
(【7月13日 テレ朝NEWS】)
【米世論 移民問題に関して「移民は国益」と肯定的に変化 特に、共和党支持で 今後のトランプ大統領の対移民強硬策にも影響】
トランプ政権がその政策的核心に据えているのが厳しい不法移民対策です。
これまでは、トランプ大統領の厳しい不法移民対策に対する国民世論の支持は他の問題よりも高く、そのことがトランプ再選にも大きく寄与したとされてきました。
****トランプ氏の移民政策、49%が支持 物価対策評価は38%=米調査****
ロイターとイプソスが米国で実施した世論調査で約49%がトランプ大統領の移民政策を支持し、うち共和党支持者は約86%に上った。トランプ氏の国政進出以来、米国人は移民に対するタカ派的な姿勢を強めていることが改めて浮き彫りになった。
一方、移民政策と並んで2024年の大統領選で大きな争点となった物価高対策を評価したのは38%にとどまり、共和党支持者でも約69%だった。経済を最優先課題に挙げたのは移民問題の約2倍となり、トランプ氏に警鐘を鳴らした格好だ。
今回の調査は3月21―23日に実施。メキシコから米国へ不法入国しようとして捕まった移民は今年2月に過去数十年間で最低水準まで減り、米税関・国境取締局(CBP)の職員2人は3月も横ばいか、さらに減少するペースだと、内部データに基づいて明らかにした。
共和党の世論調査担当者ウィット・エアーズ氏は、トランプ氏が不法移民の流入阻止、経済成長の促進、物価高の抑制、人種と性別を多様化するリベラルな政策の否定という4つの核心的な課題に焦点を当てることで大統領に返り咲くことができたと指摘。
エアーズ氏は「これらの4つの課題の中で、移民問題が最も成功しているのは明らかだ」とした一方で、関税によって経済を脅かしている「インフレ率は上昇を続け、さまざまな経済指標は移民の指標に遠く及ばない」との見方を示した。【3月27日 ロイター】
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しかし、ここにきて世論の流れが変わったのか? と思わせる調査が明らかになっています。
****「移民は国益」トランプ政権下で急増****
トランプ政権下で、「移民は国益にかなう」と考える人が急増しています。
調査会社「ギャラップ」によりますと、今年6月に行われた調査で、アメリカの成人の79%が、移民はアメリカにとって「よい」と回答しました。 去年の64%から15ポイント上昇し、2001年の集計開始以来、過去最高ということです。
調査会社「ギャラップ」によりますと、今年6月に行われた調査で、アメリカの成人の79%が、移民はアメリカにとって「よい」と回答しました。 去年の64%から15ポイント上昇し、2001年の集計開始以来、過去最高ということです。
一方、移民はアメリカにとって「悪い」と回答した割合は17%で、過去最低を記録しました。(「グッド!モーニング」2025年7月13日放送分より)【7月13日 テレ朝NEWS】
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この移民に対するポジティブな評価への変化は、これまで移民にネガティブだった共和党支持者の間で劇的に進行しています。
****2024年の大統領選挙以降、アメリカ人は移民問題に関して方針を転換した(自動翻訳)*****
ギャラップ社の最新世論調査によると、移民に対する支持は過去最高を記録しており、大統領の強硬な反移民政策を複雑化させる可能性がある。
アメリカ国民の移民に対する見方は、この1年間で劇的に上昇しました。ドナルド・トランプ大統領による物議を醸す大量国外追放キャンペーンの中、最新の世論調査では、移民に対する支持が過去最高を記録しました。
金曜日に発表されたギャラップ社の最新世論調査によると、アメリカ人の成人の79%が移民は国にとって良いことだと考えています。また、移民の削減を望むアメリカ人の割合は、昨年の調査から55%から30%に大幅に減少しました。
一方、トランプ大統領の移民政策に対する不支持は支持を27%上回っており、大統領が大統領選の政策の柱としてきた政策分野における戦略を複雑化させる可能性がある。
