酒と畑に戯れるオヤジな私

酒を飲み、土を耕し、人と語り、日々に感動しながら楽しく生きるブログ

本門寺暮雪

2014年02月21日 | 鬼平を歩く
思わぬ雪かきで生じた腰痛も収まった快晴の一日

M君の誘いで出かけてきました 太田区立の「池上梅園」 咲き誇る梅は370本です

戦前までは 日本画家伊東深水氏の自宅兼アトリエだったそうです



前回訪れたのは29年前 昭和60年のことです 三人のオジさんによるゼロハン・ライダーの時代でした





当時はなかった高台に設けられた「架橋」からの眺めです



この日のお目当ては蝋梅でしたが 1月に咲き終えて残念!  来年に期待です



茶室 聴雨庵

戦時中 昭和19年には東条内閣打倒の密議が 岡田啓介 米内光正 末次信正らを集めて庵の中で行われたそうです

これは命がけの集会だったでしょう  M君と戦時下・戦後の心身ともに苦しかった時代の話題 

改めて 平和のありがたみを噛みしめました


持参の赤ワインを嗜んだあと 鬼平こと長谷川平蔵ゆかりの本門寺に足を延ばします







胸を突くような急な96段の石段

慶長年間に かの加藤清正の寄進によって完成したものです

この石段が舞台となったのが 鬼平犯科帳「本門寺暮雪」です

平蔵が剣豪の”凄い奴”に急襲されあわや一命を落とすかと思われた一瞬

平蔵が 茶店で可愛がった柴犬が”凄い奴”の足に噛みついて形勢逆転 敵を一刀のもとに切り捨てた平蔵でした

このあと この柴犬は平蔵宅で飼われることになります


鬼平犯科帳の世界に浸りながら 山頂の大堂(粗師堂)に着きました



長栄山・本門寺は日蓮上人終焉の古跡で 弘安5年の開創と伝わります

いまも 御会式(10月12日)に信者の打ち鳴らす”うちわ太鼓”の行列は盛大であり壮大だそうです


本門寺のもうひとつの「名所」を紹介しましょう

戦後の日本を元気づけた英雄の墓があります



同年輩の女性たちにも人気のこのお方

そうです



街頭テレビのヒーロー力道山

シャープ兄弟を空手チョップでなぎ倒した画面は いまも鮮明に蘇りますね

アメリカ・コンプレックスを一掃してくれた亡き英雄

女性たちとの しばしの想い出話は力道山から離れて戦後の暮らし 遊び 映画にまでおよびました

これも 戦後から一貫して貫いてきた平和維持のおかげでしょうね


梅園・鬼平・力道山と楽しんだM君との一日になりました

帰路 石段の脇で気持ちよさそうに寝ていたのは 平蔵を助けた柴犬ならぬ・・・



・・・でした


春近し 予想されてた雪も降らず穏かな日々に感謝です

そして・・・早いものです ブログも11年目を迎えました

オジ3・歩 (谷中 三ノ輪 浅草)

2012年08月05日 | 鬼平を歩く
外科手術成功のS君を祝って オジさん3人でオジ3・歩

日暮里駅集合で下町散策を楽しみました

まずは谷中墓地です  涼しい木陰でひと休み・・



いまはフェンスで囲まれているこの空地ですが かっては五重塔が建っていました

オジ3たちの小学生時代には 上野動物園遠足の帰路 五重塔をバックに記念写真を

撮ったものでした

それが・・



昭和32年7月 放火によって焼失しました (中央は燃えている五重塔の写真) 

再建されることもなく 現在に至っていますが残念なことです

焼失のあと交番がたてられましたが 遅かりし・・です

小学校時代の想い出がひとつ消えました


休憩後 木立ちから漏れる蝉の声を聞きながら三ノ輪に向かいます



以前ご紹介した浄関寺です  江戸時代からの通称「投げ込み寺」

吉原遊女の亡骸を投げ込んだと伝えられている寺です

慰霊の地蔵尊の下には 当時の骨壺があります 合掌 

永井荷風の碑をあとに向かったのが吉原大門です



ここまで歩いたS君 元気とはいえ手術後の同君には 大いに栄養をつけてもらいましょう

おなじみ「土手の伊勢屋」の天丼の”ロ”(並)  最上ランクは”ハ”ですが隣席の若者三人の

ハをみて「”ロ”でよかった~」 大正解 彼らの丼にはエビがプラス2! それもデカイ!

