雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

みどりごを待たむ今宵は額垂れて乙女のやうに白衣被(かづ)かな

2008-12-24 08:29:24 | Weblog
 クリスマス・イヴ





 今日のケアワーク、無事につとめられますように。


 一年がもうじきおわる。







 キリスト……まふゆにうまれた希望の光


 
 わたしが最初に教会に足を踏み入れたのも、この降誕祭ミサだった。








 

 画像は、フラ・アンジェリコ
 
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星誕のあたたかならむ女人には道ひとつあり宇宙をつなぐ

2008-12-23 08:13:41 | Weblog



 宇宙、という言葉に迷った。いのちにしようか、世界にしようか……。


 いのち、という言葉はひらたいのに、独得の強さがあって、かんたんには詠いこめない、と感じる。

 世界も、宇宙も、どれも「普遍的」で「大きな」単語なのだけれど、基本的に外来語だから、いのち、よりはわかりやすいと思う。


 でも、こんな感想はわたしの主観にすぎません。おひとそれぞれ、またその文脈によってニュアンスはさまざま変わるから。


 クリスマスイヴの、またイヴ。

 


 わたしは星空が好き。ちいさいころ、たぶん信州の野辺山の、牧場で見上げた夏の夜空を、ぼんやり憶えている。

 誰とみたのかわすれてしまった。どんな夜空だったのかも思い出せないのに、そのときの感動だけが、心の底にみずみずしく残る。


 ほんのちいさいころのこと。





 聖母のおなかのなかで、二千年まえのいまごろは、赤ちゃんのキリストが、しだいにはげしく動いていた、と思うと、わたしの幼児期の星空、牧場を渡る夜風の感覚がよみがえってくる。

 
 星誕祭。


 

 子宮って、たぶん宇宙につながっているんだろう。

 あたりまえだけど、だから性は、とってもだいじなものだ。

 

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ふゆ鈍(にび)は静かなるまま流れたり旅人のごと朝の雲ゆく

2008-12-22 08:35:17 | Weblog


 朝の空とくもに。



 うっすらとなまあたたかい夜明け。



 銀色の夜明けのなかを、藍いろのちぎれ雲の群れが目に見えるはやさで動いていた。


 どこからきてどこへゆくのだろう。



 人間もまた素粒子に還元されるなら、あの気体とわたしとは、わたしたちとはそんなに異質なものではないのだろう。


 そんなことをぼんやり思った、朝の6時前。





 
 今日も静かに、なすべきことをつとめてこよう。


 おしごとに入るたびに、何かがみつかる。


 何かを見つけようとする。それがしくじりであっても、またたのしかったことでも、次につなげてゆく、だいじな何かにしようと思う。

 なにか……言葉にできない、予想できない何か。




 そんなことの繰り返しで、一週間、ひと月、そしてもうじき一年。





 
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すずやかに御子(おんこ)来たれと唄ひおへて息やすむしばし星浴びるごと

2008-12-21 21:06:19 | Weblog

 あっというまに今週は待降節の聖夜がくる。


 一週間のサイクルがとにかく早い。


 教会には大きなクリスマスツリー。去年とはちがうオーナメントがたくさん、きらきら。

 空気がかわいているので、御聖体もぱりっとしておいしかった。


 待降節の御ミサがたのしみ。

 

 



 ……ちまたでは険しいニュースも聞く。

 行く末に絶望して自殺するひとが何万人か。

 企業をくびになって、あてどなくさまようひとびと。

 お金も寝る場所もない。


 
 この寒空、どうするんだろう。

 自棄になって、刑務所に入れば、ともあれ当面の衣食住にはありつける、という理由で人をあやめた老女の事件など思い出す。

 彼女はどうしているだろう。まだ刑務所かしら。

 そうして、あの老女のような動機で、無差別殺人などひきおこされなければいいと思う。


 寒空に……せめてテント小屋とか、おかゆの炊き出しとか、行政が手をさしのべることはできないのかな。

 でも、そうしたら、ほんとに困っているひとではない怠け者みたいなひとが来て、ごはんをもらおうとしてしまうかも。


 はためには区別がつかないから、たぶん。

 
 なんとかならないだろうか。


 東京も、ニューヨークみたいに、道路で凍死するホームレスの珍しくない都市になってしまいそう。

 
 街にきらめくイルミネーションは影深く、やっぱり師走は厳しい。




 








 
 


 

 
 
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ぬけがらを脱ぎすべすぱらり夜明けてとろろおいしい町になるため

2008-12-21 08:24:07 | Weblog

 茨木のり子さんの詩から


 

