備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

メインは大根

2015-12-11 20:36:46 | 料理・食材


出先から帰宅すると玄関先に大根がポツンと立て掛けてあった。ご近所さんからの到来物であることは予想できるが、「ハテ、誰からであろうか?」
抜きたてを持ってきて頂いたらしい。大根に付いた土がまだ湿っている。

即座に、本日の献立は『風呂吹き大根』とする。
というのも過日頂いたお酒が「常温は……いやはや。燗ならマシ? いや、燗冷ましが一番美味しいのかも」という結論に達していた。「このお酒に合わすなら、このメニュー」というチョイスである。

新鮮な大根なので、包丁の刃を立てるとパシッと自ら割れる程の張りである。根の配列も綺麗に真っ直ぐ。「育ちが良いね、きみは。どこの子や?」
「コイツは旨いはず」と触感と目で認定である。
「良い食材なら、きちんと料理をせねばな」という使命感により、普段より幾分か丁寧な仕込みをする。
面取り、隠し包丁も手数を決めて。出汁は昆布と干し椎茸で丁寧に引く。生米も投入して上品な白を目指すか。ユルユルと煮えていく大根の風景。う~~ん、いいねぇ。


キッチンドリンクがてら詠める駄句。

  呉れし人わからぬ戸口の大根 常よりひときわ手塩に煮つつ


ありがたや~~、ありがたや~~。 Ψ(`∀´)Ψ



さて、頂く前からご満悦であるが「風呂吹き大根は大人向きメニューかな。子供達には物足りないかも」と思い、ガツンとした料理も用意する事に。

ご在宅中の鹿肉を台所に召喚する。「出でよ、鹿肉! ジャーーン」 ( ← 酔っ払い気味)

鹿肉は脂の少ない淡白な赤身であるが、味付けでなんとか、かんとか……する予定。
いざ解凍してみると、頗るコンディションの良い腿(もも肉)であった。猟師さんがバラしたもので、小生の我流精肉技術とは差があるなぁ。安心のクオリティーで御座います。

「濃い味付けなら味噌」という単純な理由で、料理スタート。
メニューとしての名前や味の着地点が見えないまま、見切り発車である。まぁ、無問題。例によって『シェフの気まぐれナンチャラ』とするし。
「良い食材も料理のスピードが大事」ですぞ。( ← 煮ると焼くの違いであります)

両表面を焼いて中心がレアなうちに味噌、酒、味醂を投入。ついでにマイタケも放り込む。中心まで火が通ったタイミングでフィニッシュ。白髪ネギを添えて、七味を振って。

柔らかいねぇ。肉の香りが良いねぇ。マイタケも正解やねぇ。


別のお試し用に、数切れはシンプルに焼いてみる。オリーブオイル、柚子胡椒を添えて。

う~~ん、これも良いねぇ。

子供たちの「にく~~~」という腕白な声がひと心地ついたところで、いざ、メインの大根へ参る。
本日の鹿肉は前菜扱いである。 ( ← ここ大事)

最後の仕上げとして、鶏モモ肉を入れて脂を薄っすらと纏わせる。あくまでも『白い仕上がり』にこだわった大根は、柚子味噌とネギ味噌で頂きます。「やっぱり、この燗冷ましと合いますわ。いやはや」
盃を重ねて自画自賛。 


ところで、誰が呉れたんだろうねぇ、この大根。(´・_・`)


判んないけど、どうも有難う御座居ました。 m(_ _)m



















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