T君は 次回挑戦するそうですが・・

「栄養つけた 元気になるぞ!」 今日の主役のS君 顔の色つやがよくなったようで

ごま油の効き目でしょうか



旧吉原土手道の痕跡が残る裏道を歩いて到着した神社です

こちらも ご存じ「今戸神社」 いまをときめく「婚活のパワースポット」

この日も 若い女性の参拝が目立ちましたが 偶然 素晴らしい出会いがありました



赤い衣装ですが カープファンではありません

自転車で来ていたNさん 同年輩のオヤジさんです

この人が面白かった

戦前生まれの生粋の浅草っ子  奥さんの介護のかたわら今戸神社で「説明ガイド」の

ひとりボランティアをやってるそうで・・・

まぁ博識なこと

戦後の浅草の風俗 映画 演劇 俳優の話題 さらには歴史と 話は尽きませんでしたね

特に王さんとは幼馴染のようで・・・

実に愉快な1時間でした


別れ際 Nさんから自分の携帯電話番号の開示がありました

もちろん こちらも・・

また ここ今戸神社での再会を期してのお別れでした  次回が楽しみです

流石は今戸神社 婚活ならぬ素敵なオジさんとの「見合い」になりました 


そして最後の〆はやはりこちらですね~



浅草ホッピー通りの「高橋」です

すだれの裏側で飲んだ冷たいホッピー  乾いた喉にグイ~と! 旨い!

乾杯のあと 術後のS君がシミジミ言ってました

「生きててよかった ホッピー万歳!」

T君と私も「万歳 万歳!」


なじみの店員A嬢 三杯目のホッピーの素の焼酎を かなり多めに入れてくれました

さすが下町娘です


全快祝いは 高橋でお開きになりましたが 久しぶりの下町めぐりをすっかり気にいって

くれたS君とT君

「次回は都電だ~~」 はい 計画しますとも!

猛暑に負けないようまだまだ頑張ろうね! 

加山雄三若大将にも負けない愉快なオジ3歩 今回も夏の想い出のいい一日になりました


電気ブラン

2012年02月09日 | 鬼平を歩く


長谷川平蔵の時代にはなかった 隅田川吾妻橋際の神谷バーです

創業は明治15年(1882)

電気が珍しい時代 目新しいものには「電気○○」と名付けてイメージアップを計りました

飲んでビリビリくるわけではありません

そういえば日本初の映画館も「浅草電気館」


電気ブランは ブランデーをベースにジン ワイン キュラソー ハーブなどが

ブレンドされますが その配合だけは未だに秘伝となっています

その下町の貴公子 電気ブランをお土産でいただきました


その友人は40年来のお付き合いあるMさんです (男性 79歳)

Mさんが山歩きを始めたのは1995年 以来17年間で380山

重複を除くと248山を完登することができました

今年も400山目指して歩き続けるそうです

  

旨いけれど 三杯以上飲むと腰が抜けるといわれる電気ブラン(そんなこともないのですが)

