シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

迷い婚~すべての迷える女性たちへ

2009-11-09 | シネマ ま行

ケーブルテレビで放映していたのを見ました。

監督がロブライナーですからね、甘いお話を期待して見ました。内容的にはそんなにたいしたことなくてもなんだか心がほんわかなる系だろうなぁと。確かに実際そんな感じでしたけど、これ、映画でおもしろおかしく描かれてるから笑って見れるけど、本当だったらこんなふうに笑ってられないよなぁ。

主人公のサラジェニファーアニストンは、ジェフマークラファロと婚約しながらも、祖母シャーリーマクレーンからサラの母親は結婚式の数日前に失踪して、とある男、ボーバロウズケビンコスナーと数日を過ごし、また舞い戻って父親リチャードジェンキンスと結婚したという話を聞いて、もしかしたらそのボーが自分の本当の父親かもしれないと思い、ボーに会いに行ったが、ボーは無精子症で、自分の父親ではないと分かり、魅力的なボーと一夜を共にしてしまう。

婚約中の身でありながら、母親の恋人だったボーと、しかもそのボーバロウズとは母親と関係を持つ前にその母親、つまりサラの祖母とも関係を持ったことのある男というボーと関係を持ったサラ。しかもしかも、このボーバロウズと祖母と母の話がなんと映画「卒業」の題材になった実際の話だというわけ。あのダスティンホフマンの有名なやつですよ。ボーバロウズは母親を結婚式中にさらいには来なかったから結末は違うけど。まぁ、この「卒業」のくだりは映画好きなロブライナーの遊びの部分で、映画好きな観客にとってはたまらないところなんだけど、現実的に考えると、このボーバロウズ、親子ドンブリならぬ、三代ドンブリしちゃったわけで…(んー、こんなこと書いてもダイジョブかな?)それって、気持ち悪いことこの上ないよねー。ありえねー!!!なんだけど、ケビンコスナーがマークラファロより素敵に見えてしまうから許せてしまうのか?

婚約者裏切ってるし、その上浮気相手がそんな人だし、サラ、とっ散らかり過ぎだねー。でもロブライナーだからハッピーエンドになっちゃうのがまたマジックなところ。「はぁ?」な展開もなんだか許せてしまうのが不思議なところなんですよねー。これを「許せるかっ!」って感じた人にとっては最低の映画だったかも。

キャラとしては、シャーリーマクレーン演じるばあちゃんがサイコー。そもそもボーのことだってかなり強引に誘惑したみたいだし、孫に「おばあちゃん」って呼ばれるのをめちゃ嫌ってて、下品な言葉も平気で言っちゃうキャラが最高。残念ながら字幕にはなおされてなかったんですが、ちょくちょく下品なこと言ってて笑えました。ロブライナーってこういうのがすごくうまいですね。ちょっとしたセリフでくすっとさせたり、ジーンとさせたりするのがすごく上手。

この映画を「はぁ?」と思った人にとっては、ちょっと日本語題のせいもあったかなぁと思います。「迷い婚~すべての迷える女性たちへ」って全然この作品とはかけ離れてるような気がするもんなぁ。確かに主人公は結婚を迷っているけど、すべての迷える女性たちへのメッセージになるようなお話ではないよなぁ。そういうのを期待していた人はがっかりだったかも。原題は「Rumor has it」で「ウワサによると」みたいな感じだと思うんだけど、映画「卒業」の元ネタとなったお話が語られる冒頭から、もうこれは全部が“しゃれ”みたいに受け取れれば楽しめる作品かもしれません。