書く仕事

ご訪問ありがとう!!ミステリー小説の感想を中心に,読書,日々の雑感,映画の感想等を書き散らかしています.

「心霊探偵・八雲 赤い瞳は知っている 」神永 学

2008年01月22日 22時53分14秒 | 読書

「MARC」データベースによると...
見えないものが見えるほど、恐ろしいことはない…。死者の魂を見ることのできる男・斉藤八雲。彼の赤い瞳が、次々に起こる殺人事件に挑む。新感覚のハイスピードミステリー。2003年刊「赤い隻眼」の改題改訂。

これじゃ何にもわからないですね.
主人公は,生まれたときから左目が真っ赤で,この目で死者を見る事ができる若者・斉藤八雲と,彼に反発しながらも,惹かれていく女子大生・晴香の二人.

これに八雲の超能力を頼りつつ,彼のことを見守る刑事や,八雲の育ての父が絡みつつ,難事件を解決するというストーリー.

八雲・晴香は,シャーロックホームズやエラリークイーンのような,第三者的な立場でなく常に事件に巻き込まれる形で,身の危険を伴いつつ関係させられていくので,ハラハラ度はかなり高いです.

題名が示すように,幽霊が出てくるのですが,いわゆるオカルトもののように,呪いをかけるとか,とりつくとかいう恐ろしいものとしてではなく,むしろ生き残った人に身の危険を知らせたり,犯人を示唆するような,「穏やかな」存在として描かれています.

犯人がまた,憎らしいというか,極悪人として描かれているので,こんなやつ,呪い殺してやれ!,と思うのですが,幽霊さんは,そこまでの力はないようなのです.

ちょっと歯がゆいような大人しい幽霊が出てきますが,八雲はその存在を見ることと会話をすることができ,そこから得た情報で真犯人を捕まえ,事件を解決するのです.

3つの中篇からなっていますが,いずれも晴香が危ないところで八雲が助けるという展開です.

主人公が死ぬわけないと分かっていても,ハラハラさせるテクニックはなかなかのもの.

たっぷりと楽しませていただきました.

私はこの本を知らなかったのですが,シリーズ化されており,10冊くらいはでているようです.

また,映画化,コミック化,テレビドラマ化もされていました.
おやおや,知らなかったなあ.

また,新しいシリーズに首を突っ込んでしまった.
やれやれ.

人参ドロボー

2008年01月20日 13時19分26秒 | 日記


我が家の家庭菜園に,ついにドロボウが...
かみさんが入れ込んでいる家庭菜園は,熊本市が提供している公共の賃貸菜園です.
賃貸といっても,ただ同然の値段ですけど.

その家庭菜園でのうわさで,最近収穫物を勝手に持っていく,つまり,ドロボーですな,が増えているとのことでした.

しかし,他のベテランの菜園主に比べれば,うちのかみさんはなにぶんにも素人だし,収穫物の出来というか,見かけからして違うので,ドロボウもうちの菜園は素通りしているようでした.最近までは...

しかし,ついにやられたのです.
被害にあったのは,「人参」数本.
たしかに,今年の人参は出来がよかった.
味も美味しいと思っていました.

出来がいいと思っていたのは,私だけではなくて,ドロボウさんも同じだったようで,早速持っていかれたというわけです.

悔しいのは悔しいですが,ドロボウからも認められたと言うことで,かみさんにしてみれば痛し痒しというところ?

写真は,被害からまぬがれた1本です.
手は,長女.

寒い寒い冬の日の出来事でした.

「パーフェクトプラン」柳原慧

2008年01月15日 21時48分26秒 | 読書

著者名は「やなぎはら けい」と読むそうです.
第2回このミス大賞受賞作です.

賞をとった時の作品の題名は「夜の河にすべてを流せ」でしたが,それに加筆した作品がこれ.
面白いですよこれは.
新しいです.今どきのノンストップ小説というのか.

ひとことでいうと「誘拐ミステリー」なんですが...

まず,確かに子供が誘拐されるのですが,身代金の要求は無し.
犯人は,子供の父親に,身代金の代わりに,あるメールを送りつける.
実に親しげに,好意的に...
そして,誰も傷つけることなく,5億円をせしめてしまうのです.
ある方法でね.

最近,世間を騒がす事象が,これでもかという感じで登場します.

ネットトレーディング,代理母,コンピュータウイルス,ES細胞

なんじゃ,これはって感じです.

