映画的・絵画的・音楽的

映画を見た後にネタバレOKで映画を、展覧会を見たら絵画を、など様々のことについて気楽に話しましょう。

レボリューショナリー・ロード

2009年02月08日 | 洋画(09年)
 「レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで」を丸の内ピカデリーで見ました。

 このところ、「ディパーテッド」、「ブラッド・ダイアモンド」、「ワールド・オブ・ライズ」という具合にディカプリオの出演作品を見続けており、その行きがかり上、この映画も見なければと思った次第です(としても、「タイタニック」とか「アビエーター」といった代表作は見ていないのですが!)。

 ただ、それら3作はいずれもアクション物といえるものの、この作品は、一転して完全なホームドラマとなっています。私としては、嘘臭い雰囲気が濃厚に漂いがちなアクション物よりも、こうしたホームドラマの方が、文芸調といったこともあって、趣味にあっています。とはいえ、ディカプリオという俳優がどちらにより適合しているのかは、なかなか判断し難いところですが。

 さて、夫のディカプリオは、父親が昔勤務したことのある事務機会社に入って、余り面白くもない業務に就いて毎日ダラダラした生活を続けている一方、女優志望の妻のケイト・ウィンスレットも、市民劇団に入って演劇をやるものの評判が芳しくなく、結局家に引っ込んで鬱々とした日を主婦として過ごしています。
 ですが、その家庭は、「Revolutionary Road」とよばれる高級住宅街にある住まいに子供二人と暮らしているという典型的な中流なのです。
 あるとき、突然、妻がパリにいって一から出直しを図ろうと提案し、ディカプリオもその非現実性を十分に分かりながらも賛成してしまいます。
 しかしながら、時を同じくして、ディカプリオの提案が会社の上層部に認められて抜擢されることになるとともに、妻には3人目の子供が宿ってしまいます。この家庭を守るのは自分だとしてディカプリオはパリ行きを撤回しますが、そのときからこの家庭が壊れ始めます。そして…。

 ディカプリオが出演すると、彼が主役のように思われてしまいがちなところ、この映画については、「リトル・チルドレン」で印象的だったケイト・ウィンスレットがなんといっても主役でしょう。そして、満たされない思いをグッと胸に秘めながらの演技は、さすがだなと感動しました。
 ただ、前田有一氏が、「レオナルド・ディカプリオが狼狽する終盤の演技には唸らされた。ケイト・ウィンスレットばかりが褒められているような昨今の風潮だが、ディカプリオこそ、主演男優賞にふさわしい活躍ぶりといえるのではなかろうか」と述べている点は、十分考慮する必要があるのではとも思いました。

 なお、この映画の設定は1950年代とされ、そうだとすると、アメリカの威光が最も輝いていた頃ではないかと考えられ、そういった作品を現下の未曾有の大不況の最中に見るというのも、たいそうな皮肉ではないか、と思えてしまいます。


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