書く仕事

ご訪問ありがとう!!ミステリー小説の感想を中心に,読書,日々の雑感,映画の感想等を書き散らかしています.

「タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら」 DVD

2016年09月24日 14時25分06秒 | 映画・DVD
「タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら」 DVD


これ最高!
大笑い!
ただし,スプラッターに免疫のない方は避けた方が良いかもしれません.

冴えない親友同士のタッカーとデイルは、少ない給料から貯金し,念願のボロ別荘を手に入れ、休暇を自分たちの山小屋で過ごそうと森へやって来た。
タッカーとデイルの二人は,外見サイコだが,実は気が良くて心優しい.

来る途中のドライブインで,二人は、同じ時にキャンプに来た生意気な名門私立の大学生グループに出会う.
しかし,見るからに怪しそうな二人は、人里離れた山に暮らす殺人鬼だと勘違いされる。

で,ここからがホラーとお笑いの二重奏.
偶然が重なって大学生グループが一人また一人と死んでいく.
この辺は,「ファイナルデットコースター」や「スクリーム」シリーズの死に方を踏襲していて,そこがまた笑わせる.

ある意味,彼らは自分から死に飛び込んでいるのだが,パッと見はタッカーとデイルがやっているように見えるわけね.

そんな大学生グループの中で,唯一,二人に保護された女子大生アリソンだけが,二人を理解しているが,彼女の説得もパニくッた大学生グループには通用せず,どっちがどっちを殺そうとしているのかわからないようなドタバタスプラッターが続いていく.

チェーンソ,電動のこぎり,粉砕機などのスプラッターツールがこれでもかという感じで活躍(?)する.

見終わった後は,笑いすぎて,お腹が一杯である.

チャック

2016年09月18日 21時35分21秒 | 映画・DVD
http://wwws.warnerbros.co.jp/chuck-dvd/mainsite/index.html




この2か月ほどで,全5シーズンのDVDを見ちゃいました.
ツタヤにこんなに通ったのは初めて.
正直言って,夢中になるほど面白いかと言われるとそうでもないのですよ.
でも,なぜか続きが気になって,次を借りているうちにいつの間にか,最終話まで行っちゃったという,かっぱえびせんのような作品.
家電量販店に勤める心優しきオタクのチャックに,なぜか偶然が重なって,CIAの秘密情報が脳内にインプットされてしまう.
その情報を保護するためにCIAから派遣されたのが,サラ・ウオーカー(かわいい!)と,NSAから派遣されたマッチョなおじさんケーシー.サラとケーシーは反目しあうが,やがて共同してチャックを守らざるを得なくなる.
そこに凶悪なテロ犯罪組織フルクラムがチャックの脳内データを狙ってやってくる.って,書いてるだけであほらしくなるようなストーリーなんだけど,これがまた,引き込まれちゃうんだな.
詳細は一番上のWEBページをどうぞ.

「清須会議」三谷幸喜原作・脚本・監督

2014年01月03日 23時42分19秒 | 映画・DVD
「清須会議」三谷幸喜原作・脚本・監督



なかなか面白かった.
本能寺の変で信長が討たれてから,羽柴秀吉・柴田勝家の両重鎮が,互いに信長亡き後の主導権を争う虚虚実実の駆け引きを,三谷幸喜独特のユーモアで描いた戦国時代劇.
といっても戦争シーンは全く出てこない.
ほとんどが,清須会議と呼ばれる評定のシーンと,その間に繰り広げられる宴会シーンや談合シーンで占められる.

最初は勝家の男らしさと秀吉のいやらしさが描かれるが,後半はむしろ,勝家の視野の狭さと秀吉の天下人への壮大な野心が中心となり,主客が逆転する.

随所に三谷節が現れて,会話を聞いているだけで楽しい.

また,「素敵な金縛り」の六兵衛さんが落ち武者姿で登場したのも三谷さんのユーモアだ.
さすがにこのシーンではあちこちで笑い声が聞こえた.

よくできたエンタメ戦国映画だ.

歴史の復習にもなるし,とにかく楽しい映画だった.

かみさんの提案で,一家4人で見に行った.
4人で映画を見るのは,もしかして初めて.

「カラスの親指」DVD版 伊藤匡史監督,阿部寛主演,道尾秀介原作

2013年12月30日 11時09分29秒 | 映画・DVD
「カラスの親指」DVD版 伊藤匡史監督,阿部寛主演,道尾秀介原作




推理小説では,一番犯人らしくないやつが犯人だ,というのが鉄則ですね.
しかし,それはそこに犯罪があって,誰かが犯人だということがはっきりしていればの話.

