シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

ダークブルー

2005-10-06 | シネマ た行
第二次大戦下のヨーロッパ。切ないラブストーリー。ワタクシの好きなジャンルです。

ストーリーをちょっとよそから拝借して紹介…
1939年、第2次大戦下のチェコ。チェコ空軍教官のフランタオンドジェイベトヒーは、部下で親友の若きパイロット、カレルクリシュトフハーディックとともにドイツに侵攻された母国を離れ英国空軍へ入隊する。ある時、カレルは戦地で窮地のところをイギリス人女性スーザンタラフィッツジェラルドに助けられる。二人はその夜愛し合った。無事基地に戻ったカレルはフランタに彼女への愛を語る。しかし、後日カレルがフランタを伴ってスーザンを訪ねたとき、彼女はフランタの方に惹かれていくのだった。やがて、スーザンはフランタに自分の想いをぶつける…

始めは若いカレルと関係を持ったスーザンですが、その後大人の男のフランタに魅かれてしまいます。この男性二人は一人の女性を巡って争うことになりますが、フランタはやはり大人の男だけあって少し抑え気味。それでもやはり彼女に会いに行ってしまうシーンがあるのですが、その日スーザンが預かっている学童疎開の子どもたちの親たちが訪問していて、夫が戦争に行っているスーザンとの関係をごまかすためにフランタは道を尋ねるふりをします。スーザンは道を教え「でこぼこ道だからゆっくり走ってねとアドバイス。わぁわぁわぁー、ドキドキするアドバイスじゃんその後スーザンが追っかけて来たのは言うまでもありません。そして、このシーンは最後のシーンへの伏線になっています。

男性二人のほうは、空戦でフランタの機をカレルが後ろから撃ったという疑惑が出たものの、実は敵機を狙っていたことが分かり、一時は熱くなった若いカレルもフランタとの友情を貫き、最後には自分の命を張ってフランタを助ける。このカレル君の一生懸命さがまたいい。一度は関係を持ったスーザンが上司になびいてしまい恨みを持つのもうなずけるし、その後の荒れ方も納得できる。でも、空戦では私情をはさまなかったところがカレル君の男をあげましたね。

結局は、戦争が終わり、フランタがスーザンを訪ねるとスーザンは戦争から戻り車椅子生活になっている夫の世話をしていた。そこで、二人の関係をごまかすために、またフランタは道を尋ねる。今回はスーザンは「ゆっくり走ってね」とは言わない。ここが切ないラストシーン

なんだけど、この映画はここで終わらない。もう1つ切ない事実が…戦争中にイギリス軍に加担したチェコ軍人たちは戦後、ソビエト側になった政府に強制収容所に1951年まで入れられ、チェコが民主化する1991年まで裏切り者扱いされて過ごすことになったというのだ。

この最後のくだりが一番胸が苦しくなりました。戦争だけでなく、その後の政情によって英雄にされたり、裏切り者にされたり。同じことをしても国の事情によってまったく違う境遇に追いやられてしまう世の中の恐さというものを強く感じました。