しかし,これらが巧みに,有機的に繋がっている.

ふむふむ,そういう手があったか!って思わされます.

実は,狂言回しというか,真の黒幕と言うか,悪いやつが隠れているのですが,これがまた,いまどきのやつなのですよ.詳しくは言えませんがね.

いまどきの仕事をしている人は,自分の得意分野が出てくれば,くっくっと笑いながら読めるかも.

そうそう,最近のニュースを見ていて思ったのです.
「事実は小説より奇なり」と.
というのは,京都大学の山中教授のチームが皮膚の細胞から万能細胞を作り出すことに成功したというニュースで持ちきりですよね.
実はこの事実が先にあれば,この「パーフェクトプラン」は書かれることはなかったのです.

なぜかという詳しい理由は読んでからのお楽しみですが,かいつまんで言うと,万能細胞は,今までの常識では受精卵からしか作れないと思われていたわけです.
受精卵はこれから,人間の体のあらゆる部位になっていくわけですから,そう思うのも自然ですよね.
しかし,同時に受精卵を必要とするために,本来,これから人間になるはずの細胞を一部の内臓や組織を取り出すためだけに使うということで,倫理的な問題を内部にはらんでしまうわけです.
移植を想定すると,他人の受精卵からできた組織を使えば,拒絶反応だっておきるし,問題はいろいろある.
しかし,人間の皮膚という一組織から万能細胞を作れれば,自分専用のものが作れるから倫理上も拒否反応も一気にクリアできるわけです.
つまり,山中教授らの成果が如何に素晴らしいものかと言うことですね.

これが事実は小説より奇なりという理由です.

しかし,それはそれで置いておきましょう.

この小説の面白さは,他にもいろいろありますから.
例えば,意識してか否かはわかりませんが,場面転換が劇画的なんです.
その場の主役や語り部が,一瞬でガラリと変わる.

ノンストップ小説と評される理由もここにありそうです.

この方の他の小説も読んでみたいですね.

エースと4番が...

2008年01月11日 20時55分34秒 | 野球
かれこれ20年間スワローズファンをやっております.
今年は高田新監督のもと,若返りを図った新生スワローズに期待がかかるところですが...それにしても,これってひどくないですか?
Gのやり方ですよ.
エース・グライシンガーと,4番のラミちゃんが,G軍へ行っちゃうわけですよ.
G軍はベイスターズの守護神クルーンも引き抜いちゃってますよね.
よそのチームの4番とエース持って行くなんて...

理屈じゃなく,明らかにおかしいでしょう.
企業にも独占禁止法というのがあるのに,なぜ野球界にはないのか?

新人に関してはドラフト制度で,公正な(ちょっと?もあるけど)ルールで縛っておきながら,現役選手の再配置については,金次第ではないですか.
絶対おかしいです.

なぜ,誰もこんなやり方を批判しないのかなあ.
やはり,ナベツネが怖いのか?
後ろに大物政治家がいるから?

読売新聞は身内だからし方ないけど,他の新聞はなぜ,こんな銭ババ戦略を批判しないのでしょうか?
おい,朝日新聞,こういうときこそ,君の批判精神を発揮してくれたまえ.
頼むから!

今日あたり,カレー?

2008年01月08日 20時44分52秒 | 日記
おせちも飽き,七草粥も食べると,食べたくなるのが...カレー.
今日あたり,カレーのおうちが多いのではないでしょうか?
実は,我が家もカレーでした.

チャリで帰宅し,アパートの階段を登ろうとすると,プーンとカレーの匂い.
うまそう...と思いましたが,我が家の換気扇は建物の反対側にあるので,よそのうちだな,と思いつつ,ドアを開けるとやはりカレーの匂い.

で,上のようなことを思ったというしだいです.
この2,3日は,日本全国のカレー率は普段の数倍あるかもしれませんね.

お宅のメニューはカレーですか?

七草セット

2008年01月07日 10時36分23秒 | 日記
今日,朝食に七草粥をいただきました.
ところで...





こんなものがあるのですね.
知りませんでした.
これなら,少人数の家族でも,本当に7種類の七草が入った七草粥を食べられますね.

もう7日,お正月気分もそろそろ脱出しないといけません.
あ,うちの大学は9日からなんです.
明日8日は,休日出勤して,机の上とメールの整理をやってきます.

内心の忸怩たるもの

2008年01月04日 21時16分52秒 | 日記
大学の先生をやってると,いい面もありますが,困ることもあります.
その最たるものは,「まじめな人」だと,勝手に思われること.

