『ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』をTOHOシネマズ渋谷で見ました。
(1)たまにはトム・クルーズも良いかなと思って映画館に出かけました。
本作(注1)の冒頭では、「死は新しい生命への入口」という古代エジプトの言葉が字幕で。
次いで、1127年のイングランド(注2)。
十字軍の騎士らが松明を持って進み、手に赤い宝石を持った騎士の遺体が横たわる棺が閉じられます。
そして、現代のイングランド。
地下鉄の工事現場でしょうか、巨大なトンネル掘削機が羽を回転させながら進みます。
突然、大きな空間が出現し、そこに人間の骨とか棺などがいくつも見つかり、作業員が「これは何だ!」と叫びます。
TVのニュース番組では、「ロンドンのテムズ川の地下に十字軍騎士団の墓所が発見されました」などのニュースが流されます。
発見された墓所に、一人の男(ヘンリー・ジギル:ラッセル・クロウ)に率いられた一隊が現れて、作業員たちに向かって「諸君、作業はここまで。ここは我々が管理する」と言います。
作業員らは「何者だ?」と訝りますが、皆追い払われます。
ヘンリーは、棺に近づき、刻まれているヒエログリフを読みます。
そのヘンリーの声で、「過去を葬ることは出来ない」「私は、古代の謎を解いてきた」。
そして、彼が「アマネット王女(ソフィア・ブテラ)は、狡猾で冷酷」「エジプト王・メネプトレのただ一人の後継者」「生き神として崇められるはずだった」などと説明する一方で、画面は古代エジプトに変わり、引き続きの説明(注3)に合わせてアマネットの姿が描き出されます(注4)。
次いで、画面はメソポタミア、現代のイラク。
古代の彫像が急進派のイスラム兵士らによって壊されています。
それを遠くから、ニック(注5:トム・クルーズ)が、考古学者のジェニー(アナベル・ウォーリス)から奪った地図を手にしながら、双眼鏡で見ています。そして、ニックが相棒のクリス(ジェイク・ジョンソン)に「行こう」と言いますが、クリスは恐ろしがって「嫌だ」と拒否します。すると、ニックは、クリスの水袋をナイフで切り裂いてしまい、単独で行動できないようにしてしまいます。
2人は村に入り込みますが、イスラム兵士らに激しく銃撃されます。
それで、クリスが無線で米軍の司令部にピンポイント空爆を要請。
2人はなおも逃げ回りますが、空爆のおかげで、とうとうイスラム兵士は退散します。
ですが、退避していた3階建てのビルが空爆の衝撃で崩壊して、2人は地下に開いた大きな穴に飲み込まれそうになります。
こんなところが、本作の始めの方ですが、さあこれから物語はどのように展開していくのでしょうか、………?
本作は、戦前のホラー映画『ミイラ再生』(1932年)のリブート作品。5000年の眠りから覚め人類に復讐し世界を支配しようとする古代エジプトの王女に対して、闘いを挑むのがトム・クルーズ扮するいかがわしい男と、女性考古学者。これに、秘密組織を率いる博士などが加わるだけでなく、王女の操るゾンビも襲いかかるのですから、描かれるアクションシーンはかなり派手派手しいものになります。ただ、秘密組織を率いる博士が絡む部分がどうもはっきりせず、トム・クルーズもいつものように活躍しますが、いつも以上を出ていない感じもしたところです。
(2)本作においても、ニックは、トム・クルーズが出演するこれまでの作品のように、何度もギリギリのところに追い込まれます。
例えば、メソポタミアで見つかった王女アマネットの石棺を積んだ輸送機がカラスの大群に襲われて墜落する場面は、なかなかの見せ場となっています(注6)。
また、ニックがジェニーと車で脱出しようとすると、アマネット王女やその部下がゾンビ状態となって襲いかかってきたり、水中に導かれてニックが長い時間泳ぎ回ったりするシーンも(注7)、随分とスリルがあります。
さらに、ソフィア・ブテラが演じるアマネット王女の雰囲気もなかなかエキゾチックで興味を惹かれます。
特に、アマネット王女が死の神セトと契約を結ぶ儀式を行うと、体中に文字が現れますが、ブログ「佐藤秀の徒然幻視録」のこのエントリが言うように、“耳なし芳一”のような感じがします(注8)。
それから、蘇ったアマネット王女が、ロンドンの街中を周囲の建物を破壊し砂塵を巻き上げながら進むシーンは、9.11で世界貿易センタービルが崩壊して巨大な砂塵が巻き上がった映像と類似しているなと思いました。
ですが、本作においてよくわからなかったのは、ラッセル・クロウが演じるヘンリー・ジギル氏の役割です(注9)。
突然現れて、皆が不思議がっていることの背景をいろいろ説明するかと思うと、いきなりハイド氏になりニックに襲いかかったりもするのです。
それに、ヘンリーとその部下らはなぜか強い力を持っていて、ロンドンの市街を破壊できるほど強大な力を持つアマネット王女を鎖に縛り付けたり、ニックらに襲いかかる王女の部下のゾンビらも撃退したりできるのです。
ヘンリーはどういう人物なのか、いったい何をしようとしているのか、どうしてそんなことができる力があるのかなどと、見ていて疑問にとらわれてしまいます(注10)。
さらに言えば、ニックは、輸送機とともに墜落して死んだはずながら、ジェニーが驚くように、無傷で生き返ります。また、ニックの相棒クリスも、ニックに銃で撃たれて死んだはずにもかかわらず、ゾンビのように生き返りますし、ジェニーは溺死したはずながら蘇ります。
これらは、アマネット王女の呪いに関係するものと思われますが、なぜ皆生き返るのかどうもよくわかりません(注11)。
さて、ラストに至ってもアマネットに呪いをかけられたままのニックは、この後どうなるのでしょうか?
