孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

ミャンマー  スー・チー、宝石、鳥インフルエンザ

2008-02-01 14:14:34 | 世相
昨年の僧侶を中心とした反政府運動弾圧、その過程でおきた日本人ジャーナリストの殺害事件以降、あまり目立ったニュースを聞きません。
そんなミャンマーに関する話題を2,3ひろってみました。

先ずは政治的なところでは、久しぶりのスー・チーさんの話題。
****スー・チーさん、軍政高官および自党幹部と面会*****
自宅軟禁されているアウン・サン・スー・チーさんは30日、軍事政権のアウン・チー労働相兼調整担当相と5回目の会談を行ったが、結果には満足していないと述べた。
広報担当が読み上げた声明の中でスーチーさんは、自身の父でありミャンマー独立の父、故アウン・サン氏の「最高を願い、最悪に備えよ(Hope for the best, and prepare for the worst)」という言葉を引用した後、「これまでも長年そうしてきたように、われわれは辛抱強くあらねばならない。わたしは人々に誤った希望は与えたくない。時がくればもっと話せるだろう。今のところ、政府からは何の明確なメッセージも得ていない」と述べた。【1月30日 AFP】
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スー・チーさんが軍事政権側に、少数民族代表も含めた国民的和解のための対話を求めていますが、軍事政権側との調整は一向に進展せず、「国際社会の批判をかわすためのポーズに過ぎない」(外交筋)とみられています。
いつもの“スー・チーカード”のようです。
「最高を願い、最悪に備えよ」・・・普段どこかで使えそうな言葉ですね。覚えとこう・・・。

ところで、ミャンマーの特産品と言えばルビーや翡翠などの宝石。
私も6年前のミャンマー旅行の際に、お土産にヤンゴンの国立宝石博物館で翡翠の置物を買ったことがあります。
また、ルビーに関しては、世界のルビーのうち最大9割を供給しているとか。

欧米諸国から厳しい経済制裁を受けているミャンマーですが、15日から5日間、ヤンゴンで宝石の展示競売会が開催されたそうです。
米国や人権団体が競売会のボイコットを呼び掛けたものの、約280人の外国人バイヤーが同競売会に参加。
昨年11月にも開催されたらしく、そのときの売上げは約160億円。
今年3月にも開催予定で、中国、タイ、シンガポールからの需要が旺盛だそうです。
この宝石展示会は、軍事政権にとっては重要な収入源となっています。【1月20日 時事】

内外で評判の悪い軍事政権ですが、国民生活のためになるようなことを全くやっていない・・・という訳でもないようです。
ミャンマーでは、鳥インフルエンザの感染拡大を防止するための農民向けの教育・啓蒙キャンペーンが効果をあげているという記事がありました。

*******鳥インフルエンザ啓蒙活動が成果******
この軍事政権国で12月末、強毒性の H5N1型ウイルスに感染した鶏約1,000羽、アヒル20羽、ガチョウ数羽が死亡したことを受けて、情報の流れが確保され、警告が発せられるまでに至った。
今回の農民の対応は、ビルマで行われてきた教育・啓蒙キャンペーンの成果である。
この情報キャンペーンは、FAOなど国連機関ならびにビルマの畜産省および保健省の職員が中心となって推進してきた。
研修では、感染した家禽類の特定方法、家で飼育している鶏が死亡し始めた時の対処方法、人の自己防衛方法、通知すべき当局などについて現地の言葉で指導が行われた。【1月28日 IPS】
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新型インフルエンザの発生が世界的脅威となっているおり、また、先日27日のブログでも触れたようにインドなどで感染が拡大し、有効な対策がとられていないなかにあっては、ミャンマー軍事政権の対応は評価されるべきものでしょう。(http://blog.goo.ne.jp/azianokaze/d/20080127
もっともそのことで、依然として反体制派への圧力を緩めない強権的政治が正当化されるものではありませんが。

昨年正月マンダレーを旅行した際世話になった日本語ガイド氏が、最近日本からの観光客が少なく生活が大変だとこぼしていました。
その後の事態で、観光客は激減していることでしょう。
どうやって暮らしているのか・・・気がかりです。


コメント
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