シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

ジャージーボーイズ

2014-09-25 | シネマ さ行

試写会に行きました。クリントイーストウッド監督の作品が好きなので見に行くつもりでしたのでラッキーでした。

世代的にザ・フォーシーズンズと言われてもピンとは来ないのですが、「Shelly」「Big Girls Don't Cry」「Can't Take My Eyes Off Of You」(君の瞳に恋してる)と言われれば、あぁーと分かるくらいではある。

今回はブロードウェイミュージカルの映画化ということでイーストウッドとしてはめずらしいけれど、音楽に精通している彼のことだからジャンルとしては得意なものだったのかも。元のミュージカルがそうだからか、イーストウッドにしてはめずらしくくすくすと笑えるシーンが多いのも本作品の見どころと言えそう。

ザ・フォーシーズンズの最初の成り立ちから成功をおさめ栄光を勝ち取り解散し、という長い年月を同じキャストで表現しなければいけないので仕方のないことなんですが、初めフランキージョンロイドヤングが「16歳」と言われたときにはズコーッとなりました。「え?32歳の間違いじゃないの?」と思ったよ。もちろん、それは始めだけでだんだん年相応になっていくわけですが。

フランキーヴァリの実際の歌声ってぱっと頭に浮かばないんですが、ジョンロイドヤングみたいな声だったんでしょうかね…正直言って彼のあの声は、、、なんかへーんな声ーって思ってしまったのですが、、、失礼。ミュージカルのほうも彼が演じているようですし似てるんですかね。あれだけの高音を出せるのはすごいと思うけど、なんかあの鼻にかかったようなヘリウム吸った後のような声はちょっと苦手だった。。。

内容としてはよくあるグループの波乱万丈といいますか、大ヒットを飛ばしていても内情は、、、みたいな話ですね。グループのリーダーでマネージャー的な役割もしていたトミーデヴィートヴィンセントピアッツァが大借金作って仲間に迷惑かけているにも関わらずまったく悪いとも思ってなくて開き直って文句ばっか言ってた姿には一発殴ってやりたい気持ちになりました。その借金を全部自分が歌って返すと言ったフランキーはすごいなぁ。やっぱりその辺がジャージーボーイズたるゆえんなんですかね。メンバーの一人ニックロッシマイケルロメンダはそんなものクソくらえって辞めちゃったけど、心情的にはニックの気持ちが一番よく分かる。

映画ファン的にかなりツボだったのは、最後のメンバー・ボブゴーディオエリックバーゲンを紹介したのが若い頃のジョーペシだったってこと。ジョーペシを演じるジョセフルッソが結構彼の雰囲気を醸し出していて笑えた。あと彼らをバックアップしていたマフィアのジップデカルロクリストファーウォーケンがラストにみんなと一緒に踊るのを見られたのも映画ファン的にはおいしいところでした。

フランキーの娘がドラッグで死んでしまって、その時にボブがフランキーを元気づけようとプロデューサーのボブクリューマイクドイルと一緒に作った曲が「Can't Take My Eyes Off Of You」だったというエピソードに一番感動したのに、それはミュージカル版の創作で本当はこの曲がヒットしたのはフランキーの娘が死ぬずっと前のことだったみたい。それにはちょっとがっかりだったな。

上映時間が長めですが、音楽もたくさん、笑いもあるし飽きることなく見られると思います。でもこれアメリカではコケちゃったらしいんですよねー。古臭い曲のミュージカルだから敬遠されたんでしょうか。日本人は好きそうなお話だと思いますけどねー。特にザ・フォーシーズンズが青春だったという世代にはたまらないかも。