そもそも犯罪など存在しないかのようなお話だと,その鉄則も通用しないわけでね.

はい,あっさりと騙されてしまいました.

原作が道尾秀介さんだということを知れば,ああそうか,ということ.

人間ドラマとトリックとのバランスが難しい設定だが,うまくブレンドされている.
あっさりと騙された方が,この本の正しい読み方でしょう.

「アウトロー」トムクルーズ主演クリストファーマッカリー監督

2013年09月15日 22時19分18秒 | 映画・DVD
トムクルーズ主演のアクション+ミステリー,という表現には何の情報量もない.
つまり,このDVDを自分が見るべきか,見るべきでないかの判断材料が何も含まれていない.



という枕の後に次のような情報を示そう.

◇このDVDを見ると,なぜ,アメリカンヒーローという言葉があるかが分かる.
◇人殺しの場面を見て,こんな人間は殺されて当然だと,思う自分が怖くなる.
◇ヒロインがあまり美人じゃないのに,なぜか魅力的に見える.
◇犯人役の悪が大して強くないのが情けない.
◇2作目(シリーズ化)を期待したくなる.

もちろん,ディズニーも良いし,宮崎駿も良いよ.
でも,こういう作品なら,ハリウッドも悪くない.

やったね! 「アフタースクール」 がGYAOに登場

2012年09月11日 23時05分54秒 | 映画・DVD
アフタースクール

皆さん,「内田けんじ」という映画監督をご存知でしょうか?

おそらく若手の監督の中で,私が最も次回作を期待しているのが,この内田けんじ監督.

「ミステリー」+「ヒューマニズム」
つまり,「ドキドキ」と「涙」の両方を満足してくれる稀有な監督なのです.

「アフタースクール」は数年前の公開時に博多の映画館で見たきり,その後DVDでも見ていない.

そのうち,また見たいなあと思っていたら,ついにGYAOで無料視聴できることに.

うれしいなあ.

おそらく,内田けんじ監督の最新作「鍵泥棒のメソッド」の公開キャンペーンとして前作を無料化したのでしょう.

こちらの最新作も"絶対に"見に行きます.

さて,いつ行くかなあ.

貞子がバス停に

2012年06月21日 15時38分53秒 | 映画・DVD
これは怖いね


人気のないバス停でこの広告見てバスを待つのはいやですね.

さて,ホラー映画もいろいろありますが,邦画と洋画では怖さの質がかなり違う.

邦画ではホラーと言えば幽霊.つまり死者の魂とか怨念とかが主題となりますが,洋画ではモンスターつまり実体のある人間の敵として描かれる.

「エイリアン」とか「遊星からの物体X」とか.

「遊星からの物体X」は現代はそのものずばり「The Thing」
モノです.監督はあのジョンカーペンター.

この作品は,エイリアンほどヒットしませんでしたが,日本でもアメリカでもホラーとしての質の高さやそれまでにない斬新なアイデアに基づくSFXで熱狂的なファンがいるようです.

このThe Thing は1982年の公開ですが,私もごく最近知ったのですが,昨年つまり2011年にアメリカで続編(というかリメイクというか)が公開されています.

偶然YouTubeで見つけて通しで見ましたが,これもなかなかの出来のよう.
ストーリーとしては,後日談の逆,この続編のエンディングが第1作の「物体X」の導入部となっている,という設定.

ただ,日本では未公開ですし,その予定もないようです.

日本ではヒットしないと判断したか,それとも内容があまりにグロだからか?

「マスカレードホテル」東野圭吾

2012年03月24日 23時56分52秒 | 映画・DVD
「マスカレードホテル」東野圭吾




「東野圭吾作品に新たなヒーロー誕生」,がこの小説のキャッチフレーズ.
「新田浩介」がそのニューヒーロー.
「容疑者Xの献身」の湯川学,「新参者」の加賀恭一郎に続く,第3のヒーローです.

湯川が科学者,加賀が経験を積んだ刑事であるのに対し,この新田浩介はまだ駆け出しの警部補.

犯人逮捕に至るまでのプロセスも,前者の二人とは全く違います.

湯川は科学的知識を駆使して犯人を追い詰める手法を取り,加賀は人間の心理を深く読み解いて犯人の心情の分析から事件を解決します.

彼ら二人に共通しているのは,ある段階まで行くと,彼らには犯人と事件の全貌が見えていること.
しかし,周りの警察官や関係者には見えていない,そういうフェーズが必ず存在するのです.
つまり,この二人はシャーロックホームズであり,エラリークイーンなのね.