  <はじめての町>その第4連

 
 そうしてわたしは好きになる

 日本のささやかな町たちを

 水のきれいな町 ちゃちな町

 とろろ汁のおいしい町 がんこな町

 雪深い町 菜の花にかこまれた町

 目をつりあげた町 海の見える町

 男どものいばる町 女たちのはりきる町



 げんきをもらっちゃった

 

 

 男「ども」と女「たち」

 このつかいわけに、のり子姐さんの面目躍如。

 彼女の世界をおしえてくれた木ねずみさんに感謝。

 詩は、ぱらっとながめて、こころにまっすぐにとびこんでくる、ことがある。

 これも。







 


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冬の樹よかくれなきものさらしつつたじろがぬ汝(な)を風きよめゆく

2008-12-19 15:42:43 | Weblog


 冬の樹木に。



 花と同じくらい、樹が好きだ。葉の落ち尽くした裸樹のすがた。

 それはいさぎよく、かくれない何かを感じさせる。



 梢をわたるまふゆの大気。

 枝鳴り。


 小枝のきっさきは、空にむかってためらひなくのびる。ときに鋭く。


 樹々のはざまを唄ひぬける風音。




 辛夷の大木には、もう来年の新芽が、かたく兆している。




 
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炎中(ほなか)奔る彼まよひなき一瞬に少年神話永遠(とは)きざまれぬ

2008-12-18 20:58:54 | Weblog


 18歳の少年が、火中から寝たきりの高齢者を救出したというニュース。


 くらい、いやな話題ばかりが目立つこのごろ、眼の醒めるような。


 全身に水をかぶって、燃えさかる炎のなかに飛び込んだ?


 言いようがない。感動、そうして、総毛だつような畏怖。


 わたしは洗礼を受けたクリスチャン。


 「人、その友のために死す。これよりおほひなる愛はなし」


 この聖句、そらんじている。隣人愛。


 でも、わたしに彼のようなことができるかしら?


 眼の前に燃え上がる炎をみたら、恐怖でたちすくんでしまうだろう、きっと。


 ケアワーカーなのに、たぶん、呆然と手足がこおりついてしまう。


 ……。


 青少年のメンタルレベル、とかく非難されがちだけれど、こういうことがある。


 彼が少年だから、というわけではないけれど、一瞬の決断で突進していく姿は、まるで永劫回帰の、神話原型のようだ。


 驚き。そうしてわたしの歌はぎこちない。

 
 それでも、書き留めておこう。


 高齢者のかたも、彼も、無事でよかった。



 この事件が、まだ若い彼の精神形成に「トラウマ」とならないことを願う。


 挫折や失敗だけでなく、常ならぬ「偉業」は、よくもわるくも、こころのかたちを曲げることがある、から。

 そんなひ弱な子ではないとは思う。


 でも、彼をとりまく周囲、そしておとなたち、配慮してあげてほしいな……。



 


 
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御母の眸(まみ)あらしめよやさしくて声はとどかぬ青空のため

2008-12-18 08:58:00 | Weblog


 朝に。


 雨があがり、きれいな青い空。




 なぜだか、今朝は、かたはらの聖母の表情がやさしい。微笑していらっしゃる、ように見える。


 ひかりの加減だろうか。



 この微笑みをうたいたくて、すこし悩んだ。





















 


 
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雨うらにてのひら添へて耳をつつむ貝殻のごと海聴きたまへ

2008-12-17 08:04:27 | Weblog


 雨が降っている。

 
 県道を走り抜ける自動車の騒音が水しぶきをまとう。



 目をとじると、それは磯に打ち寄せる荒波のけはひにも聴こえる。



 冬の海。

 
 波が高い。




 今日はとてもさむいだろう。自転車ではなく歩きで行こう。



 入浴介助。利用者さん、風邪をひかないといいのだけれど。




 インフルエンザだけでなく、ノロウイルスなどの噂も耳にする。


 朝ごはんを、ちゃんと食べることにしている。


 おなかがすいて、ごはんがおいしければ健康な証拠と思う。




 何事もなく、丁寧につとめられますように。






 



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ゆめのあとにたとへばすこし滲み残すまくらのやうな朝の月見し

2008-12-16 08:32:22 | Weblog


 朝に。


 西の空にうっすらと白い半月が残っていた。



 歳末が駆け足で。


 あれもこれもときぜわしい。


 今日いちにちの、すべきことをメモしておこうかな。



 野花のすくない季節。



 四季咲きの冬ばら、あちこちの庭先、ひなたに思いがけずきれいな姿を見る。





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アルファポリス