岩波新書「福島原発事故 県民健康管理調査の闇」を読んで、ずい分苦労してそこに集められたと分かる調査検討委員会のうさんくささ情報に吐き気がしたものだ。その次第については、今月16日の当ブログに書評として書いたところ。と、そこへ、その書にもあった子どもの甲状腺がん多発に関わって、最近ますます広がっているとの告発がここのところ相次いで出てきた。チェルノブイリより速く広がっているとは、いい加減な「社会主義国」よりも我が国ではきちんと国民に知らせる状況があるということだろう。民間の努力と力によって、そうせざるを得ないのだと思う。秘密保護法ができれば、こんなこともなくなるのだろうと思うが。
以下は阿修羅掲示板の記事である。
【 福島甲状腺がん 世界最速最悪レベル チェルノブイリを超えた
2013/11/26 日刊ゲンダイ
放射能による健康被害が深刻だ。福島の子どもの甲状腺がんが世界最速、最悪レベルで進んでいる。
今月中旬、「県民健康管理調査」検討委員会が、福島第1原発事故発生当時に18歳以下だった子どもの甲状腺検査の結果を発表した。それによると、検査を受けた22万人のうち、59人に甲状腺がんやその疑いがあったという。一般的に小児甲状腺がんは100万人あたり1~3人といわれているから、とんでもない数字だ。
がんが確定した人は、前回8月から8人増えて26人。疑いありも8人増の33人だ。ジワジワと増えていることが分かる。
しかし、検討委の星北斗座長は「原発事故の影響で明らかに増えているわけではない」とキッパリ否定。また一部の専門家も「被曝から2年8カ月の短期間での発生は考えにくい」とした。「甲状腺がんは被曝後、5年をメドに目立ち始める」というのが理由だが、「隠された被曝」の著者で、内部被曝の危険性を研究する琉球大の矢ケ崎克馬名誉教授はこう言う。
「チェルノブイリでは、原発事故が起きた1986年4月の翌年から甲状腺がんと一般のがんの症例数が増加しました。当時もIAEAや国際放射線防護委員会(ICRP)は、放射線の影響を否定しています。急激に増えるのは5年目で、2~3年では影響は出ないとしたのです。しかし、それは全く科学的ではない。事故前のがんの推移と事故後の推移の統計を見ると、明らかに87年以降の上昇率が高く、増え方が違うのです」
5年というのは“ピークが来る時期”に過ぎないのだ。
「被曝量が多いほど、がんになるまでの期間は短いのです。福島の汚染地帯の人口密度は、チェルノブイリより14倍ほど高い。がんの患者数もチェルノブイリの10~20倍に膨らむ危険性もあります」(矢ケ崎氏)
チェルノブイリ周辺では、事故から20年で4000人以上の甲状腺がんが発症したとされる。その10倍なら4万人、20倍なら8万人だ。少なくとも健康被害の“完全ブロック”はできていない。 】
以下は阿修羅掲示板の記事である。
【 福島甲状腺がん 世界最速最悪レベル チェルノブイリを超えた
2013/11/26 日刊ゲンダイ
放射能による健康被害が深刻だ。福島の子どもの甲状腺がんが世界最速、最悪レベルで進んでいる。
今月中旬、「県民健康管理調査」検討委員会が、福島第1原発事故発生当時に18歳以下だった子どもの甲状腺検査の結果を発表した。それによると、検査を受けた22万人のうち、59人に甲状腺がんやその疑いがあったという。一般的に小児甲状腺がんは100万人あたり1~3人といわれているから、とんでもない数字だ。
がんが確定した人は、前回8月から8人増えて26人。疑いありも8人増の33人だ。ジワジワと増えていることが分かる。
しかし、検討委の星北斗座長は「原発事故の影響で明らかに増えているわけではない」とキッパリ否定。また一部の専門家も「被曝から2年8カ月の短期間での発生は考えにくい」とした。「甲状腺がんは被曝後、5年をメドに目立ち始める」というのが理由だが、「隠された被曝」の著者で、内部被曝の危険性を研究する琉球大の矢ケ崎克馬名誉教授はこう言う。
