書く仕事

ご訪問ありがとう!!ミステリー小説の感想を中心に,読書,日々の雑感,映画の感想等を書き散らかしています.

「遊園地に行こう!」真保 裕一

2016年06月30日 00時42分07秒 | 読書
「遊園地に行こう!」真保 裕一



子供たち、いや大人にも夢を売るテーマパークが舞台の、青春群像&ミステリー

「海猿」や「踊る大捜査線」のテイストをディズニーランドに振りかけるとこんな本ができた?

夢を語るセリフは還暦過ぎた私には、やや芝居がかって見えるが、まあ許容範囲内。

一方、いやな奴のキャラクターの表現は本当にうまい。
こんな奴が近くにいたら、ストレスで胃に穴が開くだろう。
それぐらい、悪人の表現がうまい。

一言でいえば、ザ・エンタテーメント
ですね。

「夜明けの街で」 東野圭吾

2016年06月21日 12時30分51秒 | 読書
「夜明けの街で」 東野圭吾



平凡な家庭持ちのサラリーマンが,同じ職場で働き始めた派遣社員の女性と仲良くなり,不倫に陥ってしまう.

しかし,夢のような日々の中で,悪夢のような事実を知る.
その不倫相手の女性は15年前に起きていた,ある不幸な殺人事件の容疑者だった.

彼女を愛しく思う気持ちと,疑う気持ちの間で激しく揺れる彼の気持ち.

さすが,東野圭吾さん.「不倫もの」にもミステリーの要素がたっぷりと配合されてている.

不倫のドロドロと過去の謎が巧みに交差し,一気読みでした.

やはり,東野マジックですね.

旅のお供に最適.

それにしても,男は愚か,女は怖い.  ですね.

「あなたの人生、逆転させます: 新米療法士・美夢のメンタルクリニック日誌」 小笠原 慧

2016年06月18日 18時16分04秒 | 読書
「あなたの人生、逆転させます: 新米療法士・美夢のメンタルクリニック日誌」 小笠原 慧


心理療法士の資格を取れる大学院を修了し、とあるメンタルクリニックに就職を決めた森野美夢(みゆ)。
新米心理カウンセラーとしてのキャリアをスタートさせた美夢だが、彼女が担当するのは難しい患者ばかり。
精神科医で院長の奥田に見守られながら、様々な経験を積み成長していく美夢だった。

実は美夢自身も軽いメンタル障害を抱えており、自分の内面とも向き合いながら患者とも接する毎日だ。
つらい面もあるが、新たな発見も毎日のようにあり、無我夢中の人生を送る。

いやあ良いですね。

人が自分自身の悩みと向き合いながら、他人への思いやりを深めるという行為は、とても敬虔で慈愛に満ちた行為だと思う。
でも、それらの行為は、日々のつまらぬ悩みやいざこざに紛れているから、本人は尊い行為をしているという自覚は全くない。

作者の小笠原さんは医学部を卒業し、メンタルクリニックを開業している現役の精神科医なので、症例が具体的かつ詳しく、かつ誠実な印象を与える文章になっている。うさんくささは皆無だ。

自傷癖のある患者の描写は痛ましいくらい分かりやすい。

それにしても、本を読むということは素晴らしいことだと、改めて思う。

自分で学べば、10年くらいかかることを、表面的ながら、数時間の読書で知ることができる。

No book, no life である。

「憎悪のパレード 池袋ウエストゲートパークXI」 石田 衣良

2016年06月12日 22時40分16秒 | 読書
「憎悪のパレード 池袋ウエストゲートパークXI」 石田 衣良



池袋ウエストゲートパーク(IWGP)シリーズ第11作目

池袋駅西口公園近くの果物屋を営むマコトと,池袋を取り仕切るGボーイズのキング,タカシのダブルキャスト.

脱法ドラッグ,違法パチンコ詐欺,コ・ワーキングスペース,ヘイトスピーチ
時代を映す4つのテーマの短編集.

二人のコンビはますます快調だが,過去のIWGP作品に比べると,時代の色を反映しすぎて,本来のアクションやマコトの必死さが薄まっている感があるように思う.

マコトもタカシも年と共に,アッサリ感が増してしまったかな.
石田衣良が年取ったせいかもしれない.

時代のトレンド参考書としては秀逸.