酒と畑に戯れるオヤジな私

酒を飲み、土を耕し、人と語り、日々に感動しながら楽しく生きるブログ

動く博物館

2005年08月27日 | 都電 荒川線を誉める
広島駅前 8月24日 快晴だった





広島市内は 路面電車王国 「電車の動く博物館」だった

自前の車両はもちろん 全国各地から集ってきた路面電車

最近は どの鉄道も 車両製作の効率化が進み スタイルが均一化している

ここでは そんな風潮はどこ吹く風だった

いろいろな表情 顔をした電車が疾走している

そう まさに生き生きと駆け抜ける 広島路面電車群の雄姿だった

今日は 個性豊かな これら広島の電車たちから紹介しましょう


初めは 宮島口に到着した 「広電」の3連節車両





折り返し広島行きとなる 約1時間の所用タイム 料金は270円と安い

市内で路面を走行するまでの30分

素晴らしいスピードを披露してくれた

ATS 信号機を設置した 本格派  路面電車と侮れない実力の持ち主だった

俳優でいえば 主役 脇役 どちらも演じられる 田中邦衛のような電車だった


次に紹介するのは かなりの堅物 黄色一色だ

あまり 融通がききそうもない 頑固者のイメージが強い

きっと 風邪ひとつ引かない働き者で 律儀者なのだろう

高速鉄道並みの 屋根のパンタグラフが 他の仲間に威圧感をあたえている

ちゃぶ台をひっくり返す 小林亜星のタイプだ





その威圧感を 軽く受け流し 背筋を伸ばして 飄々としているのが

京都出身 お公家の出 キミマロだ

いつも単車(ひとり)で わが道をゆく

そして 最近は 中高年の乗車率がよく 売れに売れている

橙色と緑のツートンカラーが 気品を漂わせていた




これは富山からの 転入者ではあるまいか

「スッピン魂」を書き 陣内菊次郎を蹴っ飛ばしている 異能の女優 室井滋だ

ものごと 人間に対する観察力がするどい

額に燦然と輝く 2つのライト

彼女の 観察眼のよさの秘訣は ここにあったか


 


このブルーの容貌 風情はブルーコメッツ以外の 何者でもない

”森トンカツ 泉ニンニク さそ~われテンプラ”

子どもたちが 替え歌で楽しんでいたのが つい最近のような気がする





みどり色の華やかな容貌

そして ちょっと おつにすましたこの容姿 気も強そうだ

なんとなく”おひまなら 来てよね”

五月みどりを連想させた





駅員さんが 臨時の改札口を設けている

暇をみて 話しを伺う

何種類の電車が活躍しているかは 定かでない

しかし 今年 最新型を一編成だけ投入したという

まだ 新幹線に乗るまで時間がある

ぜひ 拝見していきたい  





待つこと30分 やって来ました

なんと5連節のスーパー・スター







「グリーン・ムーバー・マックス」は 女性車掌が同乗していた

世界の どの都市に出演しても遜色のない このスタイルと美貌 気品

往年の大スター モナコ王妃のグレース・ケリーその人だった



広島の路面電車は 噂に違わず 実に多彩な車両を使用していた

軌道敷内は 路面電車の天敵 車の進入が禁止されている

ほぼダイヤどおりの運行が 市民の人気を得ているようだ


そこで 話は都電荒川線に移ります

これは 俳優に例えるなら 福本省三だ

東映大部屋所属が40年 斬られた回数2万回にも達した無名俳優だった

それが トムクルーズに見出されて「ラスト サムライ」に出演

セリフはほとんどなかったが 存在感が抜群だった





一方 写真の荒川線は7005型

私が 高校時代に利用していた車両が更新されたものだ 骨董品だ

40年どころか50年間も シコシコと下町を動いていたことになる

勤続50年 人間なら年金がついても おかしくない年数だ

41系統もあった路線で ただ一人黙々と生きてきた7005型だった

下積みから 見事にスポットライトを浴びることになった

こんな 喜ばしいことはない やはり 電車も人間も同じ

時代が変われば なにがおこるか 分からないものだ


今回の旅の終章を 福本省三さん 都電荒川線で締めることになりました