「チェルノブイリでは、原発事故が起きた1986年4月の翌年から甲状腺がんと一般のがんの症例数が増加しました。当時もIAEAや国際放射線防護委員会(ICRP)は、放射線の影響を否定しています。急激に増えるのは5年目で、2~3年では影響は出ないとしたのです。しかし、それは全く科学的ではない。事故前のがんの推移と事故後の推移の統計を見ると、明らかに87年以降の上昇率が高く、増え方が違うのです」
5年というのは“ピークが来る時期”に過ぎないのだ。
「被曝量が多いほど、がんになるまでの期間は短いのです。福島の汚染地帯の人口密度は、チェルノブイリより14倍ほど高い。がんの患者数もチェルノブイリの10~20倍に膨らむ危険性もあります」(矢ケ崎氏)
チェルノブイリ周辺では、事故から20年で4000人以上の甲状腺がんが発症したとされる。その10倍なら4万人、20倍なら8万人だ。少なくとも健康被害の“完全ブロック”はできていない。 】
もう少し、マスメディアを信じた方がいいよ(特に反体制的な朝日や毎日を……笑。まあ、それは冗談として、地球温暖化や地震予知なんかでさえ色々異論は伝えられていますからね)。
様々な情報はちゃんと得た方がいいです。「甲状腺ガン スクリーニング検査」で検索すると、こんな情報が得られます。→今回の「甲状腺ガン見つかった」報道が騒ぐに値しないことは、「元々一定割合で存在する病気なんだから、調べれば(多く)見つかるのが当たり前」という極めて単純な、別に専門家じゃなくとも分かる道理で理解できるんですよね。
アメリカによる攻撃で死者が60万人以上なんて「惨状」が本当なら、隣国(カタール)にあるアルジャジーラが報道しない道理がない。それこそ、隣国イラクの家族(遺族?)などから直接的な情報が得られるはずなんですよね……。ウィキリークスからの、そういう類いの話に関する暴露もないみたいだね笑。
だからちゃんと自分で検索したり、図書館に行ったりして、色々な情報に目を通した方がよい。まとめられた引用文だけだと、引用した人にとって都合の悪いような事実はカットされている可能性があるから。
あと、欧米の主要メディアも(フランスもイタリアもドイツも)米軍の攻撃によるイラク戦争の犠牲者はほぼ10万人のセンで伝えているようですね。不思議ですね?
さて、まずこれ。
あれ読めこれ読めというのは止めましょう。こんなことをすればご自分が見出しとちょっとだけに目を通した記事でも、勧められる。僕のように要約してください。その上で読めと言うのが礼儀でしょう。普通読めと言われて読む人はいません。ネトウヨの人には、こういう「読め」が非常に多い。多すぎる。
甲状腺がんについて、「普通100万人に1人」と述べてきたのは、調査の前のフクシマ調査検討委員会会長さんだった。多分学会の常識なのでしょう。それを今は、「発見率と有病率とは違う」と語って逃げている有様。僕が16日にエントリーで紹介した本でも、彼、こと福島県立医大山下俊一副学長はインタビューで問い詰められてこういうレトリックで逃げを売っています(196頁)。最初は意識して過小にごまかして、あとで言い直すという典型。その生齧りが、貴方のこの文章でしょうね。
『「元々一定割合で存在する病気なんだから、調べれば(多く)見つかるのが当たり前」という極めて単純な』
それにしてもフクシマは既に多すぎますよね。この半年でもどんどん増えている。ホントに可哀想! チェルノブイリ事故経験からすれば、事故後5年が発症のピークということですけど、2016年に向かってフクシマの親子は震えているはずだ。
次がイラク戦争死者数。