Mさんには適当な酒量でガソリン満タン エンジンフル回転

90歳までも山登りを続けていただきたいものです

見習いたい先輩のひとりです

この日も 浅草で多いに語り合いました


念には念の昼間酒

2011年10月03日 | 鬼平を歩く


東京江東区の「清澄庭園」です

江戸時代の豪商 紀伊国屋文左衛門の屋敷跡と伝えられています




明治11年 岩崎弥太郎がこの跡地を社員の慰安や 貴賓を接待する場所として造園を計画

「深川親睦園」を開園しました

現在は 東京都の名勝に指定されています



3月11日の地震で倒れた燈籠です

復元には細心の注意を払うため 時間をかけて行うとのことでした



微笑ましい光景にも出会いました


30年ぶりに訪れた清澄庭園です

この日は11月に開催される 同期会の第二回目の幹事会でした

前回の打ち合わせ会で充分だったはずですが 念のためということで呼び出されました

念には念 発送案内文の点検 集合時間までの散策コースの選定 予算はこれでいいか

今回の幹事さんの配慮には頭が下がります

現役時代の 細かい配慮の仕事ぶりが彷彿されます

大雑把だった我が身としてはものですね


そして 打ち合わせ会で嬉しかったのがこちらです ↓



昼間の蕎麦屋で 江戸人の生活習慣だったお酒です  

私が 熱烈な鬼平ファンであることを察してくれたのでしょう

気分は 頭のてっぺんから爪先まですっかり長谷川平蔵・・・いい気分になってしまいました

そういえば 長谷川平蔵旧居跡はこの近辺ですよ


一杯の後は 五人揃って市中見回りです



紀伊国屋文左衛門の墓に一礼 

11月の本会の盛況を祈願しました

みかんは供えませんでしたが 文左衛門さん 笑いながら願いを聞いてくれるでしょう

なにはともあれ久し振り 昼間からのお酒はサイコーでした

ただし1本だけ ここでやめておくのが粋というもんでしょう


鬼平を歩く

2011年08月12日 | 鬼平を歩く
池波正太郎の「鬼平犯科帳」のファンです 相当嵌ってます

文庫本は全部取り揃え ビデオも一部ですが買い求めました

時折 読み返したり映像を楽しんでいます 月曜日のBSフジ 再放送も嬉しい番組です

ところで鬼平こと 長谷川平蔵が若い頃”てっつぁん”と呼ばれ 無頼をかこっていたのが本所深川でした

この日は 深川で開催される同期会の本会に備えての 幹事5名による候補店の下見をしてきました

平蔵・佐嶋・忠吾と おまさがふたりのあわせて五人のメンバーです

目的の店に行く前に 深川界隈市中見廻りをしました





まずは富岡八幡宮です  江戸市中の安寧を祈願しました  こちらは相撲発祥の地でもあります



横綱力士碑の前で なにやら語り合う平蔵と密偵おまさ・・耳をすませば聞こえてきます

「ここの千貫神輿は無事であろうな」と鬼平 頷くおまさ・・ 



尺貫法がなくなったいま 4,5トンの見事な神輿です

あまりの重量のためか 盗賊どもの”おつとめ”の対象にはならなかったようです 

引き込み女の心配もいりません

しっかり保存され無事でした 寄贈した紀伊国屋文左衛門もほっとしてるでしょう

安堵とともに 急に喉の渇きを覚えた5人です



茶店でバイト勤めをしている猫八こと 相模の彦十にアイスキャンディーを所望しました

彦十は もちろん単なるアルバイトではありません

人相・風体から怪しい人物を見分ける能力を駆使して 密偵のお役目を立派に果たしているのでした

同じく密偵の小房の粂八・伊三次は出張中のようでした ご苦労さま


神輿の無事を確認したあと向ったのが こちらでした



深川不動尊です  石段工事の安全を祈願する平蔵  江戸市民を思う”おかしら”でした



門前町には瀟洒な店が並んでいます

名物「深川飯」(あさりを入れたぶっかけ丼)を食わせる店があります

深川飯の強烈な吸引力を断ち切るのは辛かったですね~ 思わず”たたら”を踏んだほどでしたから・・



いやいや ここにも入りませんでしたよ  下町娘の愛嬌のある笑顔に鼻の下を伸ばしかけた”うさ忠”

”谷中いろは茶屋”ならぬ”深川立ち飲み屋”

彼の袖を引っ張り引きとめました こちらの店は次回のお愉しみです


モンナカ 門前仲町から清澄庭園までの見廻りを続けます

やがて今日の目的地 そば料理「長寿庵・蕎匠」に到着しました

深川女性そのもの 浅黒い肌の早口大きな声の女将と交渉することしばし・・

同期会本会の日程 予算が決定されました

そうなれば市中見廻りのお役目も終了です

「五鉄」の藤巻潤と 猫八の娘まねき猫を呼び出し そば料理とビール 日本酒を楽しみました



部下思いの平蔵さんに写していただきました

さすが”おかしら”です この人のためなら・・と思わせるなにかがあるお人です 

今後とも 江戸市中の治安は「火盗改」にお任せください

また 深川界隈市中見廻り「鬼平を歩く」のカテゴリーでお会いしましょう