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米孤立、ユ-ラシア東西で・・・ 文科系

2019年08月03日 15時58分14秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 26日から今日3日まで入院して、胃がんの疑いによる生体検査手術を受けていた。内視鏡的胃腺腫粘膜下層剥離術というものだが、これ自身と、胃がんとピロリ菌との関連性などの細かい説明をここでも近くやってみたい。が、その前に、入院中に仕入れた情報や、読んだ本の書評などいろんなことを書いてみる。第一回目が、この表題の、アメリカの孤立化が始まったということ。
 トランプになってからの米は国際慣行の無視ばかり、それがどうも無理をしすぎて来たようだ。国連の決まりや慣行の無視は当然のように、加えてG7さえ無視して、何か世界各地で数々の陰謀を強めてきたが、これへの反発がどんどん強くなっているということだ。こういう情報を日本マスコミの中で見つけようとすると、ちょっと努力が要るのだが。このことを示す例が二つ、昨日2日の朝日新聞8面に載っている。

『ASEAN 米と距離 インド太平洋構想 米中対立敬遠』
『独外相「参加せず」 米主導の「有志連合」に』


 アメリカの戦争、軍事介入をもほのめかす国家転覆陰謀については、ちょっと前にはベネズエラ、今はイランでご活躍と、ここで書いてきた。米による革命輸出、つまりクーデター策謀ということならば、トルコもシリアも入るだろう、とも。またこの間中もずっと、近い将来の米中衝突を予定しつつ、香港、ウイグル、中南海と米陰謀もお忙しいことだとも、ここで展開してきた。ただ好きでやっているのではなく、いずれもアメリカが抱えた今の国家構造的困難の「解決策」という側面を含むので、やむにやまれぬ一定の「必然性」を持ったこととして。

 こうした国家エゴ丸出しの暴力的やり方が世界関係各国の誰の目にも見えるようになったのだろう、まずASEANでは、ポンペオが同会議で力説した「インド太平洋構想」への協力要請訴えが、こんな目にあったと新聞記事はいう
『だが米側の期待とは裏腹に、ASEAN側熱は高くない。ASEANは6月の首脳会議で、インド太平洋地域を「対抗ではなく協力と対話の場」と位置づけ、ASEANを中心に地域協力を進めていくことなど独自の「インド太平洋」構想を採択』
『(米国の構想と一致する具体的項目はあっても)一方ですべての関係国を「包摂」する原則を掲げ、中国を排除しない姿勢をのぞかせている』
『ベトナム外務省のハン報道官は1日、取材に「我々はバランスをとるべきだ」と延べ、カンボジア代表団の一人は米国の構想との溝に触れながら「我々には我々の戦略がある」と語った』
 
 他方、もう一つの記事ドイツの対イラン(戦争)有志国不参加声明の記事はこんな内容だ。
『同海峡での緊張をこれ以上高めないためとの趣旨で、米国とは一線を画す姿勢を明確にした』
『米国がイランに対して最大限の圧力を掛けようとしていることには「くみしない」との姿勢で、これまでも外交的解決の方針を繰り返してきた』

 アジアの反中国包囲網は、もう当分、よほどの変化がない限り無理だろう。対中経済戦争でさえが保護主義へと転化したアメリカから仕掛けたものと知られているのだし、これを近い将来の「予定通り」に地政学的対立や軍事をちらつかせた脅迫に持って行こうとしても、誰も付いて行かないはずだ。韓国でさえ無理になっているし、そもそもアジアの経済・生活がどんどん中国に巻き込まれているのである。日本でさえがそうなのだから。そもそも人の職業というものは、金融資本の短期株主資本主義とは両立しがたく、物作り経済の中にしかないのだと、いつものように声を大にして主張したい。
 イラン戦争有志国に至っては、既にイスラエル、サウジ、イギリスぐらいしか残っていないと分かる。アラブ首長国連合でさえが、消極的になっているのだ。今回のイラン戦争もともとの原因が、アメリカの一方的なイラン核合意離脱に始まったということも世界周知の事実になっているのだから。

 こうしてアメリカは既に、最近のその利己的・暴力的諸行動によって、世界の信頼をどんどん失って来たと観ている。そのうえで今回のASEAN会議でポンペオがやったように「普遍的価値観・自由と民主主義」などと改めて叫んでみた所で、誰も付いて行かなくなったということだろう。なんらか自己利益が絡んだ他国の自由や民主は、踏みにじる国になっている。国連を無視するから国連総会で孤立しているようなアメリカ(演説)への各国の態度を見れば、以上のことはもう明らかである。イラク戦争以来、ますますそうなっている。

 アメリカへの反発、離反や、面従腹背。日本にいるとこれら全体が何か見えにくいのは、安倍のトランプに対する卑屈な態度や日本マスコミの責任などが大きいのだろう。
コメント (4)
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