AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

主人公は僕だった

2007年05月28日 | しねしねシネマ

久々に面白い映画を見てきました。『主人公は僕だった』。
かなりネタばれしてしまいますんで内容知りたくない方はエロサイトでも閲覧してて下さい。

これはもう邦題に惹かれましたね。なんか想像つくようなつかんような、とてもシンプルで素敵なナイスタイトル。
「僕は君のためにこそ死ににいく」とかいう長ったらしい邦題(ってこれは邦画か・・・)とは大違い。タイトルでそこまで説明してどないすんねん!
そういえば最近この高の原くんだりまで窪塚君が舞台挨拶にきとったみたいだが今はそれ関係ありませんので。

『主人公は僕だった』<ってタイトルを最初聞いたとき、なんかブラピやアルパチーノなどの有名俳優がドンパチアクションを繰り広げる中、無名の脇役俳優がラストにズームアップされて「ええっ!!僕が主人公やったん!?」というドッキリサプライズな話を想像してしまったのですが、実際は繰り返しの毎日を過ごしている平凡な国税庁の会計検査官が、ある日突然どこからか彼の行動を文学的な表現で語る女性のナレーションが聞こえてきて、自分が小説の主人公であったことに気づかされる。そして自分に死が近づいていることをほのめかす予告話を聞かされ、自分の人生を見つめ直すといった内容。
まぁ癌宣告を受けた主人公の物語のようなもんですかね。

まず、あまり主人公とかには成りえなさそうなのっぺりとした感じのウィル・フェレルという役者さんのキャスティングが的を得ていたなと思った。いかにも地味~な検査官役を見事に演じておりました。
彼にいちいちまとわりつくナレーション、そして妙なカウンターやアイコンのCGも効果テキメンで楽し過ぎで、もう最初から腹抱えて笑ってしまいました。もちろん声は押し殺していましたが、観客も私を含めて4人しかいなかったので体をおもっきり隣席によじらせたりもできますし、鼻毛を抜きながらまるで自分の部屋にいるかのようにゆったりと鑑賞できるのです。

まぁこの映画『トゥルーマン・ショー』とかの雰囲気を思わせそうな話なんですが、なかなか切ないラブ・ストーリーなんかも普通に展開されたりと、こちらの方がより日常的でそれほどカラクリっぽさを感じさせない。
私的には『エターナルサンシャイン』の要素を強く感じたのだけれど、ミッシェル・ゴンドリーやチャーリー・カウフマンが作り出す物語ほど複雑怪奇というわけではなく、結構ストレートな映画でした。

ただよくわからなかったのが、原題は『STRANGER THAN FICTION』で“小説より奇なり”という意なのですが、なぜ小説の主人公が現実の世界と全く同次元に実在しておったのかがよーわからんかった。
彼女が書く小説より“実在の主人公に彼女のナレーションが聞こえてくるという奇妙な現象が起こっている”現実の方が“奇なり”といっているのでしょうか?
じゃあこの女小説家が劇中で執筆している『税金と男(死だったっけ?)』という本はヒルバート教授が「傑作!!」と褒め称えるようにそんなに面白い小説なのか?例えば彼女のナレーションの声に本の中の彼が「誰だ?」と気づくシーンもちゃんと盛り込んであるのか?そのくだりがないと彼はギターを弾くこともなかったろうし、脱税者のパン工房の女性とも恋に落ちることもなかった。そこんところがよーわかりません。

ま、そんなことは別に考えなくても、私が上映前にポイントカードのことで受付嬢とひと悶着あったことさえ忘れさす、本当にハートフルな心温まるコメディー映画でした。

オススメ度:★★★★

今日の1曲:『TAX MAN』/ THE BEATLES
コメント (2)
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