団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

土壇場の大逆転

2023年10月24日 | Weblog

  事の始まりは、10月11日の将棋だった。藤井聡太竜王(21)は、永瀬拓矢王座(31)を永瀬王座の勝ち寸前で、大逆転勝利した。98%永瀬王座の勝利目前での逆転だったという。テレビのニュースで、勝負が決まった瞬間、永瀬王座は、頭をかきむしった。悔しさが伝わった。私は、将棋を知らない。ただニュースで解説者が言う「98%」とか「奇跡」の言葉に、えらいことが起こったのだと思った。それにしても若干21歳の藤井竜王がいかに凄い棋士であるか思い知らされた。

 将棋の大逆転のことが薄らいできた10月20日、今度はアメリカの大リーグでも大逆転があった。エンジェルスの大谷翔平選手が故障者リストに入って、出場できなくなった。その後、私もアメリカ大リーグへの熱が冷めてしまった。早朝にアメリカ大リーグの野球を観ることがなくなった。20日の朝、テレビをつけると、アメリカのア・リーグの優勝決定戦の第5戦が中継されていた。アストロズ対レンジャーズ。なんとなく観ていた。8回デッドボールをきっかけに、両チームが乱闘寸前になった。結果3人が退場させられた。試合が再開された。9回2点リードされていたアストロズ。走者2人を置いて、1番のアルトゥーベ選手が打席に立った。アルトゥ―ベ選手は、身長168センチで大リーグの中で、最も身長が低い。しかし2塁手としての守備も良く、また打者としても好成績をあげている。そのアルトゥーベ選手が、逆転となる3ラン本塁打を放ったのだ。アストロズは、5対4で勝った。

 10月22日、ラグビーワールドカップフランス大会では、イングランドと南アフリカの準決勝が行われた。早起きは3文の得(徳)。朝4時からの試合を妻と観た。妻は、相撲とかラグビーのような激しく体をぶつけあうスポーツが好きらしい。相撲観戦と同様、にわか解説者ぶりを発揮して、私のテレビでのラグビー観戦を弥が上にも盛り上げてくれた。妻が指摘した通り、イングランドの守りは、固く南アフリカは、苦戦していた。前半戦が終わった。12対6でイングランドがリードしていた。後半戦になってデ・クラーク選手が登場。巨体強健な選手がスクラムを組む。ボールはイングランド。レフリーの笛。スクラムが動く。デ・クラーク選手は、身長170センチ。しかし気性の激しさは、巨体選手に引けを取らない。スクラムの上に飛びかかる。弾き飛ばされる。すぐ立ち上がってタックルの餌食を探す。倒されてもなお食いついてゆく。妻が喜ぶ。朝の4時台に我が家は大騒ぎ。どちらを応援しているわけではない。ラグビーという激しいスポーツに、規則で決められた範囲でぶつかり合ってボールの争奪戦を展開する。レフリーは、絶対的な権威を持つ。試合が進む。両チームトライがない。後半38分南アフリカの初トライで2点差まで追い詰める。スクラムから相手の反則を誘った。約50メートルのペナルティキックを決めて逆転。16対15の僅差で南アフリカが決勝進出を決めた。

  妻は大興奮。何だか日曜日一日のエネルギーを使い切った気分。でもスポーツはいい。ラグビーのノーサイドと試合後に敵味方なしの状態は、人間社会の理想である。ロシア、中国、北朝鮮、ハマスにイスラエル争いが絶えない現状世界。平和に向かって何かの手段とか偉人の出現で、世界がこの土壇場での大逆転は有り得ないだろうか。あって欲しい。


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