10月31日のエントリー拙稿「イラク戦争の死者数」は、180カ国で読まれているイギリスの権威あるナショナル・ジオグラフィック誌記事の(間接)報告でした。一定の科学的方法を明示してワシントン大学とイラク保健省が実施した聞き取り調査により50万人と推定し、「控えめな数字」だとしています。結論部分を上げておきましょう。
『調査に対する回答から、2003~2011年のイラク戦争が原因で亡くなった人の数は約40万5000人に上ると推定される。さらに、イラクを離れることを余儀なくされた家庭からも最低5万6000人の死者が出ているとみられ、これも犠牲者数に加える必要がある。調査によると、2003~2011年に犠牲となった男性、女性、子どもの60%以上は、銃撃や爆破、空爆といった直接的な攻撃によって命を落としたという。それ以外の人々は、ストレスによる心臓発作、衛生設備や病院の破壊といった間接的な原因によって亡くなっている。』
なお、貴方の10万人という数字は、この記事にもこうありまして、ウイキリークスも「米軍内部報告の数字」と、報告しています(笑)。なお以下の数字はフクシマ放射線死はゼロとか反論して、関連死をごまかした政治家のようなもの。仮設で命を縮めた方はフクシマに殺されたのです。
『 これまでに発表された戦争によるイラク人の犠牲者数は、調査によって大きく異なる。告発サイト「ウィキリークス」に公開されたアメリカ軍の記録では10万人余りとなっているのに対し、ロンドンの調査会社オピニオン・リサーチ・ビジネスが手がけ、大きな批判を浴びた調査では、2007年までに120万人が亡くなったとされる。』
右翼的マスコミの愛読者は、資料明示が極めて弱く、杜撰だとこれは断言できます。ここで多くのそういう方と付き合ってきた経験からのことですね。「これ読め」も多すぎて閉口してきましたが。歴史的事実確定は実はとても難しい作業。残っている文書が全て事実というわけでもないし、資料によっては残したがらず、消したがる人々も多いのですよね。あなたのように。普通の人も、自分の恥部など語らないでしょ。美化だけを語ってね。美化の片棒担ぎはみっともないだけだ。
以上、常識で考えて欲しい。
ついでながら、国も福島県もことフクシマ、ことにその被害者に関しては、もはや加害者の立場と僕は観ている。それこそが、この著作「福島原発事故 県民健康管理調査の闇」が証明して見せた功績であろう。
そういうデマを流しているバカがいるだけのことだろう。
本当にその話に真実味があるなら、どうして世界各国の主要メディアは黙っているんだ?(甲状腺ガンについてもそうだ。「阿修羅」の記事が正しいなら、どうして毎日や朝日、共産や社民は連日大騒ぎしないのか)
イラクは戦争にやられた側だから恥ずかしくって犠牲者は少な目にカウントしているって!?
正気かよ……中国や韓国を見ろよ!(それともやっぱり中国や韓国が「世界の常識」から見て異常なのかな……)
・ 甲状腺がんは、日刊ゲンダイの記事転載と明記してある。阿修羅じゃなく、ゲンダイに文句言えよな!
・ 「イラクは戦争にやられた側だから恥ずかしくって犠牲者は少な目にカウントしているって!?」。これって、僕が語ったことの正反対だね! 僕の主張はこう。
「被害国は被害を多く語り、加害者が少なく語るのが普通だろう」
あんたはフクシマ被害者や南京虐殺を少なく語るだろ? フクシマ被害者団体や中国側は多く語りすぎって叫ぶだろ。加害者側だからだよ。
スクリーニング君とやらに聞きたい。こんな簡単な論理も通じないから誤読する人と、話す価値があると君なら思うかい?
120万人もよく読んでね。こう書いてあるだけだ。出典を明示してね。
『ロンドンの調査会社オピニオン・リサーチ・ビジネスが手がけ、大きな批判を浴びた調査では、2007年までに120万人が亡くなったとされる。』
「大きな批判を浴びた調査」ね! これなんか僕がイラク戦争で書いた事のほんの一部、しっぽの切れ端みたいなモンだよね。
私の批判は、デマを撒き散らす人全般にかかってるんだけどね笑。