九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

アメリカがイラク農業を支配した手口  文科系

2013年11月30日 18時23分57秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 これは、岩波新書、堤未果著「(株)貧困大国アメリカ」の部分的要約である。標題の手口と、イラクが多国籍アグリビジネス大独占企業の食料輸出基地に統合されていった経過を描いている。もちろん、TPPなどで問題になっている知的財産権の法律(というよりも、国内法に優先する連合国暫定当局命令。04年4月に100のそれが発布された)が強力な武器として活用されてきたという経過も存在する。

 事態はこんな情勢から始まった。戦争がやっと落ち着きかけた頃、連合国暫定当局が「さー農業を始めよう」、「イラクに強い農業を」と大いに呼びかけ始める。そして、これに呼応してきたイラク農家に、アメリカ国際開発庁から送られてきた種子と農薬を、補助金つきで無料提供し始めたのである。最大主力農産品である小麦、大麦、豆類などの穀物に遺伝子組み換え種子が当てられているところが味噌なのだ。それには例えば、こういうライセンス契約が付いているのである。

『・自分の農家で採れた種子を翌年使用することは禁止
 ・毎年種子はモンサント社から購入
 ・農薬は必ずモンサント社から買う
 ・毎年ライセンス料をモンサント社に払う
 ・何かトラブルが起きた際はその内容を他者に漏洩しない
 ・契約後三年は、モンサント社の私設警察による農場立ち入りを許可する』

 なお、このライセンス契約は、連合国暫定当局命令81号という「法律」によってバックアップされた保証付きという代物である。この81号の呼び名はこういうものだ。「特許・工業デザイン・未公開情報・集積回路・植物品種法」。これまでのイラクには植物、生命体に特許をつける発想などどこにもなかったのであって、遺伝子組み換え種子が国中を席巻していったのは言うまでもない。なお、イラクそれぞれの土地にあった伝来の多様な伝統的穀物種子バンクはほとんど破壊されてしまったとも書いてあった。唯一の例外を除いて。
『フセインの時代の農務大臣が、緊急用にシリアの都市アレッポ国際乾燥地農業研究センターに預けていた一部の種子以外、種子バンクに保存されていたイラクの貴重な種子は全て破壊されたのです』

 なおこれからおいおい、この本の部分紹介を行っていきたい。こんな内容になるであろう。アメリカ農業の大独占・輸出企業化。イラクのみならず、インド、アルゼンチン、ハイチなどの農産品輸出基地化。アメリカ貧困ビジネスと、公共サービスの切り売り状況などである
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ザックジャパン(131)凄まじい輝き、香川   文科系

2013年11月30日 18時20分52秒 | スポーツ
 香川が輝き始めた。とともに、チームも輝き始めた。
 新監督の試行錯誤からあれだけ下位だったリーグ順位が、いつの間にか2位と勝ち点3しか違わないところまで盛り返している。ちなみに、今年のプレミアはアーセナル以外の上位が大混戦なのだ。
 チャンピオンズリーグ戦も僕が苦戦を予想したドイツ2位の強敵・レバークーゼンに、28日早朝5対0で圧勝して、いち早く決勝トーナメント出場を決めてしまった。一時の低迷マンチェスターから見たら、この強敵に5対0などという結果は、到底信じられないものである。
 このゲームの香川、先発完投して初めて1ゲーム全てでトップ下を努め、走行距離が12キロを超えた両チーム唯一の選手になった。その距離実に12.5キロというのだから驚く。世界で最も走る彼の古巣ドルトムントでも、1ゲームの10人合計で120キロにはなかなかならないはずだ。「僕の持ち味の一つだから、意識してやっている」のだそうで、得点もないのにこのゲームのマンオブザマッチに選ばれたのである。彼のこの走りがチーム5得点に向けて最も有効だったということだろう。チーム一点目のカンター得点では、最初にボールを持って長く走りだしたのが香川である。敵ゴール近くになってから左へ叩いて、さらに敵ゴールへと走り込んで、ファーのバレンシアの得点のおとりの役割までを果たしている。4得点目の香川は、ベルギー戦の柿谷を彷彿とさせた。敵ゴール前で長谷部のパスを受けて、右斜め前に走り込む岡崎に敵の頭越しふわりとアシストパスを出したあのプレーである。香川も丁度これと同じように右斜め前のルーニーへこれを出すと、ルーニーの低く短いセンタリングに楽々と合わせたスモーリングの得点だった。

 さて、この香川の「勝率」について、ある記事に面白い数字があった。
「今期に香川が出たゲームは、勝率7割5分。出なかったゲームは3割3分」
 前者が8戦6勝、後者が6戦2勝という数字なのである。これは、たまたまの数字ではあるまい。香川が、人を繋ぎ、人のためにスペースを作ったりしてチームプレーに徹しているから、ボールも人もよく動き、皆も気持ちよくやれるのだと思う。このチームの攻撃の柱であるウエイン・ルーニーがいつもそう語っているのがその証拠となろう。ルーニーの香川評価について、フットボールチャンネルというサイトで森昌利というライターがこんな優れた報告を書いてくれた。
『 「僕らはふたりとも、身勝手なプレーをしない選手だから、チームを助けるためにプレーし、お互いにボール交換する、だから一緒にプレーするのが楽しいんだと思う」。
 ルーニーは自分と香川を「very, very unselfish players」(とてもとても身勝手ではない選手)と物事を強調する“very”を2度重ねて描写しているが、これも裏を返せば、チーム内にselfish(身勝手)な選手も多いということだろう。
 ユナイテッドのサッカーを見ていると、とくに格下相手の戦いで攻撃陣が連携を欠くシーンが多い。球離れの悪い選手が揃っているという印象だ。とくに中盤両サイドのナニ、ヤングはその筆頭で、バレンシア、新星ヤヌザイも1対1が得意で、好んで連携するタイプではない。
 ストライカーのファン・ペルシー、チチャリートことエルナンデスの2人は類いまれなフィニッシャーだが、前述したウインガー達と同様、連携タイプではない。ウェルベックが多少、意識してワンツーなどのリンクを見せる程度か。
 こうした“個人技はあるがわがままな選手が多い”攻撃陣の大黒柱として、ルーニーが最も足りないと感じているのが、連携なのである。』
 
 さて、うえの引用内容の証明のように、香川自身もこんな賢い「展望」を語っている。それが、僕にはとても面白かったのである。サッカーキングにあった小谷紘友というライターの記事から取ったが、優れた書き手だと観た。
『香川も現状について、「どっちかというと周りを活かす方になっているかな」と話したが、「やっぱりこのチームは本当に個の力が強い選手が多い。逆にそういう選手がすごく目立つことは、生かせる選手が目立つところでもあると思う」と可能性についても言及している。』
コメント (17)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする