18歳の少年が、火中から寝たきりの高齢者を救出したというニュース。
くらい、いやな話題ばかりが目立つこのごろ、眼の醒めるような。
全身に水をかぶって、燃えさかる炎のなかに飛び込んだ?
言いようがない。感動、そうして、総毛だつような畏怖。
わたしは洗礼を受けたクリスチャン。
「人、その友のために死す。これよりおほひなる愛はなし」
この聖句、そらんじている。隣人愛。
でも、わたしに彼のようなことができるかしら?
眼の前に燃え上がる炎をみたら、恐怖でたちすくんでしまうだろう、きっと。
ケアワーカーなのに、たぶん、呆然と手足がこおりついてしまう。
……。
青少年のメンタルレベル、とかく非難されがちだけれど、こういうことがある。
彼が少年だから、というわけではないけれど、一瞬の決断で突進していく姿は、まるで永劫回帰の、神話原型のようだ。
驚き。そうしてわたしの歌はぎこちない。
それでも、書き留めておこう。
高齢者のかたも、彼も、無事でよかった。
この事件が、まだ若い彼の精神形成に「トラウマ」とならないことを願う。
挫折や失敗だけでなく、常ならぬ「偉業」は、よくもわるくも、こころのかたちを曲げることがある、から。
そんなひ弱な子ではないとは思う。
でも、彼をとりまく周囲、そしておとなたち、配慮してあげてほしいな……。