トランプ大統領は、強力な反移民政策を掲げて大統領選に臨み、大量強制送還を公約し、バイデン政権下で増加する移民増加への懸念と不満の高まりを煽った。
2024年7月、ギャラップ社の調査によると、移民抑制を望むと回答したアメリカ人の数は55%に急増した。これは、2009年以来初めて、過半数のアメリカ人が移民削減を求めた状況である。
トランプ大統領は就任後、大規模な反移民政策を実施し、大規模な移民収容・強制送還措置を開始した。これらの措置により、政権は幾度となく法的問題に巻き込まれた。しかし、トランプ大統領の取り締まりが強化されるにつれ、移民に対するアメリカ人の否定的な見方は逆転した。
ギャラップ社によると、移民政策に対する支持率が過去最高を記録したのは、共和党支持者の意識の高まりが大きな要因となっている。
共和党支持者の64%が移民は国にとって有益だと回答し、昨年の39%から大幅に上昇した。民主党支持者の間では移民政策への支持率は一貫して高く、91%が移民政策は肯定的だと回答している。一方、無党派層は2024年の66%から今年は80%に上昇した。
アメリカ人の移民に対する認識の急激な変化は、トランプ大統領が選挙運動で重視していた懸念が薄れたことを示唆している。そして、移民問題への懸念が薄れるにつれ、移民を阻止または撤回するための厳しい措置への支持も薄れている。
すべての不法移民を強制送還することに対する支持率は、昨年の47%から38%に低下した。
昨年はトランプ大統領が選挙運動中に政策公約として掲げ、この政策が「異例の」高水準に達した。不法移民の大量送還に対する支持率は、2019年と同水準の37%にとどまっています。
一方、市民権取得への道筋の拡大に対する支持も高まっており、不法移民にも市民権を取得させるべきだと答えたアメリカ人は78%で、昨年の70%から増加しました。この増加は政党間の支持率上昇を反映していますが、共和党支持者の増加幅が最も大きく、支持率は13ポイント上昇しました。
ギャラップ社は6月2日から26日まで、1,402人のアメリカ人成人を対象に電話インタビューで調査を行いました。誤差は±4パーセントポイントです。【7月11日 ポリティコ】
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世論の変化の理由についてAIは3点指摘しています。
*****なぜ今、これほど肯定的?****
1.「不法入国減少」の実感:2025年に国境越境が激減したことを背景に、過度な制限を求める気運の低下 。
2.経済的な必要性:農業・飲食業などでの労働力不足が顕在化し、「移民労働」は有益との認識が広がる。
3.世論の安定化:パンデミック以降に高まった移民不安が収束し、コロナ前の「移民肯定的」傾向に戻りつつある
3.世論の安定化:パンデミック以降に高まった移民不安が収束し、コロナ前の「移民肯定的」傾向に戻りつつある
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【移民大国アメリカでいま何が起きているのか】
****アメリカンドリームが悪夢に 揺れる移民大国で何が?****
「アメリカに来たことを後悔しています。よりよい未来が悪夢になってしまったから」
こう話すのは、南米ベネズエラ出身の22歳の女性。ことし2月、一緒にアメリカに来た夫が突然いなくなり、その後、国外追放されたと知らされた。
ある国からの“難民”は歓迎する一方、不法移民と位置づける人たちへの対応は大幅に厳格化するトランプ政権。
移民大国アメリカでいま何が起きているのか。その現場を追った。(ワシントン支局記者 西河篤俊)
こう話すのは、南米ベネズエラ出身の22歳の女性。ことし2月、一緒にアメリカに来た夫が突然いなくなり、その後、国外追放されたと知らされた。
ある国からの“難民”は歓迎する一方、不法移民と位置づける人たちへの対応は大幅に厳格化するトランプ政権。
移民大国アメリカでいま何が起きているのか。その現場を追った。(ワシントン支局記者 西河篤俊)
トランプ大統領が歓迎する“難民”?
5月12日。 首都ワシントン近郊の国際空港に赤ちゃんや幼い子どもを連れた家族など、およそ60人の一行が降り立った。ワシントンから1万3000キロほど離れた南アフリカから来た人たちだ。
人口の7%にすぎない白人が農地の70%を所有している南アフリカ。この格差を解消しようと、南アフリカ政府はことし1月、長年使われていない土地を政府が補償なしで収用できるとする新たな法律を制定した。
これに対しトランプ政権は少数派の白人の権利を脅かす差別的な政策だと主張。南アフリカ出身の実業家のイーロン・マスク氏も南アフリカ政府を批判した。 さらにトランプ大統領は「南アフリカでは白人の虐殺が起きている」と一方的に主張している。
そうしたなかでトランプ政権は南アフリカで不当な扱いを受けている人たちを保護するとして“難民”と認め、受け入れを始めた。空港では国務省や国土安全保障省の幹部が出迎えるほどの歓待ぶりだ。(中略)
しかし、これは極めて異例の対応だ。
トランプ政権はことし1月の政権発足初日、難民の受け入れプログラムについて「一時停止する」と表明している。バイデン政権下の4年間で記録的な数の人たちが難民として流入したというのがその理由だ。
野党・民主党の議員などからは南アフリカからの“難民”の受け入れについて「特別扱いだ」として批判が相次いでいる。
アフガニスタンやミャンマー、スーダンなど、ほかの国からの受け入れを停止している中で、ダブルスタンダードだというのだ。
これに対しトランプ政権は少数派の白人の権利を脅かす差別的な政策だと主張。南アフリカ出身の実業家のイーロン・マスク氏も南アフリカ政府を批判した。 さらにトランプ大統領は「南アフリカでは白人の虐殺が起きている」と一方的に主張している。
そうしたなかでトランプ政権は南アフリカで不当な扱いを受けている人たちを保護するとして“難民”と認め、受け入れを始めた。空港では国務省や国土安全保障省の幹部が出迎えるほどの歓待ぶりだ。(中略)
しかし、これは極めて異例の対応だ。
トランプ政権はことし1月の政権発足初日、難民の受け入れプログラムについて「一時停止する」と表明している。バイデン政権下の4年間で記録的な数の人たちが難民として流入したというのがその理由だ。
野党・民主党の議員などからは南アフリカからの“難民”の受け入れについて「特別扱いだ」として批判が相次いでいる。
アフガニスタンやミャンマー、スーダンなど、ほかの国からの受け入れを停止している中で、ダブルスタンダードだというのだ。
「不法移民はゲームオーバー」
難民だけではない。 トランプ政権は不法移民対策を最優先課題と位置づけ、さまざまな政策を実行に移している。政権発足以降、国境沿いの壁の建設を再開し国境警備も強化した。
移民税関捜査局が3月に確認した不法入国者の数は7181人で、バイデン前政権下だった去年3月と比べて、95%の大幅な減少になったとしている。トランプ政権は不法移民の流入を大幅に食い止めたことを成果として繰り返し強調している。(中略)
移民税関捜査局が3月に確認した不法入国者の数は7181人で、バイデン前政権下だった去年3月と比べて、95%の大幅な減少になったとしている。トランプ政権は不法移民の流入を大幅に食い止めたことを成果として繰り返し強調している。(中略)
1798年の法律まで使って
政権が力を入れているのは入国の阻止だけではない。すでにアメリカ国内で暮らしている人たちの国外追放にも乗り出している。
ホワイトハウスは4月上旬までに不法移民11万3000人以上を拘束し10万人以上を国外追放したとしている。その措置のために適用した手法の1つが「敵性外国人法」だ。
敵性外国人法は1798年につくられた法律。戦時中、敵国の出身者などを対象にしたもので、第2次世界大戦では日本などからの移民を拘束するために使われた。この法律では裁判所の手続きなしに外国人の拘束や追放が可能になる。
トランプ政権は「南米ベネズエラのギャング組織がアメリカに対して戦争を仕掛けている」と主張。「敵性外国人法」を適用し、そのメンバーとする人たちの拘束、国外追放に乗り出した。
しかもベネズエラに強制送還するのではなく中米エルサルバドルの巨大刑務所に収監するという。
ホワイトハウスは4月上旬までに不法移民11万3000人以上を拘束し10万人以上を国外追放したとしている。その措置のために適用した手法の1つが「敵性外国人法」だ。
敵性外国人法は1798年につくられた法律。戦時中、敵国の出身者などを対象にしたもので、第2次世界大戦では日本などからの移民を拘束するために使われた。この法律では裁判所の手続きなしに外国人の拘束や追放が可能になる。
トランプ政権は「南米ベネズエラのギャング組織がアメリカに対して戦争を仕掛けている」と主張。「敵性外国人法」を適用し、そのメンバーとする人たちの拘束、国外追放に乗り出した。
しかもベネズエラに強制送還するのではなく中米エルサルバドルの巨大刑務所に収監するという。
エルサルバドルの刑務所人権団体や弁護士などからは「平時に適用するのは問題だ」とか「ギャング組織のメンバーとする根拠が示されていない」といった懸念や批判の声が相次いでいる。
有力紙、ニューヨーク・タイムズはトランプ政権がギャングのメンバーだとして国外追放した200人あまりについて独自に調査した結果、ギャングとのつながりがあると見られる人はごくわずかだったと伝えている。
有力紙、ニューヨーク・タイムズはトランプ政権がギャングのメンバーだとして国外追放した200人あまりについて独自に調査した結果、ギャングとのつながりがあると見られる人はごくわずかだったと伝えている。
突然いなくなった夫…
夫が国外追放になったという女性が取材に応じてくれると聞き、私たちは南部アーカンソー州に向かった。
ベネズエラ出身のホアニ・サンチェスさん、22歳。 おととし11月、夫とともにメキシコとの国境を越えてアメリカに渡ってきた。強権的な政治体制から逃れるためだったと説明する。
ベネズエラ出身のホアニ・サンチェスさん、22歳。 おととし11月、夫とともにメキシコとの国境を越えてアメリカに渡ってきた。強権的な政治体制から逃れるためだったと説明する。
ホアニ・サンチェスさんビザなどの正式な書類は持っていなかったが、移民の受け入れに寛容だったバイデン政権のもと、入国後に亡命を申請しアメリカでの滞在が認められた。(中略)
ところが、ことし2月。 夫のフランコさんは移民当局との定期的な面接に出かけると、理由もわからないまま拘束されてしまった。
ようやく連絡がとれたのは、およそ1か月後。 久々に聞く夫の声。喜びもつかの間、サンチェスさんは思いもよらないことを伝えられたという。
ところが、ことし2月。 夫のフランコさんは移民当局との定期的な面接に出かけると、理由もわからないまま拘束されてしまった。
ようやく連絡がとれたのは、およそ1か月後。 久々に聞く夫の声。喜びもつかの間、サンチェスさんは思いもよらないことを伝えられたという。
サンチェスさん
「夫は電話で『国外追放される』と私に言いました。『そんなことはありえない』と私は夫に伝えましたが、それが夫からの最後の電話となりました」
「夫は電話で『国外追放される』と私に言いました。『そんなことはありえない』と私は夫に伝えましたが、それが夫からの最後の電話となりました」
その後、相談した弁護士から知らされたのは、夫が当局からギャング組織のメンバーとみなされ、ベネズエラではなくエルサルバドルに送られたとみられるということだった。
夫のフランコさんには犯罪歴もギャング組織との関わりもないというサンチェスさん。寝耳に水の話に絶望的な気持ちになったという。
アメリカ、ベネズエラ、そしてエルサルバドル。家族3人は3つの国に離ればなれになり、再会できる見通しは立っていない。
「パパが連れて行かれちゃった。パパに会いたい」 ベネズエラに残してきた5歳の娘、イバンニちゃんが泣きながら、そう叫んでいる動画をサンチェスさんが見せてくれた
夫のフランコさんには犯罪歴もギャング組織との関わりもないというサンチェスさん。寝耳に水の話に絶望的な気持ちになったという。
アメリカ、ベネズエラ、そしてエルサルバドル。家族3人は3つの国に離ればなれになり、再会できる見通しは立っていない。
「パパが連れて行かれちゃった。パパに会いたい」 ベネズエラに残してきた5歳の娘、イバンニちゃんが泣きながら、そう叫んでいる動画をサンチェスさんが見せてくれた
取材中、感情を抑え、冷静に話をしてくれていたサンチェスさんだったが、動画を見ると堰を切ったように涙があふれ出していた。
サンチェスさん
「本当に悲しくてつらいです。もし生まれる場所を選べるのであれば、ベネズエラを選ぶことはなかったでしょう。でも今はアメリカに来たことも時々後悔しています。 よりよい未来を求めてここに来たのに、それが悪夢になってしまったからです」
「本当に悲しくてつらいです。もし生まれる場所を選べるのであれば、ベネズエラを選ぶことはなかったでしょう。でも今はアメリカに来たことも時々後悔しています。 よりよい未来を求めてここに来たのに、それが悪夢になってしまったからです」
“誤って”強制送還の人も
さらに。 不法移民対策ではエルサルバドル出身のある男性の扱いが大きな物議を醸した。トランプ政権がことし3月、メリーランド州に住んでいたアブレゴ・ガルシアさんをエルサルバドルに強制送還したのだ。
トランプ政権の措置をめぐって連邦最高裁判所は4月、男性はアメリカで保護対象となっていたにもかかわらず「行政上の手続きミスで誤って強制送還された」と指摘。 アメリカへの帰還を支援するよう、トランプ政権に求めた。
これに対してトランプ政権は「男性はギャングのメンバーでテロリストだ」として、強制送還の措置は正当だったと主張。アメリカのメディアが連日、大きく報道する事態となったのだ。
そのさなかの4月中旬。ホワイトハウスのレビット報道官は緊急の会見を開いた。
トランプ政権の措置をめぐって連邦最高裁判所は4月、男性はアメリカで保護対象となっていたにもかかわらず「行政上の手続きミスで誤って強制送還された」と指摘。 アメリカへの帰還を支援するよう、トランプ政権に求めた。
これに対してトランプ政権は「男性はギャングのメンバーでテロリストだ」として、強制送還の措置は正当だったと主張。アメリカのメディアが連日、大きく報道する事態となったのだ。
そのさなかの4月中旬。ホワイトハウスのレビット報道官は緊急の会見を開いた。
“特別ゲスト”が訴えたのは…
会見の案内には「特別ゲストを迎える」と書かれていたものの、会見の内容やゲストが具体的に誰かは明かされていなかった。
張り詰めたような緊張感が漂う会見場に姿を見せたのは、パティ・モリンさんという女性だった。 強制送還が問題となったガルシアさんと同じメリーランド州に住んでいて、おととし娘を殺害されたという遺族だ。
加害者とされたのは不法移民の男。ガルシアさんとは全くの別人だ。 パティ・モリンさん意外な特別ゲストの登場に会見場の記者たちも驚いた様子だった。モリンさんはみずからの体験を話し始めた。
張り詰めたような緊張感が漂う会見場に姿を見せたのは、パティ・モリンさんという女性だった。 強制送還が問題となったガルシアさんと同じメリーランド州に住んでいて、おととし娘を殺害されたという遺族だ。
加害者とされたのは不法移民の男。ガルシアさんとは全くの別人だ。 パティ・モリンさん意外な特別ゲストの登場に会見場の記者たちも驚いた様子だった。モリンさんはみずからの体験を話し始めた。
モリンさん
「娘のレイチェルは37歳で5人の子どもがいました。娘が死ぬなんて予想もしていませんでした。私は娘たちとスーパーに行く約束をしていたんです。
それなのに不法移民の男がレイチェルをレイプした上、生き延びて事件について語ることがないように首を絞めて殺害しました」
「娘のレイチェルは37歳で5人の子どもがいました。娘が死ぬなんて予想もしていませんでした。私は娘たちとスーパーに行く約束をしていたんです。
それなのに不法移民の男がレイチェルをレイプした上、生き延びて事件について語ることがないように首を絞めて殺害しました」
そして不法移民対策の必要性を涙ながらに訴えると、会見場は静まりかえった。
「トランプ大統領はこういう不法移民をわれわれの国から排除しようとしています。犯罪者は排除しなければなりません。 なぜこんな良心のかけらもないような暴力的な犯罪者が、私たちの母親、姉妹、娘たちを殺害するのを許さなければならないのでしょうか。これ(不法移民対策)が問題になること自体が私には理解できません」
レビット報道官は不法移民による犯罪を防ぎ、治安を回復するための対策が必要だとその正当性を主張した。
レビット報道官 「わが国の安全を確保し、地域社会から暴力的な外国人犯罪者を追い出す。これがアメリカ国民が圧倒的な票でトランプ大統領を返り咲かせた理由だ」
取材を通じて
物議を醸しているトランプ政権の不法移民対策。
国民の評価は分かれている。トランプ大統領の移民政策全般について尋ねた各種世論調査の平均値は「支持する」が49.5%、「支持しない」が46.8%。(注:当該記事の時点での数字)
支持が4割前後にとどまる経済政策やインフレ対策への評価と比べると、根強い支持を得ているという見方もできる。
国民の評価は分かれている。トランプ大統領の移民政策全般について尋ねた各種世論調査の平均値は「支持する」が49.5%、「支持しない」が46.8%。(注:当該記事の時点での数字)
支持が4割前後にとどまる経済政策やインフレ対策への評価と比べると、根強い支持を得ているという見方もできる。
トランプ政権1期目でも中東の一部の国からの入国制限に乗り出すなど、外国からの入国に厳しい姿勢を見せていたが、その姿勢は2期目になってより強硬になっていると感じる。
レビット報道官が言うように、去年の大統領選挙での勝利で支持者の後ろ盾があると自信を深めたのかもしれない。
今後、議論になってくるのは、誰を「不法移民」とみなし、国外追放などの対象にするのかという点。 トランプ政権は「国境を不法に越えてきた人は不法移民にあたり犯罪者だ」という考え方を示している。
この考え方でいくと、夫が国外追放となったサンチェスさんのように「正規の手続きを経ずに入国した人たち」、undocumented immigrants と呼ばれる人たちも国外追放の対象になる可能性がある。
ただアメリカではこうした人たちが建設業や製造業、飲食業、農業など幅広い分野で働き、アメリカ経済を支えているという一面もある。
今回、取材で訪れたメキシコと国境を接する町でもトランプ政権になって以降、国境を越えて来る人たちが激減。中心部の大通りは閑散とし、まちの人たちからは地域経済の低迷を嘆く声が聞かれた。
1期目のトランプ政権からバイデン政権、そして2期目のトランプ政権と、政権によってまったく異なる対応が矛盾をうみだし、問題をさらに複雑にしている。(後略)(2025年5月5日 ニュース7などで放送)
レビット報道官が言うように、去年の大統領選挙での勝利で支持者の後ろ盾があると自信を深めたのかもしれない。
今後、議論になってくるのは、誰を「不法移民」とみなし、国外追放などの対象にするのかという点。 トランプ政権は「国境を不法に越えてきた人は不法移民にあたり犯罪者だ」という考え方を示している。
この考え方でいくと、夫が国外追放となったサンチェスさんのように「正規の手続きを経ずに入国した人たち」、undocumented immigrants と呼ばれる人たちも国外追放の対象になる可能性がある。
ただアメリカではこうした人たちが建設業や製造業、飲食業、農業など幅広い分野で働き、アメリカ経済を支えているという一面もある。
今回、取材で訪れたメキシコと国境を接する町でもトランプ政権になって以降、国境を越えて来る人たちが激減。中心部の大通りは閑散とし、まちの人たちからは地域経済の低迷を嘆く声が聞かれた。
1期目のトランプ政権からバイデン政権、そして2期目のトランプ政権と、政権によってまったく異なる対応が矛盾をうみだし、問題をさらに複雑にしている。(後略)(2025年5月5日 ニュース7などで放送)
【6月4日 NHK】
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