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AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

ア、ショーカ

2011年06月21日 | 二酸化マンガ

ラッパー(?)の三宅洋平氏がSNSかブログかなんかで、自分の娘を連れて手塚治虫の最近制作されたアニメ映画『ブッダ ~赤い砂漠よ!美しく~』を観にいって、「あまりにも残酷なシーンが出てきて娘がトラウマになったじゃないか!どうしてくれる!Tokyo Times!」みたいなモンスターペアラント的なことをつぶやいてたらしいんだが、ご愁傷様というよりバンダカなーって。




てゆーかこの人『ブッダ』読んだことなかったのか?
そろそろ手塚治虫作品を、よい子も安心して楽しめる品行方正なマンガっていう幻想をやめたらどうだ?

だいたい手塚治虫の『ブッダ』ってのは、紀元前5~6世紀にインドに存在したとされるガウタマ・シッダルタ(釈迦)の伝記マンガで、あの時代って、カーストという厳格な身分制度が著しかった時代で、スードラ(奴隷)がなぶり殺されたり、市民が敵国の武将に虐殺されたりするシーンが出てくるのは当たり前じゃん。




第一部ではシッダルタはまだ登場せず、スードラ出身のチャプラの物語がメンイ。
スードラってだけで、問答無用で処刑される。



そういう身分制度や天災や戦争の苦しみから人々を救おうと出家したのが、クシャトリヤの王子であったブッダなんだからさ。
本当に無知というか、歴史背景の認識不足も甚だしいかと。
ガキ連れて映画行きたいんならワンピースとか、ドラえもん祭りとか幼児向けの映画なんぼでもあるからその辺観とけばいい。


とにかく自傷行為の多いマンガ。苦行僧デーパの目焼きシーンはその一例だ。



エグいシーンといえば、シッダルタが修行を始めたばっかの頃アッサジというハナタレ小僧を連れて旅してた時期があって、まぁアッサジは写楽なんだが、じつは彼こそがシッダルタを目覚めさせるキッカケになった最重要キャラクターだったりする。




なんせ彼は神から余命を宣告され、予言どおり生きたまま飢えたオオカミの親子に自らを食わせるという行動に出たのだから!
まさにこの作品の中核を担う衝撃シーンなんだが、映画ではちゃんと再現されてるのかなぁ~




まぁ期待は半分にとどめておこう。
そもそもこの手塚の渾身のスペクタクル大河超大作を2時間に集約するのはなかなか難しいだろう。




そんなことより、私の甥っ子が数年前にかした『ブッダ』のマンガ全巻、全然返してくれないんよ!!
姉(長女)にもそれとなく電話で伝えといたのに・・・

で、こないだ久々に甥っ子が訪ねてきて、手にマンガ入ってそうな紙袋をひっさげていたので「キターー!」って思ったら中身は今ガキんちょの間で人気の『ワンピース』だった。
どうやら会社の同僚の話題についていけない姉(次女)が甥っ子に頼んでいたものらしい。
でもなんで一緒に『ブッダ』を持ってきてくんないんよ?
ひょっとしたら今はワンピースに夢中で、『ブッダ』なんて時代遅れの最古参の手塚のマンガなぞ読んでるヒマないので、クソ叔父のマンガなんて半永久的に放っておいても大丈夫だろうってナメくさっとんやないか!
うん、きっとそうに違いない!
ケーーっ!どいつもこいつも軽薄な時代の流行に流されやがってよー!

でもよく考えたら自分かって甥っ子くらいの年の時分、キン肉マンとかドラゴンボールとか、その時流行ってた低俗な大衆向け少年漫画にハマってたじゃないか。
手塚作品にハマりだしたのは高校生ぐらいだったから、甥っ子にはまだ早いのかもね。

でも、彼にもいつかわかる時がくるよね。
今まで読んでたマンガがいかに子ども騙しであったか。
手塚治虫作品がいかに偉大で他のマンガを遥かに凌駕しているかってことが。

そのことに気づいた時、私は彼のことをこう呼ぼう!

ブッダ(目覚めた人)と!!







今日の1曲:『Don't Test Da Master』/ Buddha Brand

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