しかし,この新田クンは全く違う.読者と同じ目線で事件に引っ張りまわされる.

犯人からも,事件とは関係ない人々からも結構痛めつけられる.

しかし,事件の要所要所で鋭いひらめきを見せて,難問を一気に突破する.

しかし,その上を行く犯人はさらに難しい問題を残していく.

そうですね,むしろこの新田浩介君はダイハードのマクレーン刑事に近いかもしれない.
ストーリーはもちろん全く違いますけどね.暴力もないし.

この新田君,鋭い分析力を持ちながら,若気のいたりか,ちょっとしたことですぐイライラしたり,自分の手柄にこだわったり,まあなんと言うか「お子ちゃま」っぽいところがあり,そこがまた魅力にもなっている.

鋭いだけの天才捜査官じゃ息が詰まってしまいます.

単細胞な未熟さと,時折見せるひらめきのアンバランスな混在こそ,この新田浩介なるヒーローの魅力なのですよ.

一流ホテルのフロント係である山岸尚美は,ホテルマンの鏡ともいえる役どころをこなしつつ,ひょんな縁で新田君とコンビを組むことになるが,しばしば激しく対立し,そして,...
おっと,これくらいにしておきましょう.

題名のマスカレードは,ご存知の通り,仮面舞踏会の意味です.

舞台である一流ホテルに訪れるお客は本来の自分ではなく,何かの仮面をまとってフロントに現れる.

その仮面とは?

そして,重要な点は,お客だけでなくホテルで働く人々も,葛藤に悩む自分を隠すため「誠意」という仮面をかぶって働いているということ.

新田君の奮闘ぶりが可愛くもあり,山岸嬢の名ホテルクラークぶりが爽快である点も読み応えがありますが,いろいろなお客が紡ぐ人生の機織模様が心に沁みます.
この辺は新参者の展開を彷彿とさせる.

安心して読める東野圭吾さん.
裏切りませんね.

映画「神様のカルテ」

2011年09月24日 00時47分53秒 | 映画・DVD





先日福岡出張のとき,空き時間があったので,久しぶりに映画館で映画を見ました.

見た作品は「神様のカルテ」.

以前から注目していた作品でした.

主演は嵐の櫻井翔と宮崎あおい.

櫻井君は,地方の総合病院で救急医療の当直医の他,昼間の外来もする非常に多忙な,新進の医者,栗原一止役.通称「イチ」
あおいちゃんはその奥さん榛名役ね.

しかし,そのドクターイチ,余りの忙しさに,医者の志を忘れかけているという設定で映画は始まる.

そんな時,大学病院で末期のすい臓がんのため余命半年と宣言された,初老の女性患者(加賀まりこ)がイチ医師をたずねてくる.
加賀まりこさんの役名をど忘れしたので,ここでは加賀ということにしておきます.

あと僅かの命しかないと知った上で,加賀さんに懸命な治療を続けるイチだが,そんなある日,彼の優秀さが,ふとしたきっかけで大学病院の教授の目に留まり,大学病院で先端医療を勉強しに来ないかとの誘いが来る.
まあ,医師の世界のヘッドハンティングですな.

自分の将来のためにはその誘いは大きな魅力だ.
しかしそのためには,目の前の瀕死の患者を見捨てて行かなければならなくなる.

ジレンマに悩むイチ.

悩む彼を心から信じ,同時にやさしく見守る妻,榛名.

この先はネタばれなので記しませんが,仕事とは何か?特に人の命を救う医師という仕事の本質を問い詰める,強烈なメッセージが放たれます.

考えてみてください.

先端医療を学び,その技術を身につければ将来何百人,何千人の患者の命を救うことができる.

今目の前にいる瀕死の患者は,どんなに手を尽くしてもやがて死ぬことがわかっているわけです.

ただし,彼女(加賀)はイチを心の底から頼りにしている.

当然のようにドクターイチ,悩みに悩みぬきます.

さあ,あなたならどうする?

結論は映画か原作を見ていただくとしましょう.

人の命を救う医者という職業の本質は何なのでしょうか?
命を救うことがすべてなのか?
それとも...

いずれにしろ,見終わってから,しばらく動けなかった.
しかも心の中がポカポカと暖かいもので満たされているのを感じながらね.

妻の榛名(あおいちゃん)の役どころも,夫を心配しつつも,心から信じている感じが出ていて,ああ,夫婦っていいなあ!って思ってしまった.

