書く仕事

ご訪問ありがとう!!ミステリー小説の感想を中心に,読書,日々の雑感,映画の感想等を書き散らかしています.

人と話すということ

2008年06月26日 12時23分38秒 | 日記
学部の卒論生は毎年入れ替わります.
だから,毎年,彼らに対して,4月は私の研究の概要説明から始めなければなりません.
でも,これがなかなか面白い.

同じくらいの成績の学生に,同じ説明をしても,スイッと理解するものもいれば,キョトンとして,スワヒリ語講座を聞いていたような顔をするものもいる.
そのままではまずいので,こちらは手を変え品を変えいろいろな角度から説明をします.
そうすると,こちらの方が,「あ,そうか.そういうことだったのか」と,逆に気がつくこともあるのですよ.

そういうことって,日常の会話の中でもよくありますよ.
自分では意識していなかったことなのに,質問されてそれに答えるプロセスの中で頭が整理されて,「こういうことなんだ」ということが明確になることってしょっちゅうあります.

別に学問的なことを言っているんじゃあないんですよ.
たわいもないこと,だけど,結構大事なこと.


卒論生が,履歴書の書き方,特に志望動機の作文ができなくて相談に来ます.

最初は,「え,そんなの知らないよ」と思いもしましたが,しぶしぶ対応しているうちに,待てよと,ふと思ったのは,自分が企業の人事の採用担当だとしたら,どんな文章だったら,気に入るかという視点で文章を考えてみたのです.

そこまで,思いが到れば,あとは簡単なんですね.
その企業のホームページを見れば,その企業が「自慢したがっている」技術やサービスを2つ,3つ拾い出すのは簡単,その内容と自分の卒業研究の内容を結びつけ,「貴社の○○システムは,△△の面で社会に貢献するものであり,すばらしいと思う.自分もそのような仕事に取り組んでみたい.卒業研究で取り組んでいる,××の専門知識がこれに応用できるので,是非貴社で仕事をしたいと思った.」
というような作文をすればいいわけですね.

以前の私はそんなこと考えても見なかったので,そういうプロセスを発見することは楽しいものです.

人と話すことというのは,人に語りかけると同時に,自分にも語りかけているのですね