書く仕事

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「ホテルパラダイス銀河」加藤実秋

2020年12月04日 22時57分44秒 | 読書
「ホテルパラダイス銀河」加藤実秋


「みあき」と読む.
初めて見る名前です.
テレビドラマ化された「インディゴの夜」の原作者だそうだ.

東京は上野にある伝統あるビジネスホテル"ホテルパラダイス銀河"が舞台.
このホテル,ただ泊まるだけでなくて,よろず身の上相談もできるという評判が立っている.
ホテルのオーナーが,お客様の悩みやトラブルの相談に乗ることも,業務の一環として従業員たちに命じているのだという.
中でも,この物語の主人公である西島京志(きよし)君は気の弱そうな大学生バイトながら,周りの人の助けも借りながら,いつの間にかお客の悩みを解決してしまうという秘めた能力の持ち主でもある.

はじめのうちは,石田衣良の池袋ウエストゲートパーク(IWGP)シリーズを思わせるトラブルシューティング中心の物語かと思ったけど,主人公と,ホテルのオーナーや支配人との不思議な縁が浮かび上がるにつれ,ミステリーの要素が濃くなっていく.
一体この人たち何者?という謎が読者の興味を掻き立てます.

なかなかよく出来た設定で,最後で一気にジグゾーのピースがハマっていくのは快感だ.

従業員の若い女の子との淡い恋心も,続編を期待させる.