに一回はどこかに連れて行かないとグレますので,5日~7日はカミさんが帰省を兼ねて「都会」に連れて行き,あちこち遊びまわったようです.
私は,我が家で長男のお守り役です.食事,洗濯,そして掃除とひととおり主夫業をし,その合間に大学の仕事をしたり,好きな本を読んだり...
タイトルには,「暗っ」と書きましたが,本音はまんざらでもないです.
というのは,普段は,自分自身のプライベートな時間ってほとんど作れないんですよね.
実はこのブログ書くのも,時間作るの結構大変なんです.だけど,この3日間は,息子は自室にこもって勉強しているので,私としては,家事さえ終わらせば,「残り全部が自分の時間!!!!!」なんですよ.
ま,これがずっとだと寂しいんでしょうけどね.たまには,いいですね.月に1回くらいあってもいいかな?ごめんね,妻&娘.
もっとも,カミさんの方もそう思っている可能性大だな.うん.

えっ?あのイチローが?

2006年01月07日 10時07分36秒 | テレビ
テレビドラマはあんまり見ないんですが,これは見ちゃいました.
そう,1月4日の古畑任三郎.
古畑任三郎シリーズは,最初に犯人がわかっていて,あとで刑事が証拠を集めて徐々に犯人を追い詰めていくというパターンですね.
いわゆる,倒叙ものです.刑事コロンボもそう.「樽」で有名なクロフツなんかもそうですね.
で,とにかくイチローがカッコいい.イチロー自身の役柄で,メジャーリーガーとして出演しています.
腹違いの兄の苦境を救うために殺人まで犯してしまう役ですが,悲壮感はあまりなく,ゲームを演じている感があります.でも,古畑任三郎シリーズ自体がそういうコンセプトだからしかたないです.
オフに帰国し,記者会見の前のわずかな時間を使って殺人を犯します.完璧なアリバイを用意したつもりがわずかなミスを古畑警部補に見つけられ,徐々に追い詰められていきます.
イチロー自身が熱狂的な古畑ファンでDVDも持っているそうです.緊張のせいか,一部のせりふにぎこちなさがありましたが,概ね立派な演技だったと思います.
何より,共演者,スタッフ皆がイチローの出演に感激し,わくわくしながら作品を作り上げている様子がうかがわれて,こちらも楽しい気分にさせてもらえたことがよかったです.