トム・クルーズというと、その大活躍によって最後はスカッとする作品が多いように思いますが、本作は、どうもそんな感じにはなりませんでした。
(3)渡まち子氏は、「正直、本作はトム・クルーズじゃなくても良さそうな“贅沢なB級大作”なのだが、大物俳優が揃うこの超大型企画ダーク・ユニバースは確かに楽しみだ」として60点を付けています。
前田有一氏は、「見てみると、安パイならではの既視感たっぷりな展開、トガりのない演出など何もかも中途半端。これならハムナプトラの再上映でもやってりゃいいじゃない、といった印象である」として55点を付けています。
渡辺祥子氏は、「莫大な製作費を投じてスケールを広げ、新シリーズの出発点にふさわしい大作に仕立てても、本来が安手の作りのB級ホラーだからA級の風格がでないのがご愛嬌。トム・クルーズがかつてない内なる悪と善との戦いに苦悶、最後に新境地開拓の成果をさりげなく見せて続編での登場を予告する」として★3つ(「見応えあり」)を付けています。
(注1)監督はアレックス・カーツマン。
脚本はデヴィッド・コープ他。
原題は「The Mummy」。
なお、出演者農地、最近では、トム・クルーズは『ミッション・インポッシブル ゴースト・プロトコル』、ソフィア・ブテラは『キングスマン』、ラッセル・クロウは『ノア 約束の舟』で、それぞれ見ました。
(注2)十字軍についてのWikipediaの記事によれば、第1回十字軍は1096年~1099年、第2回十字軍は1147年~1148年であるために、映画の字幕が「1127年」とされているのはよくわかりません。あるいは1147年の誤りかも。
(注3)ヘンリーは、「だが、メネフトラ王に息子が誕生した」「王位を継ぐのはその子だ」「アマネットは、死の神セトと手を結んで位を奪おうとした」「アマネットはモンスターに変身した」「アマネットは、人類に復讐しようとしたが、生きたままミイラにされた」「ミイラはエジプト国外に運ばれ、暗黒の世界に落とされた」「だが、過去を葬り去ることは出来ない」などと説明します。
(注4)“死者の書”を読んでセトと契約を結び、瞳が4つになり、体中に楔形文字のような文字が現れ、父王など親族を殺したりするアマネット王女の姿が描かれます。
(注5)米軍の兵士ながら、戦闘地域で古代の遺物を探し出して売りさばいてもいます。
(注6)輸送機は一気に墜落するために、ニックとジェニーは、無重力状態の中でアチコチに振り回されますが、こうしたところは、劇場用パンフレット掲載の「Production Notes」によれば、フランスの航空宇宙企業にでかけて、エアバスA310 が作り出す「放物線飛行」(例えば、この記事)の中で撮影が行われたようです。
絶体絶命になったニックは、一つしかない落下傘をジェニーにあてがい脱出させ、自分は飛行機もろとも地上に落下していきますが、……。
なお、このシーンはこちらで見ることが出来ます。
(注7)この記事によれば、トム・クルーズは、『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』において、「水中で6分間も息を止めて演技をしていた」とのこと。
(注8)ただ、本作の場合は、文字が体の中から浮かび上がってきますが、耳なし芳一の場合は、和尚と小僧が芳一の体の上に文字を書きます。
