団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

ミンミンゼミ

2024年07月24日 | Weblog

  昨日朝5時からの散歩で、今年初めてミンミンゼミが鳴いているのを聞いた。毎年、暑さを煮え繰り返すように強烈に鳴くのに、今年は何か変である。べつにミンミンゼミが好きなわけではないが、鳴き声が聞こえなければ聞けないで、何となく寂しい気がする。

 今年、アメリカではセミの大発生が起こってニュースになっている。アメリカの中西部や南東部でのセミの大発生は、凄いことになっているらしい。私がカナダにいた時、一度としてセミが鳴いているのを聞いたことがない。アメリカを旅行したが、アメリカでもセミが鳴いているのを聞いたことがない。ただ日本に住む外国人とセミの話をしたことはある。ほとんどの外国人は、セミの鳴き声はうるさいと言った。日本ではセミは俳句や短歌にも詠われるほど季節の風物詩になっている。外国人の多くは、セミばかりでなく、キリギリスや鈴虫でさえただの騒音でしかないと言うのを聞いた。

 アメリカでの今年のセミの大発生は、「13年ゼミ」と「17年ゼミ」が羽化するのが重なる年が221年に一回起こる。それが今年だったのである。推定1兆匹のセミが発生して鳴いた。前回の大発生は、1803年というから、日本は、まだ江戸時代だった。そして次のセミの大発生は、2245年だという。いま現存する人間で、この大発生を見られる人は皆無である。なぜかこういう話は、素直にすっと胸に落ちる。嫉妬したりヤキモチをやくやきようがない。絶対事実であって宇宙の話のようである。

 221年周期に圧倒されるが、身の回りにも生き物の世界には、こういう周期現象があるらしい。去年、私が好きなタマムシは、たくさん見かけた。今年はまだ一度も見ていない。その代わりと言うか、今年はカブトムシやクワガタがたくさんいる。私は散歩途中に道に仰向けになってもがいていた大きなカブトムシやクワガタを捕まえて家に持ち帰った。妻は虫が大嫌い。お願いだから放してあげてと言う。喜寿老(77歳)は、いまだに子供の頃の昆虫採集の快感を忘れられない。カブトムシ、クワガタ、オニヤンマ、アゲハチョウ、セミに強い憧れがある。初めは、小さな虫篭に捕って来たカブトムシとクワガタを入れておいた。エサは、スイカやキュウリ。だんだん数が増えて、虫篭が小さくなってきた。近くのペットショップに昆虫コーナーがある。そこでカブトムシ専用の容器を買った。樹皮のついた木や葉っぱ、容器の下にひく砂まで売っていた。

 うだるような暑さの中、エアコンで涼しい部屋の中、捕ってきてすでに2週間が過ぎた。みな元気で新しい住まいで生きている。私はもうすぐ会いに来てくれるアフリカに赴任している国連職員の家族の二人の男の子にこのカブトムシとクワガタを見せてあげたい。アフリカへこのカブトムシやクワガタを持って行くわけにはいかない。でも厳し環境の中で生活している友人家族に少しでも日本の普通の生活の一環を見せてあげたいと思っている。

 子供たちがどういう反応を示すか分からない。恐がる可能性もある。虫が嫌いかもしれない。お節介爺さんは、いつも余計な事を考え付く。自分の子どもを育てている時も、行き過ぎたお節介が多かった。でも反省していない。常に相手への関心を、どういう形であれ、示すことが私の生き様なのだ。

 アフリカ帰りの子供にカブトムシとクワガタを見せたら、妻が願っているように裏庭にカブトムシとクワガタを放してあげるつもりである。その後、飼育箱で鈴虫かキリギリスを飼ってみたい。犬も猫もこの歳ではもう飼うことは無理。喜寿老に負担なく飼えるのは、鈴虫かキリギリスくらいだとわきまえている。


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