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随筆 スポーツライター  文科系

2013年11月28日 14時11分41秒 | 文芸作品
 同人誌活動を20年近くやってきて、他方で好きなサッカー本を貪り読む僕には、サッカーライターの世界もそれなりに分かる気がする。
 ゲーム報告だけの文章は、スポーツ誌の記者。ちょっと昔の評論家などには、西欧サッカーの知識だけで食っているかという人もいる。それと似た、サッカー史の裏話とか挿話専門の人。人と違ったことを言いたがるエキセントリック派は、結構名を売った人に多い。そういう人の中には、不勉強が祟ってか、消えかけ始めた人もいる。
 しかりしこうして、スポーツ評論としても本格的でかつ気の利いた書き物が意外に少ない。そもそも、語尾が単調な文章や、時系列だけの構成では、気分が乗っていかない。文章をやったことがある人には、たんなる報告文はすぐに分かり、嫌われるはずだ。
 それで考え込んでいたことだが、国民スポーツは近代とともに始まったのだから、近代史が浅い日本はスポーツ評論も浅いと言えるのではないか。そういう読者の程度に合った文章とも考えれば観戦者たちの責任もあろうが、野球や大相撲などプロ出身の評論家には案外文章が書ける人がいないと気づく。文章が書けない人が評論をやっている例のほうが多いのではないか。そこでまた思った。そもそもプロ出身者だけがその評論を語るという日本の閉鎖的仕来り自身もおかしいと。まるで引退者の再就職口と決めているようで、いかにも軽い扱いである。世界サッカー史に名を残した名監督の何人もが、実はプロサッカー経験がなかったなどという西欧などとは、なんと対照的であることか。これと比較すると、日本のプロ野球や大相撲はスポーツの世界と言うよりも閉じた興業の世界というべきなのかも知れない。そのスポーツの振興は片手間にやっていても、「国民皆スポーツ」などの発言はほとんど聞いたことがないのだし。
 ゲーム分析研鑽眼を感じ、分析的文も書けて、なお気の利いた文章という、そんなライター、記者たちがプロサッカー開始二十年にしてやっと出始めた段階かと思う。それがプロ経験者である必要など全くないとも思うのである。

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