マリウポリの製鉄所に立て籠もるアゾフ連隊を巡る情勢は奇々怪々だった。玉石混淆含めて米報道ニュースばかりの日本の新聞が、昨日はこんな事を伝えていた。
『国連は赤十字国際委員会のほか、ロシア、ウクライナ当局と協力し、今月に入り500人近くを退避させてきた。そのうち101人は、人道危機が深刻化するマリウポリ市内の製鉄所「アゾフスターリ」から救出した。
一連の作戦は先月下旬、グテーレス(国連事務総長)氏がロシアとウクライナを訪問してから動き始めた』
『これまで2度の退避が実現したことについて、グテーレス氏は「一定の成果」と表現。「3度目も進行中だが、成功の可能性を損なわないよう完了前に詳細を語らない方針だ」とした』
さて、「成功の可能性を損なわないよう・・詳細を語らない」って、どういうことだろう? 今まで邪魔が入ったということだが、どういう邪魔なのか。日本外務省もこれまで「ネオナチ組織」と認定してきたアゾフ連隊は市民を実質的に人間の盾として閉じこもったはずなのだし、だからこそここを完全包囲してもロシアは殲滅作戦には出られないで「人道回廊」を提案、協議してきたのだが、両軍がこの新たな市民退避機会を自軍有利になるように利用しようとしてきたということだろう。だからこそ、この人道回廊通過が難しくなって来たということだ。
国連頑張れ。
などなどと気に病んでいたら今日はこんなニュース、大変な朗報である。国連が頑張った証拠だ。
『 マリウポリの製鉄所「全ての女性・子供・高齢者が退避」…部隊は潜伏して抵抗継続か
5/8(日) 2:57配信 読売新聞オンライン
ウクライナのイリナ・ベレシュチュク副首相は7日夜、ロシア軍が制圧を目指している南東部マリウポリのアゾフスタリ製鉄所について、「全ての女性、子供、高齢者が退避した」とSNSに投稿し、取り残されていた住民の退避が完了したことを明らかにした。
製鉄所の敷地内には約1000人の住民が取り残されていたとされる。今月初め頃に、国連と赤十字国際委員会の支援によって退避が始まったが、その後も露軍による攻撃が続き、住民の退避が完了するかどうか懸念されていた。
ただ、退避に関する詳細は不明で、敷地内に残されているとされる負傷者の退避も進んだのかどうかは不明だ。また、製鉄所内ではウクライナの部隊が潜伏し抵抗を続けているとみられ、露軍の攻撃が一層強まる可能性がある。』