シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

女はみんな生きている

2008-02-29 | シネマ あ行
ヴァンサンランドンと二人で出かけた夜、自分たちの車の窓をいきなり血まみれの女が叩く。「助けて、開けて」彼女のあとから物々しく男たちが追いかけてくる。夫は変な事件に関わりたくないとドアをロック。その場からさっさと立ち去り車についた血のことばかり気にしている。妻エレーヌカトリーヌフロは次の日もあの女性のことが忘れられない。すでに血まみれだったが、あのあと男たちにボコボコにされたに違いない。もしかしたら、殺されたかもしれない。救急病院に片っ端から連絡し、ついに彼女が運び込まれた病院を突き止め見舞いに行った。あの女性はノエミラシダブラクニという名の娼婦らしい。意識不明の重体だ。

責任を感じたエレーヌは献身的にノエミの看病を始める。家のことをすべてほっぽりだし、妻がいないと家のことは何もできない夫はくだらない用事で携帯電話の留守電に何回もかけてきている。以前から、夫には愛想が尽きていた。いまはノエミの看病のほうがずっと大切だ。

エレーヌの看病の甲斐あって、順調に回復するノエミ。そこへ執拗に追ってくる売春組織の男たち。病院から拉致されかかるノエミを助けたエレーヌはそのまま夫の母リーヌルノーのいる田舎町へ避難した。田舎でゆっくり静養し、徐々にしゃべれるようになるノエミ。そこで初めて彼女がどうして売春組織に追われているのか、彼女の過去が明らかになる。

ここからは、急にハードボイルドなお話へと展開する。ワタクシは始めこの急な展開について行けなかったです。ちょっとオマヌケ主婦の冒険&開眼物語くらいに思っていたら、大きな犯罪組織を向こうに回し、女性たちが頭脳と文字通り体を張って(女の武器を使って)戦うんですからねー。ビックリしましたよ。

女性を中心にした物語にはありがちですが、ここに出てくる男性陣の情けないこと情けないこと。旦那は妻がいなければ家のことは何ひとつできないし、バカ息子ファブリスオレリアンウィイクも、二股をかけて本命の彼女からアパルトマンを追い出され実家に逃げ帰ってきたくせに、エラそうな態度だし。おまけに二人してノエミの罠に簡単にひっかかっちゃうんだからねー。鼻の下延ばして本当に情けないですね。フランス人の素敵な男性をイメージしてる女性たちは“なんだ、これじゃ日本の男と一緒じゃん”ってガッカリしちゃうでしょうねー。

強い女たちを見たくない人は見ないほうがいい作品かもしれませんね。


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