団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

日本女子サッカー

2011年07月17日 | Weblog

 “本日定期投稿日(土、日、祭日休稿の一日おきの投稿)ではありませんが、臨時に『日本女子サッカー』を日本チーム応援の気持を込めて掲載”


 7月10日、日曜朝5時、妻がすでに起きて、ベッド脇の机でネットを見て、「ドイツでやっている女子ワールドサッカー、日本がドイツと0:0よ。がんばっているわね」と声を上げた。私は寝苦しい熱帯夜のため、まだ寝足りなくベッドでグズグズしていた。それを聞いて、私はガバッと起き上がった。テレビを観て応援しなければ、と思ったからだ。

ドイツのサッカー女子ワールドカップに向けて出発する日本女子サッカーチームをテレビニュースが取材していた。主将の澤選手が「男子と違ってほとんど中継もされませんが、選手はみなそれぞれに一生懸命にやっています。応援、よろしくお願いします」と言った。確かに日本の報道は、偏りが激しい。人気がある選手やスポーツの報道は、異常といえる。勝ってこそナンボの世界のはずなのに、試合の前からマスコミだけが大騒ぎ、「優勝を意識」「楽しんでプレイしてきます」が予選落ちして「まだまだです」。「その通り」と私はテレビに向かって声を荒げる。マスコミに無視されているような他の日本選手の活躍があっても、マスコミの扱いは小さいものだ。マスコミ受けしている選手が勝てば大騒ぎだが、負けてもすぐ、懲りずに次の試合への過大な期待で盛り上げる。チヤホヤするにも限度がある。

さてテレビの前に陣取って、リモコンであちこちのチャンネルを出して、女子サッカーの中継を探す。肝心のサッカー中継はなく、どうでもいい番組ばかりだ。女子サッカーの中継は、我が家の受信可能なテレビ局では放送していなかった。あとで調べるとNHKの有料BSで中継していたらしい。我が家はNHKのBSを契約してないので観ることはできない。ラジオで中継しているかもしれないと思い、ラジオをつけて周波数を変えて探した。ラジオでも中継していなかった。そうこうしているうちに、インターネットで延長戦の後半、日本が1点を先取したと速報が出た。結局日本女子サッカーチームはこの1点を守り、優勝候補のドイツに勝った。さあこれからが日本のメディアの変わり身の早さである。

次の準決勝、スウェーデン戦は、急遽フジテレビがNHKのBS以外にも実況放送した。私は観た。そして日本は、3:1でスウェーデンをも破った。実況するアナウンサーは、ただひたすら日本人女子選手と対峙するスウェーデン選手の身長をまくし立てた。156センチ:179センチ、163センチ:181センチ。「やめてくれ」とどなりたくなる。アナウンサーは延々と身長データを読み続けた。いつまでこんな事を騒ぎ立てるのか。劣等感の裏返し現象なのだろう。それとも負けたときの言い訳を事前から準備しているのか。小さいから負けるといけないことなのだろうか。私はそう思わない。マラドーナだって、メッシだって、ストイコビッチだって、長友だって身長は高くない。なぜ、ただサッカーの試合として実況できないのか。パス、シュート、防御、走り、スピード、スポーツマンシップ、チームとしてのまとまりや連携プレイ力。誉めるべきは誉め、批評するべきは、批評するべきだ。日本女子チームは、素晴らしいパスと機敏な動きで戦った。1点先取されたが、粘りと途切れることのない波状攻撃で、3点を奪った。私の気持ちは、高揚した。静かな応援だったが、感動した。嬉しかった。彼女たち自身の努力の結果がでた。経済的にも恵まれることはなく、働きながら、アルバイトしながらサッカーを続けてきた。もちろん家族や同僚の協力もあったに違いない。苦しい中、挫折することなく続けてきたからこその勝利だった。

 日本人の身長が低いのは、世界中に知れ渡っている。今更、騒いだり、劣等感を持つことはない。人間、身長が低いから不自由だったり、不便なことは何もない。日本人は、この体格でずっと連綿と生きてきている。地球上に理想をすべて満たしている人種がいるだろうか。どの人種だって優性と劣性を抱え持っている。そのことで差別されるなら、させておけばいい。今更、人種間の遺伝学的体型をどうこういっても、何も始まらない。それよりも長い将来的視野を持って、スポーツの振興を地道に計るべきである。人間が考え出したスポーツすべてが、体格と才能だけで結果が出るものではない。人間には、それ以外にその日の体調、気分、気合、運、雰囲気、連帯感、愛国心などによって、思いもかけないチカラを生み出し利用する能力がある。だから試合結果で何が起こるかわからない。私は、自分本人がどうにでもできないことを悩むことをよしとしない。それより個人が変えられることに努力を向ける。日本のメディアは、取材対象をアキバ48なんやらのような、テレビ写真映りのいい自分達がつくりあげ、育て上げた有名人を重用する。スポーツの世界でも同じ手法である。この世の中、何もかも望んだものが手に入るわけではない。生まれてしまえば、あとは遺伝子と自分の努力である。


 18日未明に始まるアメリカとの決勝戦で日本女子チームの健闘を祈る。

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