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三鷹天命反転住宅

2009年02月11日 | 美術(09年)
ブログ「私が知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」の本年1月18日の記事は、河本英夫氏の『哲学、脳を揺さぶる─オートポイエーシスの練習問題』(日経BP社)を取り上げています。

 同ブログによれば、その本では、著名な前衛画家の荒川修作氏の手になる住宅「天命反転住宅」が紹介されているとのこと。さらに、当該住宅につき、「「すさまじぃークレイジー」という言葉がピッタリ。色も形も、この世のものとは思えない。赤、青、緑、黄の原色が圧し、本来「四角い」はずのドアが円形だったり、そもそも「直方体」である部屋が球体となっている」とあり、「そこで普通に一泊した翌朝、著者は「いつもと違う」筋肉痛に悩まされ」たとも書かれています。

 この住宅のある場所は三鷹。それなら我が家からそう遠くないところ、そんな面白い住宅が近くにあるなら行ってみるに如くはないと思い立ち、ネットで調べたところ、「三鷹天命反転住宅」は、荒川修作+マドリン・ギンズ(詩人)が設計したもので、2005年10月に完成、その建物見学会が2月11日(水)に開催されるとわかりました。
 見学に要する時間は1時間半で、ただ料金が一人1,500円とかなり高いものの、内部を見ることが出来るのであればソレも仕方がないと思い、早速申込みをしたうえで、当日三鷹市大沢(東京天文台の近くで、東八道路に面しています)にある住宅まで出かけてみました。

 集合時間の11時に集まったのは12人くらい、学生か建築事務所に勤務する人たちが多いようです。
 定刻になるまで若干余裕があったので、建物の外観を眺めてみましたが、上記のブログが言うように、まさに奇妙奇天烈な形と色遣いです(これでは、裁判沙汰になった楳図かずお氏の「まことちゃんハウス」も顔色なしでしょう!)。

 11時になると、早速、3階の展示用の住まいに連れていかれ、係員の説明を聞きました。
 それによれば、全体は9戸の住宅からなるマンションで、各戸は3LDKと2LDKのタイプがあって、前者の賃料は月19万円、後者は17万円。現在、1戸は事務所として使っており、残りのうち6戸で人が実際に住んでいるそうです。

 住宅の内部に入ると、中央が一段低くなってキッチンとされています、その周りに球形の部屋(床まで球形ですが、一応書斎だそうです)とか2つの四角い部屋(畳部屋と寝室)やバスルームが取り囲んでいます。さらに、床は傾斜があるだけでなく、デコボコが無数につけられています(足の土踏まずの形に合わせてあるとのこと)。
 ただ、原色が使われていた外観と異なり、内部は、様々な色が使われてはいるものの、不安定な印象を与えるものではなく、むしろ落ち着いた色使いとなっています。

 この住宅を設計した際のコンセプトは、人はすべて死ぬという“天命”をなんとかして“反転”させたい、それには、これまでの常識に反した行動をとらなければならない、そのための基盤として住まう場所を非常識的なものにする、といったことのようです〔何冊も著書を英語で出していて、その訳本が事務所に置いてありましたが、非常に難解な思想だと説明していました〕。

 好奇心を持って覗いてみるくらいならまだしも、とてもそこで暮らす気にはなれません。特に、各部屋がすべて丸見えで(トイレだけは少し隠れていますが)、一人切りになれる場所が無いというのは問題があるかもしれないと思いました。
 とはいえ、現状の自分を離れて違った自分になるためには、マズこのくらいのことは克服しなくてはならないのかもしれません。

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