イチ医師の同僚でもある先輩医師,柄本明が,また良い味出しています.
昔の自分を見るような眼差しでイチを見守り,励ましてくれる.
表情が暖かいんですよ.
これって演技でできるものなの?

最後に私からの,ご提案,ご忠告ですね.

見に行くならお一人で行かれることをお勧めします.ハンカチを忘れずにね.

「シーサイドモーテル」

2011年08月17日 21時21分00秒 | 映画・DVD



山の中にあるのに,「シーサイドモーテル」.
そのモーテルにチェックインした4室11人のだましあいのエピソード.
最初はありふれたストーリーに思えたし,4つの部屋の関連性もなく,あ~外したかなあ.
と,思ったら,1時間経過した頃から話が面白くなり,微妙に各部屋の話がつながり,最後の落ちもなかなかよかった.

劇場型というと妙な言い方だが,他にうまい表現が見つからないので,そういわせて貰うけど,劇場型ミステリーかな?

そして,私のお気に入りのパターンなんだけど,「人生」が盛り込まれているんですよね.これがないとつまらない.

お金と恋,愛情とセックス,お金と友情など,対立する2つのアイテムの間で揺れ動くお客たちの心理とドタバタ,そして意外なところに仕掛けられた罠.

ただ,同じ劇場型ミステリーでも,「サマータイムマシンブルース」とか,「アフタースクール」なんかと比較しちゃうとミステリーとしての質は高くない.

最初がっかりしていたのに,最後は挽回したということで,やや高評価っていうところ.

守屋健太郎監督,キャストは生田斗真、麻生久美子、山田孝之、成海璃子、玉山鉄二、柄本時生、温水洋一、古田新太等,結構豪華です.

「ベストキッド」ジャッキーチェン、ジェイデンスミス

2010年09月10日 16時41分54秒 | 映画・DVD



出張の空き時間に見ました。
本当は「ソルト」、「インセプション」、「借り暮らしのアリエッティ」のどれかと思ったんだけど、どれも空き時間帯に合わなくて断念。
しかたない、ネットカフェで時間つぶしかな?と思ったら、看板の一番下に発見したのが、これ「ベストキッド」。
面白かったです。
なかなか当たりだった。
ジャッキーチェンが今までのイメージとはまったく違う、渋い味を出しています。
暗く悲しい過去を背負ったカンフー師に扮します。
ベストキッドなるジェイデンスミスがかわいい。
あのウイルスミスの息子ですよね。
カンフーはまだちょっとジャッキーチェンと比べるのはかわいそうだけど、それでもなかなかのもの。
あと、ゲーセンのダンスゲームマシンで踊るシーンはマイケルジャクソンみたい。
いじめられて泣き顔になる演技はとっても上手.
さすが,ウイルスミスの息子.

彼が好きになる中国人少女でバイオリニストの少女も良いですね。
女優さんって感じじゃないけど生き生きして、表情が良いですね。
すごく好感がもてる.
バイオリンはアテレコだけど。

カンフーの敵役の男の子が、やることはにっくたらしいんだけど、かっこよくて、別の映画だったら、主人公にしてもおかしくないくらい演技もうまいです。
カンフーもうまいし、バクテンしたり、仰向けの状態から背中のばねでピョンと立ち上がる技は、自らやっているようですので、相当運動神経はよさそう。

ストーリーはお決まりのやつ。
カンフーのできるいじめっ子からいじめられている主人公が、ジャッキーチェン扮する師匠に手ほどきを受けてカンフーの腕を上げ、カンフー大会で敵役の男の子を破って優勝するっていうもの。
過去に何度も映画化されています。

まあ、突っ込みどころはいろいろあるけど、どんなにつらい状況でも決してあきらめずに頑張ると、必ず未来が開けるという教訓は、『そうだよね』といわざるを得ない説得力がある。
だから、子供たちには見てもらいたいね。
ただ、本当は、人生はもう少し複雑にできているよね。
だから、この映画のような人生が全てじゃないということも付け加える必要は感じますがね。
まあ、それはさておき楽しかったし、感動もしました.
最後はロッキー風?

「ターミネーター4」

2010年02月07日 21時32分55秒 | 映画・DVD


ターミネーターファンとしてはとりあえず見ておかないと.
ということで見ましたが...
やっぱ,1作目と2作目が良すぎたせいか,3はいま一だったし,4もいけませんね.
緊張感が全然違う.
ぬるいんですよ,画面の空気が.
本当はジョンコナーと,彼の父になる予定のカイル・リースがダブル主演のはずだったんだけど,なぜかマーカスという元凶悪犯罪者のような男が死刑執行後に冷凍保存され,未来に蘇ってジョンとカイルを助けるというややこしい話になってしまっている.

