雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

まぼろしは夜明けのつばさ朱鷺はかつて滅びし光ふゆに飛翔す

2008-12-15 07:55:06 | Weblog

 朝に。五時半くらいか。


 きれいな夜明けだった。大気がしんと澄んで、空は紺色から水浅葱に明るむ。



 地上にはまだたっぷりと夜が残っていて、むかいのお山のマンション群の窓明かりがちらほら。とり残された星のように。


 夜明けの光を享けた雲が淡い朱鷺いろに染まり、ゆっくりとながれてゆく。





 佐渡で放された天然記念物のトキ。その何羽かが、生き延びられずに死んでしまったとか。


 かわいそうに。たった10羽かそこらしかいないものを、もうすこし庇ってやってもいいのではないかしら。

 動物が自然のなかで繁殖し、生き残るためには、50くらいの個体が必要だとか聞いた記憶がある。


 丹頂鶴はえさをやって保護する。それよりもっと華奢な種族なのに、としろうとのわたしは思ってしまう。


 外の世界なんて、ほんとに不馴れだろう。それに適応するだけでも、たいへんな試練のはず。


 繁殖に成功して、一族(?)がたくさんになったら、だんだん手を離してやればいい。いきなり野性なんてどうかと思う。


 でも、専門家には専門家の深い考えがあるんだろう。



 人間の考えることはわからない。純日本種……ニッポニア・ニッポン、だったろうか。

 きれいな、めづらかな鳥を滅ぼしてしまったのは……。








 今日一日、こころおだやかにつとめをはたすことができますように。

 少しでも前へ進んでゆけますように。









コメント
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