米誌タイムが、批評家が選んだ「ベスト映画100本」(TIME Magazine - ALL-TIME 100 Movies)を発表した。
この100本のリストはこちらだが、しばしば舌鋒鋭い批評家による、なかなか個性的なラインナップ。古今東西の作品をまんべんなく入れているようでいて、一方で批評家の趣味が炸裂していような印象もある。
「ブレード・ランナー」("Blade Runner" (1982))、「メトロポリス」("Metropolis" (1927))、「欲望という名の電車」("A Streetcar Named Desire" (1951))、「オリンピア2部作」("Olympia, Parts 1 and 2" (1938))で知られる「美の祭典」と「民族の祭典」、「ベルリン・天使の詩」("Der Himmel über Berlin" / "Wings of Desire" (1987))のリスト入りには、わたしの気分もよくなる。
さすが批評家たちは、「天井桟敷の人々」("Les Enfants du paradis"/ "Children of Paradise"(1945))、「『大地のうた』三部作(オプー三部作)」("The Apu Trilogy" (1955, 1956, 1959))あたりは、はずさない。「続・夕日のガンマン」("Il Buono, Il Brutto, Il Cattivo" / "The Good, The Bad, and The Ugly" (1966))もわかる気がする。「雨月物語」(英題"Ugetsu" (1953))まで出てくると、なにやら「我々は批評家なんだぞ! いろいろな映画をみているんだぞ。」と言いたげだ。(名作には違いないが。)
キューブリック監督作品は、「2001年宇宙の旅」("2001: A Space Odyssey" (1968))ではなく「博士の異常な愛情/または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」("Dr. Strangelove: or How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb" (1964))、そしてかの「バリー・リンドン」("Barry Lyndon" (1975))をあげたところが、通かもしれない。
「レイジング・ブル」("Raging Bull" (1980))、「シンドラーのリスト」("Schindler's List" (1993))など、「やっぱりこれは入ったか」と思う作品も数々あるが、異論がありそうなのは、最近のアニメから唯一ランキングに入った「ニモ」("Finding Nemo" (2003))、ジャッキー・チェンの「酔拳2」("Drunken Master II" (1994))、「ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!」("A Hard Day's Night" (1964))あたりだ。
一方で、「アマデウス」("Amadeus" (1984))、「カッコーの巣の上で」("One Flew Over the Cuckoo's Nest" (1975))、「ベンハー」("Ben-Hur" (1959))、「七人の侍」(英題:"Seven Samurai" (1954))のような作品が入っていない。「欲望という名の電車」("A Streetcar Named Desire" (1951))のリスト入りはうれしいが、できれば「道」("La Strada" (1954)) や、そして米紙なら「サンセット大通り」("Sunset Blvd." (1950))あたりも入れてほしかった。
「生きる」など4邦画も タイム誌が名作百選
【ニューヨーク22日共同】米誌タイムは22日、同誌が選んだ「ベスト映画100本」を発表した。黒沢明監督の「生きる」(1952年)など、日本映画4本が含まれており、「生きる」は50年代の最高傑作に選ばれた。ベスト映画100本は23日発売の同誌最新号で一部が紹介される。100本に順位は付けられていない。
ほかにベスト100本に入った邦画は小津安二郎監督の「東京物語」(53年)と溝口健二監督の「雨月物語」(同)、黒沢監督の「用心棒」(61年)。
洋画では「カサブランカ」(42年)、「アラビアのロレンス」(62年)、「ゴッドファーザー」(72年)、「シンドラーのリスト」(93年)、「ロード・オブ・ザ・リング」(2001年)などが入選した。(2005.05.23 共同通信)
http://www.excite.co.jp/News/world/20050523094949/Kyodo_20050523a384010s20050523094951.html
この100本のリストはこちらだが、しばしば舌鋒鋭い批評家による、なかなか個性的なラインナップ。古今東西の作品をまんべんなく入れているようでいて、一方で批評家の趣味が炸裂していような印象もある。
「ブレード・ランナー」("Blade Runner" (1982))、「メトロポリス」("Metropolis" (1927))、「欲望という名の電車」("A Streetcar Named Desire" (1951))、「オリンピア2部作」("Olympia, Parts 1 and 2" (1938))で知られる「美の祭典」と「民族の祭典」、「ベルリン・天使の詩」("Der Himmel über Berlin" / "Wings of Desire" (1987))のリスト入りには、わたしの気分もよくなる。
さすが批評家たちは、「天井桟敷の人々」("Les Enfants du paradis"/ "Children of Paradise"(1945))、「『大地のうた』三部作(オプー三部作)」("The Apu Trilogy" (1955, 1956, 1959))あたりは、はずさない。「続・夕日のガンマン」("Il Buono, Il Brutto, Il Cattivo" / "The Good, The Bad, and The Ugly" (1966))もわかる気がする。「雨月物語」(英題"Ugetsu" (1953))まで出てくると、なにやら「我々は批評家なんだぞ! いろいろな映画をみているんだぞ。」と言いたげだ。(名作には違いないが。)
キューブリック監督作品は、「2001年宇宙の旅」("2001: A Space Odyssey" (1968))ではなく「博士の異常な愛情/または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」("Dr. Strangelove: or How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb" (1964))、そしてかの「バリー・リンドン」("Barry Lyndon" (1975))をあげたところが、通かもしれない。
「レイジング・ブル」("Raging Bull" (1980))、「シンドラーのリスト」("Schindler's List" (1993))など、「やっぱりこれは入ったか」と思う作品も数々あるが、異論がありそうなのは、最近のアニメから唯一ランキングに入った「ニモ」("Finding Nemo" (2003))、ジャッキー・チェンの「酔拳2」("Drunken Master II" (1994))、「ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!」("A Hard Day's Night" (1964))あたりだ。
一方で、「アマデウス」("Amadeus" (1984))、「カッコーの巣の上で」("One Flew Over the Cuckoo's Nest" (1975))、「ベンハー」("Ben-Hur" (1959))、「七人の侍」(英題:"Seven Samurai" (1954))のような作品が入っていない。「欲望という名の電車」("A Streetcar Named Desire" (1951))のリスト入りはうれしいが、できれば「道」("La Strada" (1954)) や、そして米紙なら「サンセット大通り」("Sunset Blvd." (1950))あたりも入れてほしかった。