映画の基本である,ヒーロー・ヒロインがボケてしまって,誰が主役?って思ってしまうのです.
映画を見る人は,ヒーロー・ヒロインの立場に自己を投影してストーリーを追いかけるものですが,この映画では,見ている人は,自分はジョンなのか,カイルなのかマーカスなのかわからないのです.
私は,ジョンとカイルは脇に追いやって,マーカスを全面的に主役にして組み立て直した方が面白くなると思いました.
最後にシュワちゃんがちょっとだけ出てくるところは,懐古趣味かもしれないけど,良かったな.
真打登場って感じがしたけど,他の登場人物がみな泥だらけ・埃だらけなのに,彼だけピカピカでCGそのものって感じで,かえって不気味さが出ていて良かった.

でも...2回目見ようとは思わないです.

T2はチャンスがあれば,何度でも見たいですけど.

ディアドクターにしとくべきだった...

「サマータイムマシンブルース」DVD

2009年08月03日 11時13分03秒 | 映画・DVD


青春ラブコメSFハチャメチャファンタジー!
しかし,ちゃんとつじつまが合ってる.ってところが不思議にも面白い.
物語の組立ては,内田けんじ監督「運命じゃない人」っぽいしかけもあるけど,軸がやはり青春なんだな.
「運命じゃない人」ほど,組立ての緻密さと求心力はなくて,もう少しゆるい感じがするけど,上野樹里ちゃんのかわいさに免じて「合格」.
物語は,ある大学のSF同好会の部室に突如現れた奇妙な機械,タイムマシンと,それを操縦してやって来た,さえない未来の大学生が引き起こす,ドタバタストーリー.
ただ,物語全編にわたって,結構周到な伏線が張り巡らされていて,気を抜くと,あれれ?と騙される.侮れません.よくできてる.
タイムマシンものと言うと,時間のパラドックスで,物語があっち行ったりこっち行ったりするってのが多いけど,この映画はストーリーは一本にきちんと集約されている.
たぶん,相当知恵を絞ったか,この手の考察が得意なあったまいい人がブレーンにいるのかなって気がする.
ある意味,運命論者的な展開です.つまり,たとえタイムマシンがあって,過去を変えようとして過去に行って何かをしても,その過去には,現在から来た人がやったことが起こったものとして,今の現在があるのだ,っていうこと.わかります?
パラレルワールドとは全く反対の立場ですね.

私はパラレルワールドは胡散臭いと思っていたので,この映画の考え方の方が,ずっと素直でわかりやすいです.

内田けんじ監督の求心力には及ぶべくもないけど,まあまあ良い感じですね.

「おくりびと」DVD

2009年07月27日 13時21分25秒 | 映画・DVD


葬儀の際に,死者に敬意を込めて死化粧を施し,棺桶に納める『納棺』を執り行う人,納棺師(のうかんし)をテーマとした人間ドラマ

死者に触れる仕事と言うことで,妻には内緒ではじめた仕事だけど,次第にこの仕事の奥深さ,死者に対する敬意を家族に代わって表現し,より良い旅立ちを手伝うという仕事にどんどん引かれていく主人公もっくん.

死は,貧富に関わりなく必ず誰にでも訪れるもの
家族の軋轢,親戚間の意見の食い違い等,生前のいろいろなわだかまりや憎しみが,死者を見送る納棺という儀式を通して,雲散していく様が爽快感すらともなう.

もっくん(本木雅弘)は,顔は濃いけど,結構日本人的機微をよく表現していたと思う.
無表情なのが逆にいいのかもしれない.

山崎努も演技派って感じじゃないのが良いんですよ.
いつも苦虫を噛み潰したような表情.

あと,お風呂屋さんのシーンで出てくる,吉行和子と笹野高史の微妙な関係が良いんだなあ.
私はこういう微妙な雰囲気が大好き.といっても本編を見てない人には何のことだかわからないでしょうけど.

ただ一つだけケチを付けるなら,もっくんの妻役の広末涼子.
台詞回しが,清涼飲料水のコマーシャルの口調と同じです.もちょっと勉強せい!

それは目をつむるとして,やはり良い映画でした.
せりふじゃなくて,行間で語るニュアンス.雰囲気.
本当のことって,言葉では語れないという「真実」.
さすが,アカデミー賞って感じ.