シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

WALL・E/ウォーリー

2008-12-10 | シネマ あ行
ここんとこ、ピクサーの作品はそんなに魅力を感じなかったんだけど、このウォーリーは初めて見たときからなぜかビビッととっても魅かれてしまって、絶対に映画館で見ようと思っていた作品だった。そして、ワタクシのそのビビビは大正解だった。

この作品、なにがすごいってセリフのほとんどが「ウォ~リ~」「イ~ヴァ」だけなんだよね。旧式ロボットのウォーリーは、ほとんど話すことができないし、新型ロボットのイヴだって、たいしたヴォキャブラリーは持っていない。もちろん、他にも人間もロボットも登場するし、いろいろセリフはあるけれど、8割くらいは主役であるこの2人(?)のロボットがお話を引っ張っていくからセリフの数はかなり少ない。それでいて、ほとんど目の動きと体全体の雰囲気だけなのにウォーリーもイヴもめちゃくちゃ表情豊かで、2人の感情が完全に観客に理解されるようになっているのだから素晴らしい。ウォーリーは21世紀のバスターキートンだっって見てる最中に思いました。

この目と体の動きだけで感情を表すウォーリーがめっちゃくちゃかわいい。そして、予告編で見ていたときは冷たい新型ロボットかと思えたイヴもめっちゃイイ子でかわいいの。ここで、ワタクシのお気に入りのシーンを挙げているとかなりキリがなくなっちゃうなぁ。つまりキリがなくなるほどいっぱいいっぱいかわいいシーンがあるということです。特にお気に入りのシーンはウォーリーがゴミの中から宝物を集めていたり、それをおうちに持って帰って棚に整理してるところ。あと、イヴがなぜか動かなくなっちゃって、ウォーリーが必死で看病(?)するところかな。ウォーリーはソーラーパワーで動くからイヴのことも一生懸命日光浴に連れて行ってあげたり、雨から守ったり健気なウォーリーがすごくかわいかった。こんなに無機質でフラッフィーじゃない主人公にここまで感情移入させるなんて、ほんとにピクサーって偉大。

物語は単純なもんですが、未来の地球がゴミだらけになって、ゴミ掃除ロボットを残して宇宙空間へ逃げるとか、それをすべて大企業が牛耳っていて、消費者を洗脳しているところとか、現代社会への警鐘とか皮肉っていうふうにも受け取れる。その未来の人間たちはみな歩くことがなくなっているからぶくぶく太って手足は赤ちゃんのようで発達していない。そして、その人間が地球に戻ろうと一念発起するところなんかは結構おもしろかったですね。「2001年宇宙の旅」のハルのパロディみたいなロボットもいて、大人でも十分楽しめるお話にできています。

ウォーリーもイヴもどちらもかわいくて愛おしいのですが、ワタクシはなんと言っても断然ウォーリー派ですね。一緒に見に行ったにゃおはイヴ派みたいです。みなさんはどちら派ですか?