団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

春の珍事 「なんて日だ」

2018年04月02日 | Weblog

  3月30日東京で開かれる勉強会に出席する予定だった。会は夕方5時半からだった。ちょうど銀座のアートギャラリーに友人の奥さんの絵が展示されているので勉強会の前に立ち寄ろうと家を出た。電車は春休みのせいか子供連れで混んでいた。この日思いがけぬことが連続して起こった。

①     「日本語上手ですね」

②     「あれSじゃない」

③     「オレオレ」

①      グーグルで銀座のギャラリーの場所を検索して印刷した。その地図を見ながら新橋駅から銀座に向かって歩いた。私は地図を見ながら場所を探すのが得意と勝手に思い込んでいる。その思い込みでこれまでも失敗を重ねてきた。ギャラリーは銀座7丁目にある。簡単に7丁目の表示を見つけた。しかし番地が違った。あちこち歩きまわった。表示板は各コーナーにあると思ったがまばらだった。時間はたっぷりあった。こういう時は交番を探すのが良い。しかしもう足は棒のようになっていた。降参。ちょうどしゃれた洋品店の前にオーナーらしい中年の女性が立っていた。私は「すみません、このギャラリーへ行きたいのですが」と話しかけた。印刷してきた地図のプリントは、縮小された地図だった。でもカラー印刷だった。女性は地図を見なかった。私は番地を告げた。女性は指をさして方角を示した。私は頭を下げて「ありがとうございます」と言った。すると女性は私に「日本語上手ですね」と返した。

 ギャラリーは結局交番を見つけて警察官の丁寧な説明を受けてたどり着けた。友人の奥さんの見事な絵をゆっくり楽しむことができた。有楽町の駅までギャラリーから歩くと周りは外国人のほうが日本人より多い。ギャラリーを探すのに夢中で気が付かなかった。これでは私もそのうちの一人と思われるのは当たり前だろう。でもひとりで銀座を放浪する古稀の爺さんだぜ。

②      勉強会の会場前で会のオブザーバーをつとめる高校の同級生N君を見つけた。まだ受付の開始まで時間があったので喫茶店で待つことにした。3軒目に空いている店を見つけ入った。店の奥でおしゃれな男性がシートに沈み込むようにして眠り込んでいた。私はぎょっとした。あまりにも似ている。近づいて凝視した。やはり高校の同窓生のS君に似ている。ダンディ。特徴ある黒い中折れハット、濃紺の背広、若草色の革靴。N君も似ていると言う。店の女の子に尋ねた。「あそこで寝ている人、Sさん?」「よく来店されますが名前は知りません」 N君ともし間違えたら・・・と話していた。そうこうしているうちに男性が起き上がった。男性が私たちを指さした。私たちも二人そろって指さした。やはりS君だった。東京で3軒目に入った喫茶店でS君との出会い。

③      勉強会を中途で退席して帰路についた。妻が先に帰宅していた。メールで到着時間を知ら得てあった。駅からタクシーを使った。家についた。ドアを鍵で開けた。中から内錠がかかっていた。これでは入れない。ドア脇のピンポーンを鳴らした。返答なし。妻が倒れたのか。妻が襲われたのか。まさか酔いつぶれて寝てはいまい。ピンポーンは20回以上。時間は10分以上。どうしよう???中から声。「どなたさまですか」と言っているよう。でもろれつが回っていない。ふざけて「オレオレ」と言ったが通じない。寝惚けでるのか。ようやくドアが開く。フラフラの妻。酔ってもいない。寝ぼけてもいない。しらを切る。どうでもよい。私は叫んだ。「なんて日だ」 後日妻は、うたた寝をしていたと告白。

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