昨日は第17回リニア連絡協議会が開催された。6月の協議会の後、6月末から7月にかけて、大鹿村では三六災を超える記録的な大雨が降り、人的被害はなかったものの、村内各所で道路等が被災した。リニア工事関連でも、飯田市への発生土運搬が始まっていた小渋線の河川内迂回路が被災して通行止めになり、釜沢地区では地すべりが発生して、二つの非常口へ通じる道が陥没したり、大きく亀裂が入ったりして通行止めになり、釜沢地区での工事はストップしている。中電の送電線工事も、豊丘村でヘリポートに通じる道路が被災し、村内3基の鉄塔工事が1~2年先送りになるそうだ。
まずは県から小渋線関係の説明。飯田市への残土運搬は現在、計画の半数の50台で行われている。河川内道路の復旧はできるだけ早く、遅くとも年内とのこと。復旧の見通しが立った後に、喬木村と調整した上で、再度運搬期間や運搬台数について連絡協議会で諮られるそうだ。河川内道路の復旧にもリニア残土が使われ、岩ズリを細粒化する必要があり、半の沢の迂回路沿いに破砕作業ヤードを設けるとのこと。この破砕のための運搬が最大50台、飯田市への運搬50台に加わる。
JR東海からは各工事箇所の状況説明。小渋川非常口では先進坑の延長約1600mのうち、約3割の掘削が完了。前回も3割と言っていたので、全然進捗していないのでは?と思ったが、蛇紋岩地帯を慎重に掘っているためとのこと。この蛇紋岩の発生土から、溶出試験で基準値を超えるホウ素が確認されたそうで、これまでの蛇紋岩と同様トンネル内に「区分土」として仮置きしているそうだ。委員からホウ素が流出した場合の影響について質問があったが、今は雨が当たらないトンネル坑内に仮置きしている、搬出する際は改めて説明するとのこと。
釜沢では県道(と林道)はまず仮復旧工事が行われ、水抜きボーリングや押え盛土などの復旧工事が行われている。今後さらに地すべり対策事業として、集水井なども施工される。非常口ヤードも通路部が被災したようで、トンネル掘削がいつ頃再開するのかという時期的な見通しの話はなかった。掘削再開にあたっては、関係者に知らせるとだけ。
伊那山地トンネル青木川非常口も掘削が始まっている。ここは掘り始めてすぐに硬い鹿塩マイロナイトに当たり、防音扉設置前に発破作業が始まった。人家も近く、かなりの騒音だったが、現在は防音扉が付いて、騒音はある程度軽減されたようだ。
そして、中部電力から送電線工事の説明。鉄塔工事で伐採予定とされていたブナの巨木について、前回の協議会では1本は伐らなくては工事ができない、もう1本はさらに検討するという話だったが、その後、村民有志から2本とも伐らないでほしいという伐採の延期・中止を求める要望書が8月に署名217筆を添えて提出された。それに対し、ブナの木は来年7月まで伐採しないという回答が得られたと聞いていた。中電からの最初の説明の中ではブナの話は特になかったものの、委員からの質問に答えて、改めて2本のブナの木は来年7月までは伐らない、再度検討するという回答があった。何とか残してほしいものだ。
この件については現在オンライン署名も行われている。若い人たちを中心に、改めてリニアを問う動きが始まっていて、こんなポスターもできた。
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