こっちは冗談も言うし,小島よしおの真似だってする,変なおやじなんです.

だから,初対面の人でなくても,話の流れでこちらが駄洒落を言ったりすると,
「えっ...」という感じで思い切り寒い空気が吹き込んでくる.

哀しいです.

まじめなだけの人間なんて面白くもなんとも無いじゃないですかあ!
駄洒落だって言わせてほしいですよ.

なんてことを考えながら,「ほぼ日刊イトイ新聞」を見ていたら,面白い対談を見つけました.
イトイ編集長とタモリさんの対談なんですが,そこに私の心の琴線をかき鳴らすひと言がありました.
タモリさんは,幼稚園児のときに既に人の偽善について見抜いていたという話のくだりなんですが,
タモリ「ちゃんとしたことに対する嫌悪感があるのかもしれませんね」
イトイ「ちゃんとしてるように見えることって、ほんとうは怪しいじゃないかってことでしょ?」
ピンポーン!!!
このやり取り.
まさに至言.

「ちゃんとしたこと」こそが胡散臭いのです.
一見まじめ&正論,しかし,そこには人間らしさのかけらもなく,単なる論理で相手を追い込もうとする,いわばいじめにも通じる論理が感じられる.

対談の中で,語られた例としては,人前で自己紹介するときに,
「えー、ワタクシ、本日のクラス会に来るとき、
 3つのことを考えて来ました」とか,いう出だしで話し始める人いますよね.
胡散臭くないですか?
それに対するイトイ編集長のコメントがおかしい!
イトイ「そこんちには、あんまり婿入りしたくないなぁという感じですね(笑)。 」

ですよね.ははは.

私に言わせれば,「おい,じゃあ家を出る時に,今日は3つで行こうと決めてたんじゃねえのかい?」
と言いたくなります.

新聞なんか読んでも,そういう印象の記事ばかり.
違うだろ!と突っ込みたくなります.
例えば,地元のK新聞に,例の新テロ対策特措法で,海上自衛隊の給油の対象を,対テロ活動の船舶に限定することを,米国が拒否しているという記事が出ています.
民主党の皆さんが喜んで飛びつきそうな内容ですね.
でも,記事のスタンスは『米国が強硬な態度を取っている』という政治的な内容に終始し,「実際問題として,給油の対象を限定できるか否か」について,現実的な観点での論評は一切なされていません.
考えて見てください.仮に対テロに限定して,ある駆逐艦が給油を受けてしまうと,その駆逐艦はその後,その燃料がなくなるまで,イラクやその他の作戦に繰り入れることができなくなるわけですよ.
もし,インドネシアやキューバで緊急事態が起こっても,その駆逐艦はインド洋からは動けないわけですよ.
そんなことをアメリカが承認できるわけ無いじゃないですか?
そんな,素人でもわかるようなことがなぜ一切論じられないのか?
おかしいですよ,絶対.

いかん,ちょっと興奮してしまった.
話を戻しますと,世間から見た大学の先生のイメージは,いつもまじめで,「ちゃんとしたこと」しか言わない人,なんです.
違うんですよ,実際は.
私の周りの先生方を見ても,変な人ばっかり.
もちろん,愛すべきキャラクターの方ばかり.
この胸の内,分かってほしいなあ

年の初めに

2008年01月02日 19時07分47秒 | 日記
皆さんあけましておめでとうございます.
2007年は,私にとっては,仕事の面でちょっと変革の年でした.
誤解を恐れずに書くならば,いろいろな意味で大学の側面・裏面を見る事ができました.
政治でも,会社経営でも同じでしょうが,建前だけで物事は進みません.
ものごとには必ず裏があり,本当に大事なことは表には出てこないものです.

私もこの年になって,大学だけでなく,いろいろなものごとの裏の面を見てきました.
そうすると,新聞やテレビのニュースで伝えられる情報がいかに薄っぺらいものであるかがよくわかります.

本当に大事なことは何か?真実はどこにあるのか?
私が気がついた範囲でしかありませんが,このブログで語っていこうと思います.

ただし,そういう話題はあくまで,ブログの話題のone of them.

小説,映画,音楽などエンターテイメントの話題や,旅行・出張報告も大いに取り上げて行きますので,皆さんの暖かいコメントをお待ちしております.

今年もどうぞよろしくお願いいたします.