(注9)尤も、この記事によれば、「ユニバーサル・ピクチャーズは、古典的なモンスターキャラクターを新世代に復活させる一連の映画シリーズを「ダーク・ユニバース」(DARK UNIVERSE)と呼ぶことを発表」し、「「ダーク・ユニバース」シリーズにおける全作品をつなぐ糸として、ラッセル・クロウ演じるジキル博士が率いる、世界の怪異を研究する「プロディジウム」(Prodigium)という組織がすべての作品に登場する」とのこと。
(注10)上記「注9」で書いたようなことからすると、ヘンリーは、一方でシリーズ全体の狂言回しであり、他方で、それぞれの物語にもそれなりに絡んでくるという2重の役割が与えられているようで、従って、なかなかその真の姿は明かされないのでしょう。
でも、本作だけを見る者にとっては、わざわざこうした人物を描く必要性があるのかと訝しく思えてしまいます。
(注11)ニックは、宝石の付いた刀で自分を刺しますが、その時に力を与えられて、ジェニーとかクリスを蘇らせることが出来るようになったのかもしれませんが。
★★★☆☆☆
象のロケット:ザ・マミー 呪われた砂漠の王女
(1)たまにはトム・クルーズも良いかなと思って映画館に出かけました。
本作(注1)の冒頭では、「死は新しい生命への入口」という古代エジプトの言葉が字幕で。
次いで、1127年のイングランド(注2)。
十字軍の騎士らが松明を持って進み、手に赤い宝石を持った騎士の遺体が横たわる棺が閉じられます。
そして、現代のイングランド。
地下鉄の工事現場でしょうか、巨大なトンネル掘削機が羽を回転させながら進みます。
突然、大きな空間が出現し、そこに人間の骨とか棺などがいくつも見つかり、作業員が「これは何だ!」と叫びます。
TVのニュース番組では、「ロンドンのテムズ川の地下に十字軍騎士団の墓所が発見されました」などのニュースが流されます。
発見された墓所に、一人の男(ヘンリー・ジギル:ラッセル・クロウ)に率いられた一隊が現れて、作業員たちに向かって「諸君、作業はここまで。ここは我々が管理する」と言います。
作業員らは「何者だ?」と訝りますが、皆追い払われます。
ヘンリーは、棺に近づき、刻まれているヒエログリフを読みます。
そのヘンリーの声で、「過去を葬ることは出来ない」「私は、古代の謎を解いてきた」。
そして、彼が「アマネット王女(ソフィア・ブテラ)は、狡猾で冷酷」「エジプト王・メネプトレのただ一人の後継者」「生き神として崇められるはずだった」などと説明する一方で、画面は古代エジプトに変わり、引き続きの説明(注3)に合わせてアマネットの姿が描き出されます(注4)。
次いで、画面はメソポタミア、現代のイラク。
古代の彫像が急進派のイスラム兵士らによって壊されています。
それを遠くから、ニック(注5:トム・クルーズ)が、考古学者のジェニー(アナベル・ウォーリス)から奪った地図を手にしながら、双眼鏡で見ています。そして、ニックが相棒のクリス(ジェイク・ジョンソン)に「行こう」と言いますが、クリスは恐ろしがって「嫌だ」と拒否します。すると、ニックは、クリスの水袋をナイフで切り裂いてしまい、単独で行動できないようにしてしまいます。
2人は村に入り込みますが、イスラム兵士らに激しく銃撃されます。
それで、クリスが無線で米軍の司令部にピンポイント空爆を要請。
2人はなおも逃げ回りますが、空爆のおかげで、とうとうイスラム兵士は退散します。
ですが、退避していた3階建てのビルが空爆の衝撃で崩壊して、2人は地下に開いた大きな穴に飲み込まれそうになります。
こんなところが、本作の始めの方ですが、さあこれから物語はどのように展開していくのでしょうか、………?
