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米中冷戦が必然かつ急ならば・・・   文科系

2019年08月12日 13時20分24秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 浜矩子が11日の中日新聞コラム「視座」で、こんなことを書いている。まず、これの見出しは『求む、経済怪談特集』。この特集は4例が集められているのだが、その2で曰く。
『グローバル・ホラーには事欠かない昨今だ。どこから行くか。選択に困るが、やはりインパクトが大きいのは「恐怖の米中衝突」だろう。この激突、戦域が広がる一方だ。関税引き上げ合戦に始まって、ハイテク・ウオーズの様相を帯び、そして、通貨切り下げ競争の領域に踏み込む気配が見えてきた。アメリカが意図的にドル安を追求するようになるか否か。それが見ものだ。その瞬間に、アメリカは国際基軸通貨としての位置づけの最後の建前をみずからかなぐり捨てることになる。この建前仮面の下から、どんな形相が顔を出すのか。・・・・・(中略)
 四つの経済怪談に通底する不気味な影が一つある。それが「国家」という名の影だ。国家主義というものが前面に出る時、全ての経済物語がホラーになる。この暑過ぎる夏、それを思い知らされる』
 

 さて、標記のように、この冷戦が必然で、しかも風雲急を告げているということを以下改めて実証してみたい。

①仕掛けられる方の中国は時間稼ぎをするだけで、斜陽著しいアメリカに対してその分強くなるだけ。アメリカの方は、急ぎたい理由が無数。

②米の斜陽例とは、こういうもの。GDPの4倍の国家累積赤字。これは、金融以外は衰えた国家経済の半分が軍隊、軍事関連という従来国家方針の結末。ちなみに、この金融が、F35、オスプレイ、ボーイングの相次ぐ欠陥など、兵器も含めて物作りをすっかりダメにしてきた。G7で相対的貧困率が日本と並んで高いという格差社会は、内需もダメにしたということ。米の高すぎるミサイルを敬遠して、トルコ、インドが、ロシアの同種ミサイルを半額ほどで買ったという有様。サウジまでが、このミサイルに手を上げているというニュースまであった。世界の中の米国ということでは、嘘の理由イラク戦争、イスラエルへの異常な肩入れ、トルコ、ベネズエラ、イランなど米の革命輸出はあまりにも有名になりすぎた。身勝手な物貿易保護主義などなどで国連各国の信用もすっかり無くしている。

③受ける側の中国には、有効需要はまだまだ存在するし、さらにこれを生み出している。「農村人口が10%を切るまでは、安い労働力がある」という資本主義国としての発展法鉄則に対して、まだ35%ということ。二つの絹の道など、自国以外にも有効需要を作り出していこうという戦略的動向もある。原材料では、いち早くアフリカ諸国などと友好関係を結んできた。結果として、今の中国は年々、まだまだ貿易累積黒字が貯まっていく。つまり、累積赤字がGDPの4倍というアメリカに対して、時が経つほど金が貯まっていく中国という対決図が、相変わらず続いている。


 さて、こんな時に日本安倍政権の基本外交方針は、相変わらずこんなもの。中国に対して南京虐殺、尖閣など、韓国に対しては慰安婦、徴用工、竹島などなど、歴史修正主義と領土問題で敢えて喧嘩を売り、トランプ・アメリカは今でも「基本的人権、民主主義、自由主義など、普遍的価値を共有する」同志国。物貿易で保護主義を決め込まれようが、世界一の米軍援助予算をさらに何倍かに上げよと迫られようが、通貨戦争で15兆円も奪い取られようが、そうなのである。これだけの「親米同志国」が明日の仮想敵中国との最前線に存在するというのが米にとって至上の価値という、今やそんな立場にありながら、これを何も生かせない政権である。

 ただし、この安倍政権にも流石、重大変化が少しずつ見えている。去年安倍が中国に行き、さらにこの12月にも訪中を計画中のようだし、10月の天皇即位儀式に副主席訪日予定に次いで、来春には習を日本に呼ぶと発表された。対イラン戦争有志国募集にも、独自行動を表明して、アメリカにやんわりと断りを入れた。
 そう、こんなアメリカの無謀戦争(挑発、脅迫を含む)の最前線尖兵に日本がなるなど、愚の骨頂。むしろ、世界第3の経済大国としては、双方から成果を上げる絶好機ではないか。その成果も、経済利益と言うに留まらず、アメリカがますます無視に努めている国連の規模の大義ある世界平和に向かって。

 と語るのが例えば、先日93才だかで亡くなったロナルド・ドーア、「日本の転機 米中の狭間でどう生き残るか」(ちくま新書、2012年11月)。伝統的イギリス政経学の大家にして、20代前半と若くして来日、東京大学で江戸の教育制度を学ばれて以来という、日本を愛して止まない大の親日家である。ロンドン大学名誉教授、同志社大学名誉文化博士であり、英米の学士院会員、日本学士院客員。 なお、彼への言及はこのブログには無数にあります。ノーム・チョムスキーと同じぐらいでしょうか。右最上段欄外の検索空欄に名前を入れて、その右を「このブログで」とし、虫眼鏡印を来リックすれば出てきます。
コメント (8)
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