めぐる糸車

夢の中にまで、雨が降ったり止んだりする気配は忍び寄っていた。今朝も目覚ましラジオは信じられないような殺人事件を伝えていた。ここのところ、朝が来ると必ずどこかで人が殺されたというニュース。なんだか世界中が目に見えない不安に追い立てられているような気がする。朝一番ぐらいもう少しマシなニュースはないのだろうかと思う。
取り込んだ朝刊のお悔やみ欄に、その昔ご近所に住んでおられたおばさんの名前。見た途端、我知らず「うっ」と声が出る。「バースくん、しんどいのは自分ばっかりじゃないの。背筋を伸ばしてね。親孝行はしなさいよ」と会うたびにおっしゃっていた。「バースくん、バースくん」と本当に可愛がってもらった。一行の訃報に、一瞬でお顔と声を思い出した。ご夫婦仲がほんとによくて、残されたご主人のお力落としを思うとやりきれない。歳を重ねるとお別れの数が増えていく。わかってはいるけれど、雨の朝にはけっこう堪えるものだ。
今日の日めくりの格言は「魚の目に水見えず」だった。人の目に空見えずで、身近で必要なものって、ついぞそのありがたさは忘れている。口ではわかったようなことを言うけれど、やっぱり人にはゴールがあるということもどこかで忘れている。
でも悲しいことあればうれしいことあり。昨日初めて事務所を訪ねてくださった方は、亡くなられて寂しいなぁーと思っていた方の息子さんだった。お互いに話の途中までそれには気がつかないままだった。ひょんなことから息子さんとわかり、息子さんもボクをバースくんと認識してくださった。お父様とはお別れしたけれど、息子さんとはじめまして…。人はみんなこういう繰り返しを重ねてやっていくんだなぁーとありがたかったし、うれしかった。
さて、そうしみじみと朝をスタートしている場合ではないのです。今日もエンジン全開、元気に出発進行です!!鳥取のイベント情報サイト　ジャングルズームノマップ鳥取