本作は、戦前のホラー映画『ミイラ再生』(1932年)のリブート作品。5000年の眠りから覚め人類に復讐し世界を支配しようとする古代エジプトの王女に対して、闘いを挑むのがトム・クルーズ扮するいかがわしい男と、女性考古学者。これに、秘密組織を率いる博士などが加わるだけでなく、王女の操るゾンビも襲いかかるのですから、描かれるアクションシーンはかなり派手派手しいものになります。ただ、秘密組織を率いる博士が絡む部分がどうもはっきりせず、トム・クルーズもいつものように活躍しますが、いつも以上を出ていない感じもしたところです。
(2)本作においても、ニックは、トム・クルーズが出演するこれまでの作品のように、何度もギリギリのところに追い込まれます。
例えば、メソポタミアで見つかった王女アマネットの石棺を積んだ輸送機がカラスの大群に襲われて墜落する場面は、なかなかの見せ場となっています(注6)。
また、ニックがジェニーと車で脱出しようとすると、アマネット王女やその部下がゾンビ状態となって襲いかかってきたり、水中に導かれてニックが長い時間泳ぎ回ったりするシーンも(注7)、随分とスリルがあります。
さらに、ソフィア・ブテラが演じるアマネット王女の雰囲気もなかなかエキゾチックで興味を惹かれます。
特に、アマネット王女が死の神セトと契約を結ぶ儀式を行うと、体中に文字が現れますが、ブログ「佐藤秀の徒然幻視録」のこのエントリが言うように、“耳なし芳一”のような感じがします(注8)。
それから、蘇ったアマネット王女が、ロンドンの街中を周囲の建物を破壊し砂塵を巻き上げながら進むシーンは、9.11で世界貿易センタービルが崩壊して巨大な砂塵が巻き上がった映像と類似しているなと思いました。
ですが、本作においてよくわからなかったのは、ラッセル・クロウが演じるヘンリー・ジギル氏の役割です(注9)。
突然現れて、皆が不思議がっていることの背景をいろいろ説明するかと思うと、いきなりハイド氏になりニックに襲いかかったりもするのです。
それに、ヘンリーとその部下らはなぜか強い力を持っていて、ロンドンの市街を破壊できるほど強大な力を持つアマネット王女を鎖に縛り付けたり、ニックらに襲いかかる王女の部下のゾンビらも撃退したりできるのです。
ヘンリーはどういう人物なのか、いったい何をしようとしているのか、どうしてそんなことができる力があるのかなどと、見ていて疑問にとらわれてしまいます(注10)。
さらに言えば、ニックは、輸送機とともに墜落して死んだはずながら、ジェニーが驚くように、無傷で生き返ります。また、ニックの相棒クリスも、ニックに銃で撃たれて死んだはずにもかかわらず、ゾンビのように生き返りますし、ジェニーは溺死したはずながら蘇ります。
これらは、アマネット王女の呪いに関係するものと思われますが、なぜ皆生き返るのかどうもよくわかりません(注11)。
さて、ラストに至ってもアマネットに呪いをかけられたままのニックは、この後どうなるのでしょうか?
トム・クルーズというと、その大活躍によって最後はスカッとする作品が多いように思いますが、本作は、どうもそんな感じにはなりませんでした。
(3)渡まち子氏は、「正直、本作はトム・クルーズじゃなくても良さそうな“贅沢なB級大作”なのだが、大物俳優が揃うこの超大型企画ダーク・ユニバースは確かに楽しみだ」として60点を付けています。
前田有一氏は、「見てみると、安パイならではの既視感たっぷりな展開、トガりのない演出など何もかも中途半端。これならハムナプトラの再上映でもやってりゃいいじゃない、といった印象である」として55点を付けています。
渡辺祥子氏は、「莫大な製作費を投じてスケールを広げ、新シリーズの出発点にふさわしい大作に仕立てても、本来が安手の作りのB級ホラーだからA級の風格がでないのがご愛嬌。トム・クルーズがかつてない内なる悪と善との戦いに苦悶、最後に新境地開拓の成果をさりげなく見せて続編での登場を予告する」として★3つ(「見応えあり」)を付けています。
(注1)監督はアレックス・カーツマン。
脚本はデヴィッド・コープ他。
原題は「The Mummy」。
なお、出演者農地、最近では、トム・クルーズは『ミッション・インポッシブル ゴースト・プロトコル』、ソフィア・ブテラは『キングスマン』、ラッセル・クロウは『ノア 約束の舟』で、それぞれ見ました。
(注2)十字軍についてのWikipediaの記事によれば、第1回十字軍は1096年~1099年、第2回十字軍は1147年~1148年であるために、映画の字幕が「1127年」とされているのはよくわかりません。あるいは1147年の誤りかも。
(注3)ヘンリーは、「だが、メネフトラ王に息子が誕生した」「王位を継ぐのはその子だ」「アマネットは、死の神セトと手を結んで位を奪おうとした」「アマネットはモンスターに変身した」「アマネットは、人類に復讐しようとしたが、生きたままミイラにされた」「ミイラはエジプト国外に運ばれ、暗黒の世界に落とされた」「だが、過去を葬り去ることは出来ない」などと説明します。
(注4)“死者の書”を読んでセトと契約を結び、瞳が4つになり、体中に楔形文字のような文字が現れ、父王など親族を殺したりするアマネット王女の姿が描かれます。
(注5)米軍の兵士ながら、戦闘地域で古代の遺物を探し出して売りさばいてもいます。
(注6)輸送機は一気に墜落するために、ニックとジェニーは、無重力状態の中でアチコチに振り回されますが、こうしたところは、劇場用パンフレット掲載の「Production Notes」によれば、フランスの航空宇宙企業にでかけて、エアバスA310 が作り出す「放物線飛行」(例えば、この記事)の中で撮影が行われたようです。
絶体絶命になったニックは、一つしかない落下傘をジェニーにあてがい脱出させ、自分は飛行機もろとも地上に落下していきますが、……。
なお、このシーンはこちらで見ることが出来ます。
(注7)この記事によれば、トム・クルーズは、『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』において、「水中で6分間も息を止めて演技をしていた」とのこと。
(注8)ただ、本作の場合は、文字が体の中から浮かび上がってきますが、耳なし芳一の場合は、和尚と小僧が芳一の体の上に文字を書きます。
(注9)尤も、この記事によれば、「ユニバーサル・ピクチャーズは、古典的なモンスターキャラクターを新世代に復活させる一連の映画シリーズを「ダーク・ユニバース」(DARK UNIVERSE)と呼ぶことを発表」し、「「ダーク・ユニバース」シリーズにおける全作品をつなぐ糸として、ラッセル・クロウ演じるジキル博士が率いる、世界の怪異を研究する「プロディジウム」(Prodigium)という組織がすべての作品に登場する」とのこと。
(注10)上記「注9」で書いたようなことからすると、ヘンリーは、一方でシリーズ全体の狂言回しであり、他方で、それぞれの物語にもそれなりに絡んでくるという2重の役割が与えられているようで、従って、なかなかその真の姿は明かされないのでしょう。
でも、本作だけを見る者にとっては、わざわざこうした人物を描く必要性があるのかと訝しく思えてしまいます。
(注11)ニックは、宝石の付いた刀で自分を刺しますが、その時に力を与えられて、ジェニーとかクリスを蘇らせることが出来るようになったのかもしれませんが。
★★★☆☆☆
象のロケット:ザ・マミー 呪われた砂漠の王女
こちらも、「佐藤秀」さんのブログをいつも見せていただいておりますが、そちらにTBを送ることができなくなってしまい、とても残念です。
トム・クルーズを脇に置いて、ソフィア・ブテラをもっと中心に置いて彼女の力の強大さ、恐さをもっと出した方が良かったと思います。
トムが今後どの程度かかわるかですが、次作以降でチョイ役になるんなら仕方がないところですが。
次作はもっと盛り上げてほしいですがね。
いつもTBありがとうございました。
本作は、おっしゃるように、「単独作品としてはなにか視点が定まらず凡作になってしま」ったの感があります。「次作はもっと盛り上げてほしい」と思いますが、ラッセル・クロウがまた登場するとしたら、本作とあまり変わり映えがしないのでは、という感じもしてしまいます。
推測するに、あちこちに現われる教授。なら、画面には映ってなかったが最初の空爆の時も現地である行動をしていたかもしれない。それは良心的兵役拒否者としてひたすら救助、救助、救助。だから、中盤、後半のニック、クリス、ジェニーの蘇生にも画面には映ってないが彼が関与しています。そんな彼をどうして皆がジャケンに扱えるでしょうか。
そういう事じゃないでしょうかね?(ひどい嘘つくなよ俺)
ブテラちゃんの字が浮かび上がった身体のHな部分を凝視したいです。
要するに、ヘンリーは、どこにでも現れ、何にでもなれる融通無碍の人(むろん『ハクソー・リッジ』のデズモンドにもなれます!)なので、本作において不思議の力が働いていたと思えるシーンの背後には、ヘンリーがいたということですね!
なお、「ブテラちゃんの字が浮かび上がった身体のHな部分」ですが、耳なし芳一の「耳」と同じように、「Hな部分」には文字は浮かび上がらないことでしょう!
ご指摘のジキル博士の能力や組織の力なども含め、設定がいかにもチープなところが、まさに「B級感」がぬぐえないところでしょう。
アメリカでは約8千万ドルの興収しか上げられなかった本作ですが、中国の9千万ドルを筆頭にアメリカ以外の全体で3億ドル超、合わせて4億ドル以上を稼ぎました。
ダーク・ユニバースの初戦としてはまずまず成功でしょう。
確かに、単に瞳が4つあるだけでは、その物理的効果は酷く疑わしい感じがします(一体、どんな光景が見えているのでしょう?)。
なお、本作の興収が「合わせて4億ドル以上」になるとの情報を有難うございます。IMDbによれば推定制作費が125百万ドルですから、ユニバーサルとしては次作以降にかなりのはずみが付いたことでしょう!